======================================================================

『シンクロパワーでどこまでも』   作:WARA

======================================================================

NERV本部。
頭脳聡明スーパー美少女、惣流・アスカ・ラングレーが
シンクロテストをしています。

今日は1人でテストです。
愛しいシンジはいません。

「アスカ、お疲れ様。あがっていいわよ。」

リツコが終了を伝えます。

「なんでアタシ一人だけなのよぉ。」

「貴方、エースパイロットなんでしょ?」

「その通りよ。」

「エースを最優先でテストする。
 不都合があるかしら?」

それが真意かどうかは分かりませんが、リツコがそう説明します。

ま、仕方無いわね。
もしもシンジが危険な目にあったら、
アタシが助けなくちゃいけないものね。
もし助けたら……

『さっすがアスカ。いつも助けてくれてありがとう。』
『そんな、当然のことをしただけよ。』
『今度は僕が頑張るよ。』
『ええ〜どうして?』
『大好きなアスカを守りたいからさ。』
『シ、シンジぃ。アタシも大好きよぉぉ。』

それからブチュ……と。
いやんいやん。

「ちょっと、アスカ。聞いてるの?」

どうやらアスカが妄想爆進をしている間に、
リツコが話しかけていたようです。

「え?なになに?」

「一緒にコーヒーでもどうってきいてるの。」

そうねぇ。どうせ、まだシンジも帰っていないしぃ。
待つ身は辛いから、いい暇つぶしになるかしら?

アスカの行動はシンジ中心のようですね。

「ええ、いいわ。」

「じゃ、いらっしゃい。」





リツコの実験室で二人はEVAの話や他愛も無い話をしていました。

「ああ、アスカ。ちょっとこれ見てごらんなさい。」

「なになに?」

「フフフ……」

おっと、出ました。
マッドの怪しい微笑み!
無敵のスーパー美少女アスカといえども、これには恐怖心を隠せません。

「い、一体なによ?」

やはり狼狽しているようです。

「ジャン。」

白い布を取り払い見せられたものは、二人乗りの自転車です。

「これがどうしたの?」

アスカも拍子抜けといった感じです。

「フフフ。ただの二人乗りの自転車じゃないわ。」

「まさか、レーザービーム砲でも搭載してるの?」

冗談ではありません。
アスカは真顔です。
それくらいのことはやってのけることを重々承知しています。

「違うわ。」

「じゃ、N2爆雷搭載?!」

「そんな低レベルな技術じゃないわ。」

「な、なんなのよ?」

「よくぞ聞いてくれたわ。」

散々ジラしておいて、『聞いてくれた』も無いでしょうが。
しかしリツコは嬉しそうです。
口元を緩め、怪しさ抜群です。

「これはね、”必殺二人乗りユニゾンでGO!”っていうのよ。」

リツコは自信に満ちた表情です。

「……一体普通の自転車とどう違うのよ?」

「二人で漕ぐと労力がナント10%にまで減少!
 あなた達のユニゾンからヒントを得て製作した、
 天才の私の技術の結晶よ。」

「す、すごいわね。50%じゃないんだ。」

「でしょ?」

「っで、一人で漕ぐとどれくらい楽なの。」

「貴方パープーねぇ。
 一人で漕いで楽なら、”必殺二人乗りユニゾンでGO”という
 呼称にならないでしょ?」

パープーと言われたアスカの心中は穏やかではありません。
しかし、こういう場合のリツコは危険です。
下手に刺激をすると、いかにアスカといえども危険です。
シンクロテストと称して人体実験などやりかねません。

命を優先とアスカはグっと我慢しました。

「じゃぁ一人だと、やっぱ普通なの?」

「フフフ、残念ね。一人だとこの装置の重量で非常に漕ぐのが重いわ。
 しかも、この装置の効果でさらに負担は200%増し!」

凄いのか凄くないのか判断の難しい発明品ですね。

「そうだ、アスカ。データ欲しいから暫く使ってみない?」

「ええ〜〜〜っ?」

リツコの発明品?
大丈夫かしら?
でも、これでシンジとサイクリングしたら気持ちいいかも。
そうよ。シンジに告白させるいい機会になるかも!

