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In A Sleepless Night


リンカ       2005.3.19(発表)

挿絵:リンカ











ある休日の午後、シンジはレイを連れて公園に遊ばせに来ていた。
公園に到着するとレイは砂場に走って行った。
シンジもおもちゃのスコップやバケツを持って彼女の後を追う。
暫く遊ばせていると、聞き覚えのある声がした。
そちらを振り向くとアスカがシンジ達の方を見て立っており、
そして彼女はそのまま微笑みながら近付いてきた。


「偶然ね、碇。今日は公園でお遊びなの?」

「うん、そうだよ。惣流さんは?」

「アタシは本屋の帰り。レイちゃん、楽しい?」

「あい」


アスカがレイの傍にしゃがんで語り掛けると、レイはスコップを砂に突き刺しながら答えた。
そのいとけないレイの様子にアスカは頬を緩める。そしてレイを見守るシンジの方を向く。


「フフ、アンタの妹可愛いわね。うちの子豚達とは大違いだわ」

「そうかなぁ?これでもすごいんだよ」


シンジがアスカの方を見てそう答え、そして再びレイの相手をする。
現在彼女は砂の山にトンネルを開通させようとしている。
シンジは砂が崩れないように押さえながら固めていた。


「れい、いいこ」


レイがシンジの言葉に答えた。


「じゃ、好き嫌いしないよね。ニンジンだって食べられるよね?」

「いや」


シンジがレイに問い掛けると、レイは顔を顰めさせて拒否した。
それにアスカが可笑しそうにしながら膝を抱えてレイのふっくらとした顔を覗き込む。


「レイちゃん、ニンジン嫌いなの?」

「まじゅいの」

「レイ、好き嫌いはいけません」


シンジが窘める様にレイに言った。
母がいない分、父がどうしても時間が作れない分、シンジがレイを躾なくてはならない。
母のいない子だからという引け目をレイには感じさせたくなかったし、
そうした嘲りも許せなかった。母親とは他人の子には案外冷淡な印象を抱く事があるものだ。
母のいない子だからと保育園で言われた事もあった。
そうした理由もあって多少厳しくシンジがレイに言い聞かせていると、レイは愚図るようにいやだと繰り返す。
その様子を見て、アスカが口を挟んだ。


「まあ、いいじゃない。少しずつ慣れていけば。ね、レイちゃん、嫌いなものくらいあるわよねえ」

「ねー」


レイが味方をしてくれたアスカに向かって首を傾けながらニッコリと微笑む。
無邪気なレイの様子にシンジは溜息をつきながらもアスカの方を見やって非難するように言った。


「惣流さん、駄目だよそんなんじゃ。ちゃんと躾ないといけないんだから・・・」

「いいじゃない。どうせこんな幼児に言い含めたってすぐには変わらないわよ」

「だからって放っては置けないじゃないか」

「誰もそんな事言ってないでしょ。力を抜けって言ってんのよ」


シンジが苛ついたような声を出し、それにアスカが反応してしまい、
シンジとアスカが段々と険悪に言い合いを始めた。
シンジは自分がしなくてはならないレイの躾に口を挟まれて気分が悪いし、
アスカはシンジのやり様が気に入らない。
無理に言っても幼児には一度には分からないのに、シンジはその無理を通そうとしていると
アスカは思い、また彼女は兄弟も多い大らかな家庭で育っているために、
尚更シンジの早急なレイへの躾方が癇に障った。


「でも言わなきゃ始まらないだろ」

「分かってるわよ。でも何から何まで言ってみたって一度には出来ないの」


シンジとアスカがお互い睨み合った。レイが砂を掘る手を止めて不安そうに2人を見上げている。
トンネルを掘っていたスコップにボロリボロリと砂が降り積もっていく。


「それでもレイは僕が見てなくちゃいけないんだよ!」

「それは知ってるわよ!ただ無理矢理にやらせたって意味がないって言ってんのよ!」

「意味がないってなんだよ!じゃあ、どうするんだよ!もう母さんはいないんだ!」


今やシンジもアスカも立ち上がって顔を突き合わせながらお互い掴み掛からんばかりの勢いで
相手を睨みつけていた。2人の頬は怒りの為か興奮の為か紅潮している。
お互いの吐く白い息が混じりあい拡散していく。


