日記(2009年)

2009. 12.25
    冬休み、研究室にこもり、仕事に没頭していると、誰かがドアをノックする。同僚のA先生が、使わなくなった子ども用スキー一式をくれた! 弘前の小学校では冬にスキーをするので、買おうと思っていた矢先だった。さっそく庭で練習に励む息子。年明けにゲレンデに連れていく予定

2009. 12.20
    楽しみにしていた教会のクリスマス・パーティー。子どもが成長し、自分で哲学や宗教を考えてくれる日を待つ

2009. 12.18
    『ピグー 富と厚生』の邦訳完了。次は推敲だが、せめてクリスマスは家族でゆっくり過ごそう。幼稚園の発表会で一仕事を終えたリリは、家で団子作りに励み、コータローは黙々と雪かき

2009. 12.14
    子どもたちがインフルエンザの予防接種を受けた。コータローは取り乱し、孫悟空のように大暴れしたが、4人がかりで押さえつけられ…「今年一番の暴れぶりでした」と看護師さんからお墨付きを頂いた。一方、リリは「注射? なにそれ? どうかしましたか?」的な感じで、クールな大人の女を演じきった

2009. 12.9
    ・『市場社会論のケンブリッジ的世界』の合評会が早稲田大で開かれ、執筆者の一人として出席。久しぶりに会った仲間と忘年会で盛り上がった。
    ・長男が小学校で書いた詩が「文集ひろさき」に入選。地元の人によれば、けっこう名誉なことらしい
2009. 11.30
    ・関西大の橋本先生が私の『ピグーの思想と経済学』を書評して下さった(関西学院大学『経済学論究』第63巻第2号, 2009)
    ・京大の八木先生が『富と厚生』の監訳を快く引き受けて下さった。出版社と監訳者が決まり、あとは邦訳を終えるのみ。460頁を越えた。本の出版には、実に多くの人の助力が不可欠。そのように助けられていることを改めて自覚した
2009. 11.1
    ・とうとう11月。ふり返れば『ピグー 富と厚生』の訳業に没頭した11ヵ月。420頁まで進んだ。今日は久しぶりに教会で心の掃除。
    ・夜空に十羽ほどのツルの編隊。いつも西に飛んでゆく。初めて見たときは、夢かと思うほど美しかった。鳴きながら飛ぶので、夜でもすぐ分かる。
    ・地方紙「陸奥新報」に来年4月から毎月1回、エッセイを連載することに!

2009. 10.26
    息子のクラスがインフルエンザで学級閉鎖! 夕方には息子も38度の熱。大変だ! でも何かおかしい…。食欲旺盛だし、夜には熱も下がり始めた。結局、ただの風邪だった
2009. 10.22
    インフルエンザで大学が一週間休講になり、研究に専念。ヒゲが伸び放題。白ヒゲ三千丈、愁いによりて、かくの如く長し。
    『ピグー 富と厚生』の邦訳は401頁、すなわち「第4編 国民分配分の変動」に入った。ここからは前人未踏

2009. 10.14
    ・妻と共にコータローの授業参観。とても良い小学校だ。
    ・山で銀杏取り。子どもたちも「味」を知っているので、臭くても頑張ってくれた。大量にゲット!
    ・仙台出張のさい、亘理(わたり)で「はらこ飯」(いくら丼)を食べた。ご案内下さった下平先生に感謝

2009. 9.24
    ・秋学期開始。雑務を一気に片づけ、研究室を掃除。生活リズムが変わるので、体調を崩さぬよう慎重に。
    ・将棋の腕を上げたコータロー。「飛車・角・香」抜きでほぼ互角。「桂馬の高飛び、歩のえじき」などと言っている。将棋は教養だ。しかし小学校には将棋のできる同級生が1人もいないそうな