そう打算したアスカは承諾しました。

「じゃ、このデーターロガーもつけるから。
 さらに重量が増えるけど、我慢してね。」

一人で漕ぐと信じられないぐらい苦しい自転車が完成しました。
とてもアスカ一人では漕いで帰れず、
宅急便で送られました。






「ねぇ、シンちゃん。最近ちゃんと洗い物してる?」

コンフォート17マンションです。
夕食をシンジ、アスカ、ミサトの3人で食べています。

「してますよ。」

「そう?でも、なんか薄汚れてるけど……。」

「ちょっと何ブー垂れてるのよ。
 文句あるなら、自分で家事をしなさいよ!」

「あらぁ、アスカはシンちゃんの味方?
 や〜ね〜。」

「ち、違うわよ。
 アタシが言いたいのは、ミサトの食べ方が汚いから
 そう見えるってことよ。
 ほら、アタシのは綺麗でしょ!」

「そうね……。」

明日は日曜日。
いつサイクリングを誘おうか、アスカが苦悩しています。
流石にミサトの前では、誘えません。

「ほら、ミサト。どんどん飲んで!」

エビチュを無理やり進めます。

グビグビグビグビグビ

「ぷはぁ〜。やっぱ最高よねん!」

「ほら、もっと飲んで飲んで!シンジ追加お願い。」

グビグビグビ……

「ねぇ、シンちゃん。あんまし冷えてないんだけどぉ。」

「そんなの気のせいよ。
 アタシのジュースは程よく冷えてるもん。
 それより飲んで飲んで。」

グビグビグビグビグビグビグビグビ

「ぷはぁ〜。」

「あらミサト。いけるわね。
 もっと飲んで飲んで!」

グビグビグビグビグビグビグビグビ
グビグビグビグビグビグビグビグビ

グテッ

ミサトが酔いつぶれたようです。

よぁ〜し、ミサト殲滅っと。

「ねぇ、シンジ。明日サイクリングしない?」

満を持してシンジを誘います。

「サイクリング?」

「そうよ。ほら、昨日届いた二人乗り自転車あるでしょ?」

「うん。まさかアレで?」

「そうよ。たまには運動でも……。」

本当はデートでも、と言いたいところですが、
まだ気持ちを伝えていないシンジには言えませんでした。

「別にいいけど……あれ買ったの?」

「リツコから借りたのよ。」

「リツコさんから?き、危険じゃない?」

リツコのマッドぶりはNERVの人間なら誰でも知っています。
知らなければ、モグリです。
いえ、スパイで忍びこんでる戦自でも知ってます。
当然リツコの名前を聞いた時点で、シンジも構えます。

「だ、大丈夫よ。」

「本当に?」

「ア、アタシが嘘を言うとでも思ってんのっ!」

「いや、そういうつもりじゃ……。」

「じゃ、明日箱根山に登りましょ。」

「ええ〜っ。坂道じゃしんどいよ。もっと手近で……。」

「アンタバカァ。そんなんじゃ運動にならないでしょうがっ!」

ゴリ押しで話を進め、無事明日の約束に漕ぎつけました。





ふぅ〜第1関門突破ね。
何も知らないシンジが一緒に漕ぐ。
すると思いのほか軽やかな自転車。
シンジが気づく。

『アスカ。一緒に漕ぐと軽いね。楽しいね。』
『そうでしょ。ま、アタシとのユニゾンなら完璧ね。』
『うん。僕のパートナーはやっぱりアスカが一番だよぉ。』

仲良くシンジのお手製のお弁当。
そして、草原で見つめあったりなんかしちゃって……

それからブチュ……っと。
いやんいやん。

なるほど、そういう作戦だったのですね。





翌日、アスカとシンジはサイクリングに出かけました。

アスカが前。
シンジが後ろです。

どっちを前にするかアスカは昨晩悩みました。

シンジをず〜っと見つめていたいからアタシが前?
いえ、やっぱシンジが後ろね。
ず〜っとアタシを見てもらってぇ……

『アスカってかわいいな。』
『え?お世辞なんか言わないでよ。』
『お世辞じゃないよ。アスカはかわいいよ。好きだよアスカ。』
『シンジ……アタシも好きよ。』

それからブチュ……っと。
いやんいやん。

なるほど、そういう作戦だったのですね……





シャーーーーーーーーーー

軽やかに進む二人乗りの自転車。

なるほど、マッドって危ないヤツだけど、技術は確かね。
本当に軽い。

シャーーーーーーーーーー

心地よい風の中を軽快に進みます。

それにしても、シンジったら、
ちっともアタシの緻密な作戦に乗ってこないじゃないのよ。

アスカが苦悩しています。

よ〜し、こうなったら作戦変更。
お色気プリプリ作戦よ!

