最近、なんだかぼーっとする。

その上、なんだか熱っぽい。

別に病気というワケではないと思う。

実際に体温計で計ってみたりしたけど平熱で、健康に気を使ってみても改善の兆しはない。

別に気持ち悪いとかそう言う感じでなく、むしろ「きもちいい」という感じだろうか、

けど、なんとなくムカツク、

この容姿端麗、頭脳明晰の天才少女惣流 アスカ ラングレーにもわからないことがあるということが、

この原因を突き止めようと、色々と病気の本を読み漁ってみた。

色々と当てはまるものがあったが、違うような気がする。

もしかしたら新型かもしれない。

仕方ないので、ちょっとまとめてみる。



病状、突然起こる。  

熱があるんじゃないかと自分で感じるが、平熱  

ぼーっとして授業などが身に入らない  

「きもちいい」感じがするが、もしかしたらやばいかも(?)



病状はこんな感じだと思う。

もっと追求するとしたら「突然起こる」そのときの状況だろうか?

ここ一週間の起こり具合を調べてみた。

ご飯のとき、学校のとき、登校のとき、家にいるとき、・・・・・・・・・・・・・・・・・

よくよく思うと、ほとんど日常生活全てに当てはまってしまう。

なら、起こらないときを考えてみよう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ないような気がする・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

どうしよう、全然わからない、このあたしが・・・・・・・・・・・

んーそういえばいつ頃なんだろうか?

よくよく考えてみると、やはりサードインパクトの後としか考えられない。

あのときなんか病気になる暇もなく使徒迎撃だったから・・・・・・・・・・・

まったくよくわからない



「アスカー、明日の弁当なににする?」

「あぁ、『あれ』入れて!『あれ』!!美味しければいい、不味ければ殺す」

「んーじゃぁ、まぁ美味しくすればいいかな?・・・・・・・・・・・・なにやってんの?」

「っ!!!なに見てんのよ!!この馬鹿シンジがぁ!!」

「うわっ!ごめん」

「とっとと出てけ!!」

「ごめん」



・・・・・・・・・・・・・・・・・

はぁ、いきなり来るから驚いたわよまったく・・・・・・・・・・・・

しかし、シンジって男のくせに料理が上手いのよね、

昨日のペスカトーレだって美味しかったし、そのまえも・・・・・・・・・・・

あぁ、そういえば、シンジが昨日・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

書く気が失せた。

何故だろう?なんか恥ずかしいような気がする。

あの馬鹿シンジをほめてやっているだけなのに・・・・・・・・・・・・・

あ、今、あの病状が起きた。

・・・・・・・・・・・・よくわからない

でもまぁ、いいか・・・・・・・・・・・きもちいいし・・・・・・・・・・・・・・


 

                  

「アスカの日記」より(死ぬ気で抜粋)








「どうしようもないくらいに」


河中





今日は晴天いい天気、とばかりに青く雲ひとつない澄み渡った空、

空から見下ろしてみると、何人かの少年少女が第一中の屋上で弁当を食べている。

もはや眼中にもなく、ただ書かれているだけの立ち入り禁止の板、特に注意もしないくせに、特に悪いわけでもないのにこういったのを書く先生がよくいる。

そんなのをいちいち気に掛けるような生徒などは数えるほどしかいない。

ここにいる少年少女も、その数えるほどには入っておらず、むしろ破りまくる人種のようだ。

ちらほらと、何人かのグループが見える中、一際目立っているグループがあった。

別に何かしているというワケではない。

辺りと一緒にちゃんと昼飯を食べようとしている。

ただ、皆が惹かれるのはその容姿だ。

「ふふふ、見ろ!!これを!!」

高々と掲げたそれを自慢するかのように相田ケンスケの眼鏡がキラン、と太陽を反射して輝いた。

「おおーー」

驚きの声をつい、漏らしてしまう

周辺の奴らからは感嘆の声があがる。

「凄いね、まさか『この夏限定(実は春夏秋冬発売している)愛と怒りと悲しみのスーパミラクルデラックスヤキソバメロンパン』(売店のおばちゃん、奈津美による手作り)をゲットするとは・・・・・・・・・・・・」

