電波系LASシリーズ第2弾

 

『やな感じ』

 

 

 

 

 今日こそは!

 今日こそは、必ずアイツをゲットするのよ!

 いい?マユミにマナ!

「え〜、もう無理ですよ。ボスに説明して…」

「どうして、アンタはそう弱気なのよ!ほら、マナ、新兵器は?」

「資金が少ないから、半分しか出来てないにゃ」

「う〜ん、じゃ後は根性ね」

 私たち、ネルフ団には不可能はない!

 

 来たわ!来たわよ!

 う〜!悔しい!今日もラブラブじゃない!

 大体、あんな進化の仕方なんか反則よ!

 どうしてヨワヨワバカシンジから、ニッコリシンジに進化するのよ。

 スーパーレアボーイじゃない!

 この世界であんなの確認されてないわよ!

 その研究で赤木博士はノーベル賞とっちゃうし。

 く〜!ヨワヨワシンジのときにゲットしとくんだったわ!

 え?私?

 きまってんじゃない!ネルフ団一の美しさを誇るレイよ!

 はい?キャラが違う?

 アンタ、何馬鹿なこと言ってるのよ!

 私の声があの人なんだから、必然的に私はこのキャラになっちゃうの!

 ぐぅ〜!悔しいわ!

 私がこのキャラになったっていう、ただそれだけの理由で、

 どうしてあの赤毛猿が、主役になっちゃうのよ!

 許せないわ!

 こうなったら、ニッコリシンジをゲットして、

 ボス・ゲンドウにプレゼントして、

 私がニッコリシンジの専任トレーナーになるのよ!

 ふふふ、マユミにマナ。アンタたちはそのときにはお払い箱よ。

 ニッコリシンジは私だけのもの。

 私たちは一つになるの…って、これは元キャラじゃない!

 きぃ〜!アイツ等、ここは天下の往来よ!

 派手にいちゃつくんじゃないわよ!

 ほら、もうあと3歩で、名物おとし穴よ!

 さあ、いらっしゃ〜い!

 やった!

 落ちたわよ、落ちたわよ!

「成功だにゃ」

「ええ、いつもここまでは成功なんですけど」

「さあ、行っくわよぉ!ニッコリシンジをゲットよぉ!」

 私たち、ネルフ団最強のトリオはおとし穴に駆け寄った。

 

『何よ、これは!』

 おとし穴から赤毛猿の声がする。

「何よ、これは、と聞かれたら」

「答えてやるのが世の情け」

「使徒の襲来を防ぐ為」

「世界の平和を守る為」

「愛と真実の悪を貫くラブリーチャーミーな敵役」

「レイ!」「マユミ!」

「銀河を駆けるネルフ団の二人には」

「サードインパクト!」「赤い海が待ってるわ!」

「あ、にゃ〜んてな」

 おとし穴から、間抜けな赤毛猿と愛しいニッコリシンジ様が私たちを見上げているわ!

「あ!ネルフ団!」

「ははは!また引っ掛かったわね!

 赤毛猿さんには学習機能がないのかしら?」

「うきぃ!」

 あはは、怒った、怒った。真っ赤なお顔のお猿さん。

 で、いつもどうして失敗するのだったのかしら?

「あの…?いつものことで申し訳ないけど、

 僕をここから出してくれないかな?」

 ニコッ。

 うわ!10000億ボルトの笑顔攻撃よぉ!

 駄目よ!また直撃を受けてしまったじゃない!

「さあ、どうぞ。このロープを身体に」

「この機械で引っ張りあげるにゃあ」

 あ、あんたたち!これっていつものパターンじゃない!

「ごめんなさ〜い。落ちたときに怪我はしなかったぁ?

 もしどこか怪我をしてたら、お姉さんが看病してあげるからぁ!」

 あああ、いつもと同じ、口と体が勝手に動いちゃうわ!

 駄目!やっぱり、ニッコリシンジの能力は凄い!

 地上に出てきたニッコリシンジは、当然赤毛猿を抱きしめてるわよね。

 これもいつものパターン。そして、次もいつもの…。

「アンタたち、いつもいつも、同じ事ばかり!

 私とシンジのラブラブを邪魔するやつはこうよ!」

 ギャッ!

 赤毛猿のアスカキック!

 ドギュウ〜ン!!!

 ひえぇぇぇぇ〜!

 次こそは、次こそは、シンジをゲットするのよぉ!

 

 やな感じぃぃぃぃぃ〜!

 



 ………………………………………………………………


「ごめんね、シンジぃ。いつも変なのに狙われちゃって」

「ううん、アスカが綺麗だから仕方がないんだよ。

 僕はアスカのそばにいられるだけで幸せなんだから。

 ネルフ団が狙ってるアスカを僕は守りたいんだ」

「シンジぃ」

「アスカぁ」

 チュッ。

 

 二人の旅は、なかなか進まない。

 

『やな感じ』 − おしまい −

 

 


 <あとがき>

この作品も、感想御礼として作成したSSです。
単純に声優つながりです。

これは炊飯器を動かしてる間に書いた、32分SSです。

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