「シンジ、見てるぅ〜。」

お尻をプリプリさせ、アスカがシンジを誘惑します。
シンジの目の前でかわいく揺れている筈です。

「うん、見てるよ。」

まっ、シンジったら大胆。
でも、これで……

「素晴らしい景色だよねぇ。
 僕、箱根がこんなに素敵だなんて知らなかったよ。」

作戦失敗……
ま、いいわ。
そんな色ボケのシンジなんて、シンジじゃないものね。
しっかし、こんだけ軽やかな自転車で何も気づかないの?
アタシの美貌に気づかないの?
アタシの気持ちに気づかないの?
アンタってホント、鈍感なんだから……





アスカの苦悩をよそに、中腹の広場で昼食となりました。

「おいしい。さっすがシンジ。」

作戦はことごとく失敗しましたが、
シンジのお手製弁当を食べられて、大変満足のようです。

「そう。良かった。」

誉められてシンジも嬉しそうです。

いい雰囲気じゃない。
ここでうまく誘導すれば……

聡明なアスカの頭脳がフル回転します。

「めっちゃおいしいわ。」

そう、おいしいのよ。

「有難う。だって……」

アタシの為に作ってくれたの……とか聞いちゃったり。

「鈴原の為に頑張ったのよ。」

そう、鈴原の為に作って……え?

アスカが周りを見渡すと、見慣れた二人を確認できました。





「ヒ、ヒカリ。何二人で仲良く食べてるのよ。」

アスカが二人を冷やかしに行きました。

「ア、アスカ。どうしてここに?」

ヒカリは真っ赤にしています。
トウジも焦り気味です。

「ちょっと運動にね。
 へぇ〜、随分楽しそうですこと。」

「ア、アスカぁ。い、碇君誤解しないで。
 ほら、今度遠足あるでしょ?
 だ、だから、下見。そう下見に来たのよ。」

「そ、そういうわけなんや。」

「へ〜、別にヒカリ一人でいいじゃん。」

アスカは追撃をやめません。

「ワ、ワイは残飯処理や。
 委員長が作りすぎたからっていうさかい。
 そうやな、委員長?」

「そ、そうよ。それだけなのよ。」





これ以上邪魔しても仕方がないと、アスカは引き上げました。

「さ、昼食を再開しましょ。」

「うん。」

「あ、唐揚げおいしいわ。」

パクパクパクパク

「そう?いつもと同じだけど。」

パクパク……

「そうねぇ。やっぱ空気がおいしいせいかしら?」

パクパクパクパク

「そうだね。眺めもいいし。」

パクパク

「あ、卵焼きいただきっ。」

パクパクパクパク

「でも、委員長もトウジも……
 大変だよね。」

パクパク

「どうして?楽しそうじゃない。」

アスカはお茶をゴクゴクゴクゴク

「だって、休みの日だっていうのにわざわざ下見だろう?
 委員長って真面目だよね。」

ブーーーーーーーーーーーーーーーーーッ

アスカがお茶を吹き出したようです。

「ちょ、ちょっとアスカぁ。汚いよぉ。」

「ア、アンタが変なこというからでしょうが!」

「へ?」

「は〜ぁ。やっぱり鈍感シンジだったわ……」

アスカ再びパクパク。

「へ?」

「鈴原が好きだからデートをしてるに決まってるでしょ!」

「ええーーーーーーーーーーーーっ?」

「今まで気づかなかったの?ヒカリ、前からあのジャージのこと
 好きだったのよ。」

パクパク

「知らなかった。」

ホント、シンジって鈍感なんだから。





昼食後。

「さ、鬼ごっこでもしましょ。」

「は?」

「『は?』じゃないでしょ。鬼ごっこよ。」

「どうして。」

「運動しに来たんでしょ〜が!
 鬼ごっこでもして走りまわれば、運動できるってもんよ!」

アタシをシンジが追いかけて……
当然シンジの足じゃ追いつけないけど、わざと倒れて、
アタシを捕まえる。
シンジが倒れたアタシの両肩を押さえて……草原の上で寝そべる二人。