その、この夏限定(以下略)は売店の奈津美さんによる月一個販売の幻の一品。

日々これを巡り売店では暑い死闘が繰り広げられる。

そして、これを手に入れたものはとてつもなく幸せな気分に慣れると言う素晴らしい一品だ。

「ふふふ、これを手に入れるために俺は、海より深く、山より高い努力を積んできたんだ」

「そんな大袈裟な・・・・・・・・・・・・・」

呆れ顔で言うシンジ、

「嫌、大袈裟とちゃうでー、ワイも狙ってたんや、ええのぉ、一口くれ」

「ふふふ、仕方ないな、この優しい俺が・・・・・・・・・・・・・・・」

「駄目よ!」

いきなり遮る声、

無論、シンジには声の主を見ずともわかる。

霧島マナが、ケンスケの後ろで仁王立ちして立っていた。

後ろにはヒカリが、なにが恥ずかしいのか、顔を赤らめている。

「なんでや?」

トウジが尋ねた

「あんたはねぇ、これを食べるの」

そう言って突き出された、四角い物体。

弁当箱だ。

いかにも少女らしいがらで包装されている。

なるほど、シンジは理解した。

カオルもケンスケも、同じように理解した顔つきだ。

「ふふ、それなら仕方ないな、俺は一人虚しくこれを食うことにするよ」

「は?ちょいまっ・・・・・・・・・・・」

言いかけるトウジの肩にカオルが手をポンと置く、

「これを作った人の思いを無下にするのかい?」

「・・・・・・・・・・作った人って誰や?」

まったく、この鈍感は・・・・・・・・・・・・・

自分のことは棚に上げ、シンジはそう思った。

「とっ、とにかく食べる!!あとで感想聞かせなさい」

悲しそうな顔をしたヒカリを必死でフォローしたマナ。

委員長も可哀想に・・・・・・・・・・・・・・

「はぁ、まぁええわ、どれどれ?」

興味津津とばかりにカオル、ケンスケ、シンジがトウジの持つ弁当に視線が集中する。

トウジが「こんなに綺麗に包装しないでもいいのに」といいたげな手つきで弁当箱を取り出した。

弁当箱も少女趣味な色をしていた。

トウジが開けづらそうな顔をしていたが、暫くの後、空けた。

「おおーー」

先ほどのケンスケのときとは違う感嘆の声があがった。

トウジは戸惑っているようだ。

それもそうだろう、学校の弁当だというのにこれはちょっと手の込みすぎだろう。

「ほんとに食べてええんか?」

「いいよ」

「じゃ、まぁ遠慮なく・・・・・・・・・・・・・・・」

ぎこちなさげに箸を取り、とりあえず目に付いた卵焼きを取り上げ、口に運ぶ。

食べた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「う、うまい!!」

一口食い、とても口にあったためか先ほどのためらいなどなく、ガンガン食べている。

もう少し味わって食べればいいのに・・・・・・・・・・・・・・・・

トウジを見ながら誰もが思った(たぶん、一人は違うと思うが)

シンジはもう一度弁当をよく見てみる。

何処からどう見てもその弁当は・・・・・・・・・・・・・・

美味しそうだな・・・・・・・・・・

そんなことを思いながらシンジは自分の弁当のふたを開けた。

こちらも負けずと劣らずと言うほどではないが、美味しそうなのは確かだ。

シンジが作った弁当だ。

アスカの分も作っている。

そういえば、昨日なんだかんだと「これを入れろ!」とか言っていたような気がする。

自分は確か作って入れておいたはずだ。

見ると確かに入れてある。


アスカの口に合うといいな・・・・・・・・・・・・


ちょっと苦労して作ったそれを見ながら・・・・・・・

そんなことを思いながら・・・・・・・・・・

考えてるのはアスカのことばかり






「う、うまい!!」

トウジが声をあげると同時にヒカリの顔が和らぐのと同時に赤くなるのが見て取れた。

「青春だよねー」

呟いたのは綾波レイ。

卵焼きを食べながら言う、

「あんただってカオルがいるでしょ、あの馬鹿が」

「あっ、アスカ、ひとの彼氏馬鹿呼ばわりするの酷いな」

「いいでしょ、別に」

「よくないよー」

可愛らしげに口を尖らせて言う。

その顔はまさに喜怒哀楽のはっきりした明るい笑顔だった。

変わるんだよね、人は・・・・・・・・・・

場違いとは言い切れないことをなんとなく思った。

レイはいまだ何事かぶつぶつ言っている。

「あーん、もう、カオルーー」

いきなり立ち上がると、なんの恥じらいもなくカオルのところにいき、後ろから抱きつく。

カオルはさも当然のようにレイと会話をしている。

「・・・・・・・・いいなぁ・・・・・・・・・・」

なんとなく呟いた。

いったいなにがいいのかわからずに、

何を羨ましがってるんだろう?自分は?