2009. 9.19
    ・教会の子どもの遠足をお手伝い。貸切バスで、長平青少年旅行村(鰺ヶ沢キャンピングパーク)へ。天然ヒバの「箸」作り、バーベキュー、バードウォッチングなど、子どもたちは大満足の様子。私も気持ちよく疲れた。
    ・邦訳『ピグー 富と厚生』の出版社が決定。嬉しくて、疲れがいっぺんに吹き飛んだ。出版までのスケジュールも決まった。次は監訳者を探す。皆が助けてくれたから今の私がある。感謝し恩返しする気持ちを忘れるな
2009. 9.13
    ・研究者、研き究める者。一体何を研き究める? 仕事ばかりしていると美に鈍感になる。子どもは鋭敏だ。畑に咲く花を摘み、テーブルを飾ってくれた。
    ・近くにフナ釣りの盛んな池がある。それを長男に話すと「連れて行け」とうるさいので、自転車で連れて行った。眺めていると、ほとんど「入れ食い」状態。驚く長男。次回は釣り道具を持って来ような

2009. 9.6
    ・妻が「赤ちゃんの胎動を感じる」と言う。来年2月に私たちの新しい家族となる。神様どうか妻をお守り下さい。
    ・買物の練習のために子どもを店に連れて行き、「500円まで何を買ってもいいよ」と言うと、長男が虫眼鏡を買ったので感心した。翌日、長男が家の裏で独り座って、何をしているのかと思えば、虫眼鏡で太陽の光を一点に集め、一生懸命に新聞紙を穴だらけにしていた

    畑仕事は私の日課。今はトマトと枝豆が毎日とれる。昨年同様、食っても食っても食いきれぬ「豆地獄」(2008.10.1 参照)だが、今年は質が良く、家族にも知人にも好評。ただし言わせてもらえば、わが家の最悪の枝豆でさえ、大阪や東京で食べる(水くさい)枝豆よりはマシだ。そろそろ収穫可能になるのは「秋ナス」と「カボチャ」。後者は生ゴミから勝手に生えてくるのだが、結実したのは今年が初めて。カボチャの「天ぷら」は大好物だが、他の食い方も考えたい。昔の人が漬物などの保存食を考えた事情が身にしみてよくわかる

2009. 8.27
    ・1泊2日で一橋大へ(論文集の出版企画)。飛行機で弘前に戻り、翌朝また飛行機で神戸の研究合宿へ。ハードスケジュールだった。
    リリが初めて「コマなし」自転車に乗った! おめでとう!! しかし伴走は大変だったぜ…。
    ・畑の枝豆。非常に甘く、なぜか「トウモロコシの味がする」と家族に好評。まもなく本格的な収穫期

2009. 8.18
    ・おとついの夜は近所の老夫婦に招かれ、家族全員でバーベキューをご馳走になった。とても良い肉だった。隣町まで買いに行ったそうな。
    ・昨夜は、子どもの同級生も誘って家の前で花火。
    ・今日は、4人のチビと再び魚を取りにいった。家から歩いて10分ほどの所。コータローは「たくさん取って友達に分ける」と気合い十分。ところが肝心の魚はおらず(3日前には、うじゃうじゃいたのに!)… 今思えば、それが悲劇の始まりだった;

    1人め転ぶ → 2人め転ぶ → 転んだ者はなぜか服のまま泳ぎだす → 「サンダル流されたぁ!」という叫び声 → サンダルを追って、長ズボンに靴のまま川に飛び込んだ私もずぶ濡れになる → だんだん私は不機嫌になってくる → 「お前ら、びしょびしょやから、車に乗せへんからな。歩いて帰れ!」と高らかに宣言