「アンタにっ・・・ママがいない事ぐらい知ってるわよっ・・・!」

「だったら口を挟むな!!」


アスカの言葉にシンジが叫び、そして頬を張る音が響いた。







「ねえ、マリー。アスカは?ご飯どうするって?」

「いらないってさ。夕方から部屋に閉じ篭りっきり」


ダイニングで夕食の用意をしていたアスカの母が尋ねたのに、
アスカの姉マリアが手をヒラヒラさせてそれに答えた。


「どうしたのかしらねぇ。訊いても答えてくれないし」

「男かしら?」


マリアが皿を並べるのを手伝いながら軽く言う。
母キョウコはそれに頬に手を当てて宙を仰いだ。


「アスカがねぇ・・・って、何を根拠に言ってるの、それ。第一まだ11・・」

「カー坊が言ってたもの。何か憧れの男の子がいるんだってさ」

「へえ・・・大きくなったのねえ。こないだまでチョコチョコ後ろをついて来てたのに」


キョウコとマリアが話すのを横から聞いていた一家の主フランツは
その余りの軽さに心配になって口を挟んだ。


「おいおい、ホントに何かあったんならどうするんだ。話も聞いてないんだろう?
で、カー坊、その男ってホントにいるのか?」

「レイちゃんのお兄様」


フランツの隣の椅子に座っていたカヲルは、覗き込んで尋ねた父に即答する。
それにフランツはポカンと口を開けた。


「お兄様って・・・お前がいつも言ってたのか?ていうかお兄様って何なんだ。俺は認めてないぞ?
まともな男か?くそ、アスカに何かしやがったら捻り殺してやる・・・!」


フランツが仇敵を見付けたかような顔で口走り、
その姿を見てキョウコとマリアは呆れたように言った。


「貴方が一番混乱してるじゃないの」

「駄目よ、パパ。聞いてもないのに勝手な事しちゃ。
第一パパもアスカの部屋に入れずに追い払われたんでしょ?」

「うう・・・父親を嫌う年頃に突入したのか・・・?」


フランツががっくりと項垂れて呟いた。その姿にキョウコとマリアが顔を見合わせて肩を竦める。


「まあ、その内お腹空かせて出て来るでしょ」

「だからそれがいい加減だと・・・」


顔を上げて妻を窘めようとしたフランツだが、キョウコの柔らかな微笑に言葉を切った。


「アスカは本当に大事な事はちゃんと言うわ。言わないんならあの子が自分で考えなきゃ
いけない事なんでしょ。私達は見守っていれば良いの。あの子が何か言った時には応えられるように」


キョウコが言った言葉にフランツが呆然と妻に魅入る。


「ね、フランツ。だからご飯にしましょ。今日は唐揚げよ」

「キョウコ・・・!君は何て素晴らしいんだ・・・!」


手を握り合って見つめ合っている両親にマリアとカヲルは呆れる。


「どうなの、パパとママは。マリア姉ちゃん」

「ま、これもひとつの愛の形かしらね」


皿を並べ終えたマリアは腰に手を当て、手を握り合う両親を一瞥してからカヲルに言った。


「キョウタとカオリ、呼んで来て」

「了解」


椅子から飛び降りたカヲルが歩いて行くのを見送って、マリアは再び両親を見た。


「・・・まあ、恥ずかしげもなくよくもやるわね、毎度毎度。年頃の娘に気を遣って欲しいもんだわ」


頭を振って両親から目を逸らした。
夫婦がキスするのは構わないが、時と場所も選んで欲しいといつもながらに思った。
ここは日本なのよ、とも。





遊びに出掛けていたシンジとレイが帰ってくるなり家中に響き渡ったレイの泣き声に、
ゲンドウはすわ何事か!と玄関に走って行った。
するとそこでは不機嫌そうな顔をしたシンジと、兄と手を繋いで泣いているレイがおり、
そしてレイは父の姿を見るなりその足に飛びついた。