それからブチュ……っと。
いやんいやん。

アスカが相変わらずご都合作戦を妄想します。。
まぁ上手くいくかどうか、様子を見てみましょう。

「ほら、シンジが鬼よ!」

アスカが逃げ回ります。

「はぁ〜どうして鬼ごっこなんだろう。
 でも、アスカに付き合わないと怒るだろうしなぁ。」

シンジもしぶしぶ付き合います。

「ほらぁ、こっちよこっち。鈍クサイわねぇ。」

鈍クサイと言いつつもアスカはご機嫌です。

「アスカってば、速いよぉ。追いつけないよ。」

「女のコぐらい、頑張って捕まえなさいよ!」

アスカがひた走ります。

シンジ、頑張って。
思いっきり頑張ってくれないと盛り上がらないでしょ?

「アスカってばぁ。」

そうそう、頑張ってよ。
速く追いかけて。
アタシが倒れてあげるからさぁ。

「アスカって。危ないって言ってるだろ!」

「え?」

シンジの方ばかり見ていたアスカは見落としていました。
気が付いたときには急斜面を転がり落ちてました。

「シ、シンジーーーーーーーっ!」

「アスカ、アスカ、アスカぁ!」

斜面の木の枝に引っかかってなんとか無事止まりました。

「アスカ、大丈夫?」

「だ、大丈夫……痛っ!」

「アスカ!」

「足が……。」

「足?ここを登れる?」

「ちょっと無理……かも。」

シンジがアスカに手を差し伸べます。
アスカも懸命にシンジの手を掴もうとしています。

ズリズリ
ズリズリ

「あと、もうちょっとだから、アスカ頑張って。」

「シンジも頑張って。」

ズリズリ
ズリズリ

アスカがようやく広場に引き上げられました。

「足、大丈夫?」

アスカが足を動かそうとしています。

「い、痛っ!」

「まさか、骨が折れてるんじゃ?」

「骨は折れてなさそう。動くし。
 でも動かすと痛いのよ。」

「携帯で誰か呼ばないと……あ、そうだ。携帯持ってなかったんだ。」

そうです。
折角のシンジとのサイクリングを邪魔されなかったアスカが
携帯をおいてくるよう説得したのです。
当然アスカも持ってきていません。

「そうだ。トウジいないかな?」

周りを見渡しますが、トウジとヒカリの姿はありません。
邪魔されたくなかったのか、姿を消しています。

「早く下りて人を探さないと……。」

「シ、シンジ。先に一人で下りて。待ってるから。」

「駄目だよ。一人だと危ないよ。」

「でも……。」

「何とか自転車にまたげる?」

「やってみるわ。」

シンジに支えてもらって、なんとかサドルに跨ぎました。

「急いで下りよう。」

ゴメン、シンジ。
迷惑かけちゃって。
ホント、アタシってバカ……。

「くっ……シンジ、しんどくない?」

「大丈夫。下りだから。それより痛そうだけど、大丈夫?」

「え、ええなんとか……。」

でも、かなり痛そうです。
目を瞑りグっとアスカが耐えているようです。

「ハァハァハァ……。」

シンジの呼吸でアスカは目を開けました。
ほとんど下りの道ですが、全てがそういう訳ではありません。
ところどころ登りがあるのです。

シンジ……頑張ってる。アタシの為に?
ハッ
この自転車!