2009. 8.15
    ・『ピグー 富と厚生』の訳業は、折り返し地点の250頁を越えた。髭ぼうぼうになった。ほとんど苦行の域に入っている。
    ・昨日は子どもとサッカーをし、夜にはランニングの仕方を教えた。リリは「黙って一定のペースで走る」ことができずヘロヘロになっていたが、コータローは呼吸法も覚えたみたい。今日は子どもと川遊び。私が魚を追い、待ちかまえるコータローが網で小魚4匹ゲット
2009. 8.12
    「(一泊キャンプに)晴れたら行くぞ」と約束したら、翌日、本当に晴れてしまった…。急いで荷物を車に積み、家から1時間ほどの岩木山中腹へ。ここなら近くに温泉もある。子どもたちの初めてのキャンプ。肝試しもやった。なかなか好評。次のキャンプは海がいいね

2009. 8.10
    子どもは遊ぶのが仕事。夏休みを満喫せよ。次から次へと悪さをする。今日も近所の子どもが玄関に来て、「コウタローが○○した! リリも真似してるー!」と大声で言うので、いつものように「よっしゃ、帰ってきたら、アイツらのオケツ叩いたる」と答えておいた。2人で2階へ行ったぞ…。おかしい。静かすぎる…。しばらくして見に行くと、部屋にテントが張られていた。お待ちかねのキャンプはいよいよ今週だね!

2009. 8.5
    今月から夏休み(研究シーズン)。ところが大阪から母が来て;
    1日 昼は近所で子どもと川遊び。夜は「(弘前)ねぷた祭り」に出陣し、声がかれた(写真)。
    2日 昼は研究室で仕事。夜は「(青森)ねぶた祭り」を見物。
    3日 昼は猿賀神社にてハスの花を見物。夜は「(五所川原)花火大会」を見物。
    4日 朝から八甲田山へ。有名なロープウェーで山頂に登り、山歩き。帰りに「酸ヶ湯温泉」で一休み。夜は「(五所川原)立ちねぶた祭り」を見物

    お盆まで研究に専念し、遅れを取り戻す!

2009. 7.28
    慶応大の丸山先生が御著書『ワルラスの肖像』(勁草書房 2008)をお送り下さった。私は院生の頃から、ドブリュー『価値の理論』の邦訳者として先生の御高名を聞き知っていたが、そのような先生から本を頂けるとは思ってもみなかった! 人生は面白いものだ
2009. 7.22
    ・ゼミでルソー『社会契約論』を輪読中に日蝕が始まり、全員で外に出て見物。
    ・二年前から皆で準備してきた論文集が出版された。平井俊顕編『市場社会論のケンブリッジ的世界』日本経済評論社
2009. 7.16
    ・東京で千葉商科大の平井先生と会食。初対面にもかかわらず親切にして頂き、また色々と教えて頂き、とても楽しい時を過ごした。ありがとうございました!
    箱根の研究集会に出席。慶応大の丸山徹先生など、高名な一流研究者の方々の器の大きさ(学問面もさることながら人間面も)に驚き、非常に多くを学んだ。今回の集会の内容は、論文集として来年出版される予定。帰りに小田原城に寄り道。天守閣から周りの地形を眺めると、かつて難攻不落と言われた理由も納得。
    ・私の『ピグーの思想と経済学』、第2刷が出るそうだ。嬉しい
2009. 7.5 Sun
    @研究面は、もがけど、もがけど、あまり進まず。A教育面は好調。「良い本に出会う → 講義用レジュメを改善 → 講義に気合いが入る」というのは、いつもの好循環パターン。B家族サービス面も好調。昨日は相馬村のプールへ。とうとうコータローが水に潜る! しかも自発的に…。「水、こわないか?」と聞くと、コータローもリリも「大好き〜!」と答える。泳げるようになるのも時間の問題だ。今日は鰺ヶ沢の海へ。海水浴と釣りをした。周りはさっぱり釣れないのに、私とコータローだけは次々に釣ったので、妻はびっくりし、コータローも得意気だった。成功体験を蓄積し、自信を養え。だんだん積極性になるだろう。リリは、カサゴの塩焼きが気に入ったみたい