「ど、どうしたんだ、シンジ。レイは何泣いてんだ」


ゲンドウは僅かに息が上がってしまった事を意識しながらも
しゃがみ込んでレイを宥めつつシンジに問うたが、シンジはそれに素っ気無く返した。


「別に何でもないよ」


「何でもないって・・・。・・・シンジお前、口が切れてるぞ」


ゲンドウがシンジの頬が赤くなっており更に唇の端が赤く切れているのに気づき、
心配げな声を上げたが、シンジは軽くそこを触って顔を顰めるだけだ。


「・・・ケンカでもしたのか?」

「別にレイとケンカしたんじゃないよ。・・・父さん、レイの鼻水ついたよ」


ゲンドウがシンジの言葉に足にしがみついているレイを見下ろすと、
娘は泣きながら父の足に顔を擦りつけている。鼻と布地の間ではでろでろと鼻水が光っていた。


「・・・そ、それはともかくシンジも上がれ。その口も治療しないとな」

「うん・・・」


力なく返事をしてシンジはレイのおもちゃを玄関の隅に置き、そのまま靴を脱いで歩いて行く。
それを見送ってゲンドウはまだ愚図っているレイを覗き込んだ。


「ほら、泣くな泣くなレイ。一体どうしたんだ?ん?」

「うっ、ひっく、あのね、あのね、にいちゃとおねちゃ、めっなの。おねちゃ、ばっちんなの」


レイがゲンドウの顔を見上げて訴える。


「・・・よ、よく分からん・・・。おねちゃ・・・?ひょっとしてシンジは女の子とケンカしたのか?」

「かをーのおねちゃなの。で、いちゃいいちゃいなの」

「顔?」

「かをー」


レイが涙に潤んだ瞳で父を見上げている。
やはりよく分からず、顔って何だ?と思いながらもゲンドウはレイの靴を脱がせて、
それから抱き上げてリビングへと歩き出した。
シンジの唇も見てやらなくてはならない。
ポンポンと背を叩く父に、レイはしがみついて顔をうずめた。
これで服は上下共に着替えだな、と思いながらもゲンドウは先程のシンジの様子を考えていた。
シンジがケンカなど、しかも女の子が相手だなどとは珍しい事もあるものだとゲンドウは思った。
どうもその女の子に叩かれたようだがシンジは手を上げなかったろうか?
温和な優しい子だが、そういう子ほど怒ると恐い。
心配になってレイに尋ねてみようと思ったのだが不意に胸元から、ぴー、ぴー、と音が聞こえてきた。
鼻の詰まったようなレイの寝息だ。
父に抱かれてそのまま眠ってしまったレイの背を再び軽くポンポンとやって、
彼は息子の待つリビングへ入っていった。