アスカは思い出しました。
そうです、超重量級のうえに、200%疲労渡増大という
とんでもない自転車です。

アタシも漕がなくちゃ……

「い、痛いっ!」

「ア、アスカ。無理しちゃ駄目だよ。
 僕が頑張るから、じっとしてるんだ!」

「シ、シンジぃ……。」

アスカの目には涙が溢れています。
もちろん痛みに耐える涙ではありません。

麓にあった病院にシンジは駆け込みました。





「捻挫ですね。テーピングで固めておきますね。」

アスカの予想通り骨折では無くシンジは安心しました。

「良かったよ、大したことなくて。」

「シンジぃ。ありがとう。大変だったでしょ?」

「え、そんなことないよ。」

「嘘ばっかり。あの自転車、実はただモノじゃないの。」

アスカは説明しました。

「そうだったんだ。どおりで……。」

「ゴメン。アタシってバカだったわ……。」

ポロポロとアスカが涙を流します。
シンジが慌てます。

「ど、どうしたんだよ、アスカ?
 まだ痛むの?」

「もう、アンタってホントに鈍感なんだから。
 自分が不甲斐ないからでしょ。」

「へ?」

「シンジが好きなのに、好きなのに、迷惑ばっかりかけて。
 アタシって、アタシって……」

ポロポロポロ

「え?好きって?」

「もう、この鈍感!シンジが好きだったのよ。」

「え〜〜〜っ?!」

「ホントに気づいてないんだもん……。」

「ゴメン。そうだったんだ……。
 でも、アスカこそ超鈍感少女だろ?!」

「え?」

「一体誰の為に家事をしてるって思ったの?
 ミサトさんの為?」

「え?」

「好きでもないのに、どうして朝早くから弁当を作るんだよ。」

「ま、まさか……。」

「僕はアスカの為だけに。」

「で、でも、そんなの気づかないわよ。」

「そうかなぁ。ミサトさんの食器の洗い物なんて
 この1ヶ月くらいやってなかったのに。
 飲み物を冷やしてるのもアスカだけだったのに。
 重い自転車を懸命に漕いだのは誰の為?
 それでも気づかなかったの?
 まったく超鈍感少女だよ。」

え?
え?
ええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!

アタシって超鈍感美少女だったの?

美少女とは言ってませんて。
しかし、1ヶ月も洗っていない食器で食べ続けたミサトって……

「でも、そんなアスカが僕は好きなんだ。」

「シンジぃ。アタシ達って似たもの同士だったのね……。」

「そうだね。」

「シンジぃ、大好きよ。」

チュ

何度も妄想したこのシーンを現実にできて、
アスカは大変幸せでした。





その後、二人の力で次々と使徒を倒していきました。
同時に、リツコの手で二人乗りの自転車も改良が重ねられました。

全ての使徒を倒し、平和が訪れたころ、新型の完成。
その名も”必殺二人乗りラブラブでGO!”だそうです。

平和な日本列島。
日本中をシンジとアスカが自転車で回っていました。





シャーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ほら、聞こえてきましたね。
二人の軽やかに疾走する自転車が。

「ねぇ、アスカ。これって今までとどう違うの?」

「ふたりの愛情がそのままパワーになるんですって。」

「へぇ〜。」

「ね、シンジ。アタシのこと好き?」

「もちろん好きだよ。」

「アタシはシンジのこと、だ〜い好きよっ!」

二人の愛情パワーがピーク。

「あ、ホントだ。ますます軽くなったよ。」

前に乗るアスカが振り向きます。
シンジが微笑みで返します。
更にパワーが炸裂。

「わ、凄い。ほとんど力入れなくてもどんどん進むよ。」

「当然よ。アタシ達の愛情は無限大なのよ。」

「うん。」

シャーーーーー…………

あっという間に二人の姿が消えていきました。





余談……

全ての使徒を倒しNERVを首になった科学者約1名が、
第三新東京市の郊外で”AKAGI”という名の自転車ショップを
営んでいたという噂です。





======================================================================

あとがき。

----------------------------------------------------------------------

いかがだったでしょうか?

『鋼鉄2』の冒頭の二人乗り自転車からインスピレーションが沸き、
本作品が完成しました。

どうせなら、ちょっと普通でない自転車……
ってことで、マッドに出演してもらいました。

======================================================================


 

 作者のWARA様に感想メールをどうぞ  メールはこちら

<アスカ>当サイトではWARA様の3作目よ!
<某管理人>おおきに、ありがとさんです。
<アスカ>リツコって一体何研究してんのよ!
<某管理人>なんか、使徒戦よりも別のことしとるような…。
<アスカ>はあ?アンタ、何勘違いしてるの?リツコは私のために研究してんじゃない!
<某管理人>な、なんでそないなりますねん。まずは使徒に勝たんと。
<アスカ>だから!私のラブラブパワーで使徒に勝とうとしてるんじゃない。さすが、リツコ!
<某管理人>そないアホな…。いや、ごめんなさい。アホは口がすべ、じゃない、ああっ!

 WARA様3作目。
 シンジが告白してくれたわ!
 くっくっく。ずっと私のことを好きだったのよぉっ!嬉しいったらありゃしないわ!
 必殺二人乗りラブラブでGO!GO!GO!よっ!
 でも、ミサトの胃袋って人外?

 WARA様、素晴らしい作品をありがとうございました!
  

 

SSメニューへ