2009. 7.1
    土曜は、山形大の下平先生が報告者として遠方より来られるので、青森県消費者問題研究会に初めて出席。帰りは、八甲田山、奥入瀬、十和田湖に寄り道。日曜は、家族のリクエストに応えて、庭でバーベキュー。火曜は、恒例の宵宮(よみや)。知人宅で会食や花火をした。子どもは元気だが、大人は疲れた
2009. 6.26
    心の大掃除をし、『ピグー 富と厚生』の訳業を再開。強烈な情熱が沸いてくるのを感じる。1/3ほど終えたが、まだまだ1年はかかる。かつてクラーク『富の分配』の邦訳のさい、母校の田中敏弘先生に大いに鍛えて頂いたが、今回は私が単独でやり遂げることで、その御指導の無駄でなかったことを先生に示したい。全力を出し切った訳文でないとダメだ。くだらない見栄を捨てよ、訳し終われば死ぬものと思え
2009. 6.22
    ・娘の幼稚園の運動会。「かけっこ」と「おむすび音頭」。家族の健康こそ、一番の幸せ。
    ・来月の研究報告(箱根)の準備完了。とても大きなプレッシャーを感じる。無事に済めばよいが…。生活のなかで無駄に心を乱している要素はないか点検して、もっと身軽になろう。心を静めて、なすべきことを見極めよう。焦りと欲張りは禁物

2009. 6.12
    いつものようになにげに畑の雑草を抜いていると、家の裏に格納庫風の怪しげな建造物ができているではないか! 何じゃこりゃ? 民謡コンテストの舞台か? 翌朝、妻が聞きにいくと、ねぷた祭りの「ねぷた」をここで制作するそうだ

2009. 6.5
    ・庭ではイチゴが旬。子どもたちは赤いのを見つけるとすぐに摘んで食ってしまうので、私はまだ1つも味わっていない。隣の友人がキュウリの苗をくれたので(庭に勝手に生えてくるらしい)、さっそく植えた。来月あたり、「丸かじり」したいものだ。
    ・コータローは「西遊記」に夢中。昔の堺正章のヤツをDVDで毎日1話ずつ見ている。左写真は、あこがれの如意棒と金閣銀閣が閉じこめられるひょうたん。名前を呼ばれて返事をすると吸い込まれてしまうので注意。
    ・コータローはカブトの幼虫を飼っている。無事カブトに成長した日の時間割。「バトル」あり、「なかやすみ」あり、「給食」ありで、カブトも大変だ。右上の小さな四角は、マグネットで冷蔵庫にくっつける余白。なるほどな。リリが私に雨の秘密を教えてくれた。すなわち雲の上に「カミナリさん」がたくさん住んでいて、ある者はバケツで、ある者はジョウロで、またある者はシャワーで雨を降らせていた。とにかくやり方がバラバラだった。ところがある日、カミナリたちはケンカをして、シャワーのカミナリが勝ったので、その後はシャワーに統一されたのである。
    ・埼玉大の木村雄一先生が著書(『LSE物語 ― 現代イギリス経済学者たちの熱き戦い』)をお送り下さった。感謝!

2009. 5.27
    ・乳歯がいよいよグラグラ。いつ抜けるかな?
    ・妻が留守のとき、家で恒例の「たこ焼きパーティー」をしたら、近所の子どももやってきて大騒ぎ。4人がかりで両手を引っ張られ、足にしがみつかれ、倒れたところを蹴られ、参った。この後、私がゴリラの表情をして「こらまて〜」と子どもたちを追い回すのが、お決まりの流れ。
    ・週末はいよいよ慶応大での全国大会報告。『孫子』も読んで準備万全