アスカは家に帰ってきてから自室のベッドに潜り込んでずっと考えていた。
食事はもう済ませた。
いらないと粘っていたのだが、母が部屋に夕食を載せたトレイを持ってきて、
気が向いたら食べろと言い置いて出ていき、そしてそれから暫く経って
腹がキュウと鳴るのに情けなくなりながらもベッドの上で食べた。
どんな気分の時だってお腹はそれなりに空くのね、と自嘲しながら、のろのろと全て食べきった。
食べ終わったトレイを机の上に置いて、そして再びアスカはベッドに潜り込んで枕に顔を埋めた。
シンジの顔が浮かび上がる。
公園でシンジとレイを見つけた時、アスカは嬉しかった。
訳もなく心が踊り、そして思わず声を掛けてしまった。
いや、心が踊った訳など分かりきっている。声も掛けずにはいられなかった。
休日で、たまたま気が向いて本屋に出掛け、本当に偶然にシンジを見つけた。
それさえももしかしたら心の何処かで期待していたのかも知れないのだが、
しかしその期待通りシンジがいたのは偶然だった。
シンジとレイの元に心持ち早足で駆け寄って、じんじんと温かくなる頬と耳朶を意識しながら
彼に話し掛けた。跳ねまわる胸の鼓動が誇らしかった。
砂場で無邪気に遊ぶレイに頬を緩め、そしてそのレイを見守るシンジに胸がきゅうと歓喜を叫んだ。
なのにケンカをしてしまった。
気がついたら言い合いをしながらこの世で誰より恋焦がれる男の子を睨みつけていた。
自分の言葉にシンジが叫び、その空気の波がアスカの耳に滑り込んで
言葉として認識したと同時にアスカの思考は停止した。
刹那凍りついた体が灼熱に焦がされて、そしてアスカは鋭く叫んで密やかなるその想い人を殴った。
シンジの頬を張った手が焼け焦げるのを感じ、混乱を抱えたままアスカは身を翻して家へと走り帰った。
今更ながら、果たして自分の流した涙は熱かったろうか、それとも凍りついていたろうかと、
寒空の下走り帰るその道に点々と零した雫に想いを馳せた。
自分は確かに泣いていた。でも何故泣いたのだろう。
シンジに拒絶されたから?でも家庭の内実に他人があれこれ言うのは誰だって嫌がるだろう。
シンジと意見が合わなかったから?でも違う人間が2人いれば意見も食い違おうというものだ。
シンジが自分に対し怒りを露わにしたから?それはショックだった。
しかしシンジは優しく穏やかな少年だが、怒りを持たない訳がない。
少なくともアスカとはケンカが出来るくらいには心を開けるのだ。
いつか母が言っていた言葉を思い出しながらアスカは考えた。
真摯でなければ怒る事も出来ない。相手を知らなければ愛する事も憎む事も出来ない。
アスカは今も間違った事を言ったとは思っていない。
しかしあそこで言ったその行為は間違っていたのだろうか。
自分の幼い弟と妹を見ていれば、シンジの態度は性急に過ぎるとやはりアスカは思う。
だが、それを他人の自分がどうこう言うべきではなかったのだろうか。
自分は他人、と考えて、アスカは鼻がつんとした。
トウジやケンスケはシンジの親友だ。昔から、そして今も。
だがアスカはただのクラスメートであり、そしてそれをアスカは変えようとしているのだ。
見ているだけはもう嫌だった。碇君って可愛いなどと黄色い声を上げて喜ぶバカでもない。
だったらぶつかっていって自分を知ってもらって、そして相手を知らなければいけないと、
そう考えるが、それが一体どういう事なのかアスカには良く分からなかった。
・・・アタシ、嫌われちゃったかなぁ・・・。
もう一度シンジの顔が浮かび上がってきた。
自分と顔を突き合わせてこちらを睨んでいる。
アスカとシンジの顔の間で白い吐息が混じりあって拡散していった。
ふかふかの布団を顔の半ばまで被り、横向きに枕に顔を埋めてアスカは目を閉じた。
流れ落ちた涙が果たして熱かったのか凍りついていたのか。
やはりアスカには分からなかった。


