私には何もなかった。

EVAに乗っていたころは何もなかった。

唯一あるとすれば優越感をひたすらに追い続けていただけの私。

何も残らなかった。

きっと、優越感の先に何か私を満たしてくれるものがあると信じてた。

そんなものなかった。

今の私にはひとつだけある。

物とか人とか物理的なものではない。

EVAを降りて、平和な世の中が来て、その中で気づいた。

碇シンジ。

私はそいつに恋してる。

あいつの傍にいると、なんだか満たされた気分になり。

あいつが声をかけてくれると、なんだか、顔がほころび、嬉しくなる。

私はそいつに恋してる。

叶うことのない恋をしている。

あいつはいつもレイの世話をしている。

戦いが終わった後、何かとレイを気にしている。

当たり前だ。

多分シンジはレイのことを好きなんだろう。

話すのはレイのことばかり。

仕方ないことなんだろう。

私の恋は結局、叶うことのない片思い。

それで十分だと思う。

私の心に恋という感情が芽生えたことに感謝してる。

碇シンジ。

私が恋している人。

レイのことが好きでも構わない

ただ、私の傍にいて欲しい。






















「それだけで・・・・・・・・・・十分だから」

アスカは、シンジの部屋に来ていた。

時間は深夜一時。

暗闇の中からシンジの吐息が聞えてくる。

「傍に・・・・・・・・・・いてくれるだけでいいから・・・・・・・・・・」

アスカの声は、儚く、今にも泣き出してしまいそうな声だ。

アスカは歩みだした。

暗い部屋の中でアスカの足音が響く。

シンジが寝ているベットの前まで来た。

暗くて、シンジの寝顔はわからない。

「本当は・・・・・・・・私を好きになって欲しい・・・・・・・・私だけを見て欲しい・・・・・・けど、あなたはレイを見ている・・・・・・・仕方ないことなんだよね」

暫く、暗い中で見えるはずのないシンジの寝顔をアスカは眺めていた。

そして、アスカはシンジのベットに潜り込んだ。

そして、手探りでシンジの手を探し、

そして、すがるように両手で握り締めた。

シンジの体温が手を通してアスカの両手に伝わってくる。

「だから、せめて、レイがいない時だけは・・・・・・・・・・・・」

儚く、

切なく、

強く、

アスカはシンジの手を握り締めている。

この時だけは、

レイがいない時だけは、

「私だけを見て欲しい・・・・・・・・・・・・・だから・・・・・・・・・・傍に・・・・・・・・いさせて・・・・・・」

懇願するような切なき声。

ただ、シンジの手から伝わる温もりを、貪るように両手で握り締め続けた。










何よりも強く、

どんなことがあろうと逃がさないように、

優しく握り返していたシンジの手に、












アスカは気づかなかった。












 

           

 「儚き思い」  Fin 
  












(後書きで書いた予告を守らない&後書きで色を変えることが出来ないほどパソコンが使えない)愚者の後書き

言い訳をします。後書きの予告は信じないで下さい。あくまでそのときの気分です。急に変わること大有りです。

今回「儚き思い」全然駄目ですね。儚く、優しくがテーマなのに・・・・・・・伝わってるのかな?

と言うか、LASに見えます?LASのつもりなんですが・・・・・・・・

(再び)と言うか、実は今書いてるのが、悲しい系だったりするんで(あくまでそのつもり伝わらないかも)ここは優しい系をも一つ送らねば、と今回。

要するに今書いてるやつの片手間だったりします。(ごめん、僕のファン・・・・・・・)(←とか言うけど、ジュン様のサイトで僕のファンいるのかな?ジュン様と僕って結構違うと思うんだけど・・・・・・・・)

まぁ、いいや(投げやり)(←だってなんかヘボイもん、この作品。やっぱ短いのって苦手だなー)

では今度の悲しい系の作品でお会いしましょう。(信じないで下さい。まぁ72%は出来てますが)(←というか、そんな作品このサイトに送っていいのか?)(←多分。ジュン様の作品や他の投稿作家の作品が光って見える)(←多分)(←何故か?うまくないの見た後にうまいのみたらより一層見えるから)

「人はね、人間はね、自分を見るのが不愉快なのよ・・・でもね・・・どんなに不愉快でも、どんなに憎くっても、自分自身を殺すことも・・・・・自分自身をやめることも出来ないのよ!」

言わずと知れた・・・・・(たぶん)プルがサイコガンダムMk−Uに乗っているプルツーへの最後の言葉、本当は「私よ、死ねー!!」がプルの最後の言葉です。(死なないで欲しかった)

SSは作者の分身、憧れの一部。だから自分の作品は駄目に見えるのかな?


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<アスカ>河中様から、今月もSSを頂いたわ!
<某管理人>おおきに。ほんまにありがとうございます。
<アスカ>あぁ〜ん、でも私気づいてない!
<某管理人>そら、誰かさんはへっぽこですさかいに。
<アスカ>ん?誰がへっぽこですってぇ?!
<某管理人>そ、そ、それはっ!ぎゃつ!

 ホントに、もう!私がへっぽこのわけないじゃない!

 さて、河中様からの作品。詩的表現に磨きがかかってきたわね。
 でもさ、あのアスカ様が深夜に男の部屋に忍んで…。
 こら、そこ!変な想像するんじゃないの!
 だって起きてるときのシンジを直視できないんだもん!
 

 河中様、ホントにいいお話をありがとうございました!
  

 

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