2009. 5.23
    ・来週の全国大会報告のレジュメができた。先日述べたコラムも書き終えた。ほっと一息。次の課題は以下の3つ;
     @ 箱根の講演(5.2 参照)を論文集として出版することになった。予想外の大仕事!
     A 一橋大の論文集の最終稿提出(2.8 参照)。
     B 紀要論文。8月完成をめざす。
    ・金曜に読売新聞から取材を受けた。初体験で緊張した
2009. 5.17
    ・いつも子どもたちを可愛がってくれる近所のおばさんが、旬のシラウオをくれた。食卓は大騒ぎ。「おどり食い」初体験の子どもたち。口の中がくすぐったいねえ。あ、口から一匹飛び出たよ。
    ・昨日はキノコの会(5.10 参照)。いつものように山菜を採った。
    ・今日は堀越小の運動会。コータロー、開会式で「誓いの言葉」 ―― 燃えろ堀越魂の テーマのもと ゴールめざして 一生懸命走ります!――


2009. 5.12
    ・リリの5才の誕生日。夕食はずっと前から楽しみにしていた、キムチ、イカの塩辛、エビフライ、鳥の唐揚げ。彼女の大好物ばかり! プレゼントは、本物のセラミック包丁、刺繍入り手作りエプロン、ビー玉9個など。さっそくエプロンをつけてケーキ作り開始。
    ・私は花粉症(ぶた草)のため廃人状態…。こういうときは、のんびりするのが仕事。イライラせぬよう気をつけたい。のんびりすれば、普段見えないものが見えてくる。再びヤル気が出てくるまでは無理しない

2009. 5.10
    ・春夏は、月に1度、子どもと「白神キノコの会」の自然観察会に行く。中心メンバーは弘大の農学部関係者で、年輩の人が多い。参加者は毎回10名ほど。「山歩き」というより「探検」という感じ。キノコや山菜を求めて草ぼうぼうの場所に分け入ったり、けっこう刺激的。専門家から色々なことを教えてもらえる。堅苦しくなく牧歌的で、コータローもリリも毎回楽しみにしている。子どもの参加は彼らだけなので、皆がとても可愛がってくれる。子どもはどんどん知識を吸収する。子ども時代からこういう人たちと山を探検できるなんて、本当に恵まれている! 都会ではこんな機会はめったにない。
    ・夕拝の司会の当番だったので教会へ。夜は人が少なく、4月に着任されたばかりの村岡博史牧師夫妻とゆっくりお話できた
2009. 5. 7
    コータロー、生まれて初めての宿題
    ・連休中、大阪の母が遊びに来たので、日本有数の漁港である八戸へ。弘前から車で片道2時間半。
    @まず腹ごしらえに、有名な「八食センター」で極上寿司を食う。
    Aウミネコの繁殖地である蕪島(かぶしま)へ。空から絶え間なくウンチが降ってくる。想像を絶する凄さだ。「6畳部屋のなかに、人を恐れないウミネコ30匹が、床はむろん、冷蔵庫やテレビの上にびっしりいて、卵を抱くか、巣の材料をくわえてヨチヨチ歩くか、飛びながらウンチを落とす」風景を想像するとよい。その後、近くの磯で一休み。
    B根城(ねじょう)を見学。天守閣のない古い様式の城。本で読んだことはあるが、実物を見て納得。本丸館では、武具一式の着付けをしてくれた。着付けのおばさん2人は、子どもに丁寧に説明してくださり、火縄銃を持ってきて触らせてくれたり、とても親切だった。時間はかかるが、のんびりしており、地方の良さを改めて感じた。私は傍らで「これ着て馬に乗るんや!」とか「だから強い子にならんと立派な侍になられへん!」とかブツブツ言っていた。兜の重さ、刀の重さ(刀を抜くと鋼で作られていた)などを体で知るのは大事。いつか歴史を学ぶときに想い出してくれるだろう


2009. 5.2
    ・7月に慶応大学主催の「高橋誠一郎生誕125周年記念研究集会」(於パレスホテル箱根)に、講演者の1人として招かれた。お話を頂いたときは、アッと驚いた。「士は己を知る者のために死ぬ」とも言うし、私を評価してくださる人のために全力を尽くそう。異なる学会の研究者とも大いに交わりたい。とても楽しみだ。
    ・ピグー『富と厚生』の邦訳は130頁まで進んだ。絶好調! 2012年が出版百周年なので、それに合わせ、すでに邦訳した「ピグー教授就任講演(1908年)」と共に出版したい