「シンジのバカ・・・」






「・・・シンジのバカ、か」


シンジは布団に横向きになって、口の中でポツリと呟いた。
口を挟むなとアスカに向かって叫んだ後、アスカは蒼白な顔に涙を浮かべて
そう叫びながらシンジの頬を強かに張った。
そしてそのままアスカが走り去るのを呆然と頬を押さえながら見送って、
レイが足元で泣き叫んでいるのに気付いた。
ひび割れて崩れ落ちた砂の山の傍らにへたり込んで幼い妹が泣いていた。
しゃがみ込んでレイの背を撫で宥めながら、
片側だけ穿たれたトンネルの跡からスコップを抜き取り無造作にバケツに放り込んだ。
カラカランと軽い音を立てたそれを見やってから、シンジは涙を落とすレイに優しく頬を寄せた。
そしてグズグズとしゃくりあげる彼女の手を引いて家へと帰った。
歩きながら一体何を考えていただろう。
ただ、打たれた頬の焼けるような熱さと、悲しいくらいに耳に響くレイの泣き声と、
まだ冷たい空気に広がる自分の白い吐息と、カラコロと軽い音を立てるレイのおもちゃと。
そして繋いでいるレイの小さな手がじんわりと温かかった。
シンジは布団の中で薄暗闇にアスカの顔を思い浮かべる。
何か間違っていたのだろうか。何故アスカは涙を浮かべて自分を殴ったのだろう。
レイを見なくてはいけないのは自分だ。レイの為にしているのだ。
レイの為を想って言っているのに、何故アスカがそれを非難するのだろう。
シンジとてケンカくらいはする。トウジやケンスケとさえ、ごく稀ではあっても意見が合わなくて
言い合いをしたりはするのだ。
だがあんなにも怒りが弾けた事があっただろうか。
しかも女の子とケンカをしたなど記憶にない。何故あんなに自分はむきになったのだろう。
シンジは軽く息を吐いた。
隣で眠るレイが何か寝言を言った。
母が死んで以降、シンジ達は3人一緒に寝ている。
レイを真ん中にしてシンジとゲンドウで川の字を作っているのだ。
ゲンドウはまだ寝ていないが、レイが寝つくまであやしていた。
シンジはレイがもぞもぞ動くのを感じながら以前を思い出した。
レイがもっと小さかった頃は、苦しかった。
レイはただ泣くだけでどうしていいかシンジには分からず、
レイの為などではない、父の為にレイの面倒を見ているのだと不満を押し殺して過ごしていた。
だが今はもう違う。
違うのだが、これは一体何なのだろう、とシンジは思う。
結局父には詳しい事は話さなかった。
心配そうな顔をしていたが、別にクラスメートと言い合いをしたくらい大した事ではない。
そう、別に彼女がどうこう言おうと問題はない、とシンジは暗闇の奥を睨んだ。
もう一度アスカの顔が浮かび上がって、すぐに消えた。
あの時何故彼女は泣きそうな顔をしていたのだろう、彼女には関係ないのに。分かるはずもないのに。
でも、とシンジは思う。
でも、レイの面倒を見るのは自分のすべき事だ。レイを躾るのは自分のしなくてはならない事だ。
だからこんなに頑張っているんだ。レイが大切だから。
父さんと僕とレイは家族だもの。間違ってなんかいない。レイも応えてくれる。
だから今はそれだけでいい。
シンジは静かに瞼を閉じた。
枕にじわりと丸い染みが出来る。
流れ落ちた涙の訳など知るはずもなかった。







父さんの弱点





描:リンカ

第4話へつづく

碇家のアルバムより 撮影:碇シンジ






リンカ様の連載第3話です。
喧嘩です。
アスカとシンジの記念すべき、初の喧嘩。
おそらくこの数十年後に二人は懐かしく、この時のことを思い出すことでしょう。
年を経て、自分たちの子供が同じような年頃になったとき。
そして、年老いた頃、孫の話題に初めての喧嘩を思い出す。
甘く、懐かしく、かけがえのない記憶として。
でも、今は違います。
喧嘩をしたことを悔やみ、苦しみ、悲しむ二人。
きっとその時間はとてつもなく長く感じることでしょう。
あの公園の風景は寒々として、
レイが掘ろうとしていたトンネルは無残に崩れ、
繋がりそうだった二人の気持はもう二度と修復できない。
そんな思いでいる二人の時間はまるで停滞しているように動かない。
子供から思春期に差し掛かった頃の喧嘩とはまさにこの二人のようですね。
本当にありがとうございます、リンカ様。
続きをお待ち申し上げます。
(文責:ジュン)

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