「ああなりたいんでしょう?」

振り向いた。

マナがヒカリをつれて立っていた。

「いや、そういうわけじゃないけど・・・・・・・・・・・・」

「じゃ、どういうわけ?」

マナが意地悪そうな笑みを浮かべる。

「どういうわけって・・・・・・・・ただなんとなくそう思っただけで・・・・・・・・・・」

言ったとたん二人からため息が聞えた。

その後妙な口調で

「ヒカリさん、どう思います?私には回答しかねます」

「そうですねー、マナさん。ここは回答しないほうがよろしいのではないかと・・・・・・・・・・」

「んーそうですねー」

「あっ、ただ一言言わせてもらいますと・・・・・・・・・・・・」

「と?」

マナのほうをむいていたヒカリの視線がまっすぐにアスカを見る。

ただ、アスカを見つめ、真剣な表情でアスカだけに言葉を投げかける。


「変わればいいのに・・・・・・・・・・」


何を?・・・・・・・・・・・・・

何を変わればいいんだろう?・・・・・・・・・・


「ヒカリさん・・・・・・・・わかってない顔ですよ・・・・・・・・・・・」

アスカの???という顔を見てそんまんまの感想を挙げるマナ。

ヒカリは、はぁ・・・・・・・とため息でもつきたい表情だ。

鈍感、という言葉が似合うアスカに二人とも呆れつつある。

「まぁ、いつか気づくでしょう、弁当食べましょ」

そう言うと、二人はアスカの正面に腰を下ろし、自分のかばんの中からそれぞれ弁当を取り出した。

マナのは自分でつくったらしい弁当で、ヒカリのは、トウジにあげたやつと同じ物らしい。

「ヒカリ、それトウジにあげたやつだよね」

「えっ!?うん・・・・・・・・・そうだけど・・・・・・・・・・」

マナの言葉に顔を赤らめるヒカリ、

さらに思わぬ追撃がヒカリを襲う。

「愛妻弁当みたいね」

敵殲滅完了、敵影見当たらず、これより帰還します。

アスカの言葉の爆弾が、ヒカリの思考回路たる攻撃目標を沈黙させた。

ヒカリは、ただ単に、顔を先ほど以上までに赤らめている。

ヒートしたヒカリの顔に冷却剤をかけてくれる思考はない。

「えっ、いや、愛妻弁当だなんて・・・・・・・・・・ただ単にトウジのだけ作ると時間がかかるから私や妹たちの分も一緒に作っただけでそんな・・・・・・・・・・・・・」

言い訳にも思考の欠片もない。

それでもまだ追撃は来る。

「狙ってた?」

「えっ!??・・・・・・・・・・・・・・」

それ以上のことは言わず言葉に詰まるヒカリ。

あっ、図星なんだ・・・・・・・・・・・・・・

ヒカリを見て二人ともそう思った。

なお、優秀なヒカリ姉妹、コダマ、ノゾミは弁当を見た瞬間に「あのジャージ君にあげるんだな・・・・・遂に」と思ったらしい。

「さっ、食べましょ、冷めないうちにね」

赤い顔のまま必死に話を逸らす。

「ま、いいや、食べよう、食べよう」

マナがそれに同意し、ヒカリがほっとした顔をする。

各自弁当のふたを開けようとした。

そのときマナが何か思い出したように顔を驚かせると、いきなり今度は顔がほころんだ。

「ぬふふ・・・・・・・・・・・♪♪♪(喜)」

マナがいきなり変な声で笑い出した。

ふたを開ける手を止めて二人ともマナの方を見る。

「どうしたの?・・・・・・・・・・・・・・・」

「壊れた?・・・・・・・・・」

「違います」

それぞれの感想はマナの一言で否定されたが、いまだ「ぬふふ♪♪♪(喜)」といっているため、いまだ疑惑は取れない。

「なにか悪いものでも食べたんじゃ・・・・・・・・・・」

冗談ではなく本気で危惧し始めたころ・・・・・・・・

「ふふふ、今日の弁当は今まで私が生きてきた100年の(アスカの「じゃあ、おばさんだね」という突っ込みが入る)料理技術を生かして出来上がった涙の結晶(ヒカリによる「それって酸っぱそう」という突っ込みが入る)入念な張り込みの結果(「ストーカー?」二人の声がダブった)遂にあの味に達成した・・・・・・・・・・・・見よ!!」