2009. 4.26
    ・学会報告(東北大)終了。だが1ヶ月後には次の学会報告(慶応大)が待っている。少し休んだら、その準備に入る。とりあえず畑に、トマト、シシトウ、シソを1本ずつ植えた。
    ・関西の恩師が私のためにわざわざ研究資料を送って下さった。無駄にせぬよう、今年度中に確実に成果を出さねばならぬ。良いプレッシャーになる。今年は(今年も?)正念場である

2009. 4.20
    ・畑は順調、今月中には一通り終わる。そろそろ雑草を抜かねば。雑草を抜いていると、何もかも忘れ、心が落ちつく。目覚めている時間の大半は、悪いことを考えている。なかでも一番厄介なのが自尊心であり、人と交われば直ちにこの幻が現れる。悪いことを考えずにすむのは、読書や畑仕事に夢中であるとき、子どもと遊んで笑っているときぐらい。このときばかりは、私も善人に近づける。それらが私の心を洗う
    ・弘前教会の桜は弘前で一番早く満開になる、という言い伝えがある。明らかにウソ。
    ・私が本を読むと、リリが真似る。赤鉛筆まで真似る

2009. 4.12
    ・新学期の始めは、色々と仕事が多い。先週は新入生対象の一泊合宿へ。また今年度から大学生協の「専務理事」になった。
    ・ジャガイモの種芋とイチゴの苗を植えた。今月中に枝豆、トマト、ナス、シソ、オクラ、シシトウも植えたい。子どもが畑仕事を覚えたので、今年はかなり助かっている

2009. 4.2
    ・春休みは研究に精進してきたが、そろそろ体調を整え、新学期に備える。体力勝負、年がら年中、体力勝負。当面の課題は、@畑に苗を植える ← かなり重労働、A4月末の東北部会報告、BGWの家族旅行、C5月末の全国大会報告
    ・6才になった長男、色々なことに関心を示す。カレイを調理中。こうした主体性は彼にとって幸せなことだ。なぜならヤル気(楽しみを見出す力)を「教えてやる」のは難しいことだから。私もその好奇心を見習いたい

2009. 3.22
    大阪の母が孫の入学祝いにお金をくれたので、家族で買物に出かけた。コータローが欲しがったのは顕微鏡。最近のものは安いわりに高性能だ。使いやすいし、デジカメで写真も撮れるし、プロジェクター内蔵なので壁に映すこともでき、みんなで楽しめそう。さっそく砂糖、塩、髪、茶葉などを観察

2009. 3.18
     世俗の価値観はどこかおかしい。価値観とは、人生の目的設定のこと。例えば「偉くなる」という価値観があるとすれば、一般の社会人にとって、たぶんそれは「出世(ステータス)」や「お金」を意味するのだろう。私が嫌なのは、この種の価値観が常に「他人との比較」に基づく、優越感をめざしている点だ。比較からは、劣等感(嫉妬)か優越感(天狗)のどちらかが生じる。クリスチャンである私は、この比較をいかに低俗な堕落、不幸へのロケット・スタートと見なしてきた。
     こうした堕落や不幸から逃れるコツは2つある。第1は、時間の使い方。世俗という悪に関わる時間を最小化すること、つまり隠遁。第2は、自分だけの価値観をいつも強く自覚し、もっぱらそれをめざして活動すること。私の価値観は、自然とふれあい、愛する人々を大事にし、読書に励む静かな人であり、これこそ学生時代から抱いてきた「理想の人間像」だ。比較を絶したものこそ、理想にふさわしい。例えば、私が首にタオルを巻いて野良仕事をしていたり、子どもと一緒に遊んでいたとする。誰もそれを見て、劣等感も優越感も抱くまい。価値の次元が違いすぎて比較を絶しているから、人は私を理解できず、むしろ笑うかもしれない。それでよい。ただし研究では、油断していると勝ち負けという世俗要素の混ざる危険が常にある。そうなると研究もまた堕落し、苦しみになる。だから、いつまでも研究を好きでいるために、いつまでも純粋な研究を求め続ける。
     おそらく「偉い人」とは、神に愛され、皆に愛される人のことだ。卒業生よ、以上が私の最後の説教です
2009. 3.10
    長男が将棋を欲しいと言うので、さっそく買いに行った。将棋は遊びであると同時に勉強でもある。昨日は「穴熊」を教えた。「やぐら囲い」「みの囲い」「棒銀」など、1つずつ教えたい。この種の「遊び=勉強」は、ほかにも多い。スポーツ全般、畑仕事、釣り、山歩き、百人一首。十才頃までは、そういう遊び=勉強を軸に子育てしたい。私はときどき子どもに「勉強なんかするな!」と言う。ただ、私が本を読む姿を子どもは毎日見ているので、子どもが私の言葉をどう思っているのか、よく分からない。十才までは勉強などしなくてよい。もっと大事な楽しみ・関心を日々与えてやりたい

