毒の矢

 角川文庫・初版 昭和51年9月10日 解説:中島河太郎

  毒の矢  本文188P
  黒い翼  本文82P
  

 金田一耕助の第13長編。
 耕助の住む世田谷区緑ヶ丘。そこに広がる密告状。黄金の矢という署名入りの脅迫状は、何を目的としているのか?耕助が調査が開始したとき、殺人事件が起きる。被害者は密告状で同性愛と言われていたアメリカ帰りの未亡人だった。
 上記の表題作、成城の怪文書と映画スターの死を描く『黒い翼』の2作を収録している。

 

 密告状で抽象されているのが同性愛。従ってこういう表紙絵になるのですが、奥はもっと深い。以下ネタバレ(OKの人は反転してください)。確かに同性愛を描いてますが、一人は蝶。もう一人は蜥蜴。その蜥蜴が蝶の羽を食いちぎっている。ということで、加害者と被害者ということを暗示しているわけです。

 

 

 

 

 

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