ケンスケと同じようにそれを高々と掲げる。ケンスケと同じようにないはずの眼鏡がキラリと光って見えたのは幻ではないと思う。

「この夏限定(実は春夏秋冬販売している)愛と怒りと悲しみのスーパーミラクルデラックスヤキソバメロンパン(マナ特製)を!!」

「おおー」

感嘆の声は一人からしかあがらなかった。

ヒカリは興味津々と色々と聞いているが、アスカにとっては料理は無縁な話。

アスカは弁当を食べようとふたを開けようと再び手を添える。

アスカは作れないわけでもないし美味しくないわけでもないが、シンジが作ってくれるのであえて作らない。


美味しいもんね、シンジの料理・・・・・・・・・・


そんなことを思いながら、顔が少し熱っぽくなり、頭が少しぼーっとしてきて、「きもちいい」感じを自分で感じながら・・・・・・・・・・・・・



開けた。



途端、先ほどよりも、熱が上がり、頭がぼーっとしてなんか真っ白になって、ただ「きもちよく」て・・・・・・・・・・・・・



「アスカどうしたんだろ?顔がかなり赤いけど・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・恋してるんでしょ」

「ははぁ・・・・・・・・・・恋の病ってやつ?」

「いいわねぇ・・・・・・・・・・」

「ヒカリはどうなの?」

「えっ!?いや・・・・・・・・・・」



二人の会話などアスカの耳には入らない。

結局はどうでもいいことなのだろう。

なんともないことなのだろう。

それこそ朝が来るから朝日が昇ると同じくらいになんともないことだ。

そう、なんともないことなのに・・・・・・・・・・・・・

今日は晴天いい天気の青空の下、惣流アスカラングレーは弁当の中身を見ながら顔を赤く染めながら「きもちいい」という気分を堪能している。


『あれ』が入っている・・・・・・・・昨日私がシンジに作れといった『あれ』が入っている。初めてながらも一生懸命に作った様子が十分にわかる『あれ』が・・・・・・・・・・ま、まぁこの私に食べさせるんだから一生懸命作るのは当たり前よね・・・・・・・・・


そう、ただそれだけのことだ。

昨日自分がリクエストした料理が弁当に入っているだけのことだ。

ただ、それだけのことなのに・・・・・・・・・・・・


な、なんで!?ただ、シンジが、わ、私のために作ってくれた料理を見てるだけじゃない!なんで『病気』が出てくるのよ!!


どうしようもないくらいに顔が赤くなり、

どうしようもないくらいに頭が真っ白になり、

どうしようもないくらい「きもちいい」という感じに包まれ、

どうしようもないくらいに幸せで・・・・・・・・・・・・・・・・



自分でもわからないくらいに、



どうしようもないほど恋をしていた。







(みらくる)愚者の後書き。



ご無――(ご無沙汰の略)駄目作家河中です。

今回のテーマは、恋の病のアスカです。

ストーリー的には、「春」の前あたり、(続いてはいないけど)サブタイトルが「冬の間の夏」です。

ちなみに、ヒカリが言った「変わればいいのに」は自分の気持ちに素直になればいいのにの意味です。

実はこれ、ジュン様のサイト20000HIT記念の作品だったりします。自分が遅いだけです。

さて、このサイトも色々と、デビュー者(雅様)や熟練者(こめどころ様)(みどり様)の投稿が出始め、これはひとつにジュン様のサイトの発展がため!!(僕は置いてきぼりー)

僕としてはジュン様のサイトを探索系に引っかからせればもっと発展するんではないかと・・・・・・・・・・(もしかして有料とか?そこんところはよくわかりません)

まぁ、ジュン様しだいです。

ではでは、50000HITくらいにまた会いましょう、さようなら僕のファン(だからいないっつーに)

 


 作者の河中様に感想メールをどうぞ  メールはこちら

<アスカ>河中様から、20000HIT記念SSを頂いたわ!
<某管理人>おおきに。ほんまにありがとうございます。
<アスカ>その上、河中様は30000HITを踏んでいただいたそうよ!
<某管理人>へえ、30000踏んだのは河中様でしたか。
<アスカ>ふ〜ん、そんな人のリクエストはどうなってるのかな?
<某管理人>げげっ!そ、そ、それはっ!
<アスカ>ほら、さっさと続きを書きなさい。
<某管理人>は、は、はい!がんばりま!

 はぁ、やっと行ったわね。

 さて、河中様からの作品。シンジへの恋心をど〜して気付かないんだろ、私は!
 ホントにへっぽこよね。でもそこがいいのよね。
 え?自分で言うなって?
 まあいいじゃない。恋している時の私が一番なの!
 

 河中様、ホントにいいお話をありがとうございました!
  

 

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