2009. 3.7
    ・ランドセルが届き、興奮気味のコータロー。
    ・研究に励む毎日。だいぶ雪が溶け、地面が見え始め、なんだかウキウキする。早く土を耕したい

2009. 2.27
    関西大の中澤先生が著書(『イギリス保守主義の政治経済学:バークとマルサス』ミネルヴァ書房)をお送り下さった。7年前、私が院生だった頃、皆で経済学の古典を読んだのを想い出す
2009. 2.9-18
    ・イギリスから帰国。成果は期待以上。余った時間はすべて観光。体はくたくた、足はガクガクだが、心は充実。6日間精一杯やったから悔いなし。さて、真の勝負はこれからだ。旅の成果を最大限活かした論文を書こう。さっそく始めよう。
    ・学会ジャーナル『経済学史研究』で、一橋大の山崎さんが私の『ピグーの思想と経済学』を書評してくれた

    ケンブリッジ・ピグーの墓を発見
    ・ケンブリッジ大学マーシャル図書館にて史料収集
    ・フィッツウィリアム博物館
    オックスフォード・町を散策し、オックスフォード大学の各カレッジを巡る
    ・オックスフォード博物館
    ウィンザー・ウィンザー城
    ・イートン校
    ハロウ(Harrow)・ハロー校にて史料調査
    ロンドン・イングランド銀行博物館
    ・大英博物館
    ・大英図書館
    ・テート美術館
    ・ナショナル・ギャラリー
    ・ナショナル・ポートレイト・ギャラリー
2009. 2.8 Sun
    ・職場の健康診断で引っかかったのを無視していたら、督促の手紙が来て、仕方なく胃カメラを飲んだ。異常なし。
    ・ゴムチューブに乗って雪山を滑るのは、かなり激しい遊び。夜の豆まきでは、とうとう赤鬼の正体がバレてしまった

2009. 1.17
    ・週間天気予報は雪マークだらけ。すごい吹雪。雪かきのついでに、庭に「かまくら」を建造中。
    ・リリのピアノ発表会。リハーサルはボロボロだったが、本番は無事にこなし、満足げ。コータローもギターやってくれるかな?

2009. 1.8
    『週刊ダイヤモンド』(12月27日号)の特集「経済学者・経営学者・エコノミスト213人が選んだ2008年のベスト経済書」で、私の本がランキング入り。推薦してくださった大阪府大の近藤先生に感謝します
2008. 12.25 〜 2009. 1.7
    正月を関西ですごした。家族揃っての帰省は2年ぶり。大阪の私の実家、西宮の妻の実家を拠点にして、和歌山に一泊し「クエ鍋」を食ったり、子どもに和歌山城・大阪城・姫路城を見せたり。行く先々で御馳走を頂いた。格別の正月だった


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