金色の魔術師

 角川文庫・初版 昭和54年6月25日

編集構成:山村正夫 解説:中島河太郎

金色の魔術師 本文193P

 横溝正史の長編ジュブナイル。
 学校の校門の前の人だかり。その中央にいる老人は、奇術師のように思われたが立ち去るときに奇怪な言葉を残した。「わしには7人の少年少女が必要だ」と。その後に失踪した少年を洋館で発見した滋たちは、少年がバスタブの中で融けていくのを見る。
 昭和27年に「少年クラブ」で発表された作品です。実はこの作品が私の横溝処女作なのです。昭和47年に発行された、少年少女講談社文庫の1作としてこの作品がラインナップされたのですが、この本を私は岡山で買いました。何の観光に行ったのかは忘れましたが、山陽新幹線で岡山に行き、その帰途に車内で読むために駅前の本屋で購入した本です。従ってこの作品にはかなりの思い入れがあります。

 

 怪人・金色の魔術師がシルクハットから取り出したのは、誘拐予告のカードです。そのシルクハットを持つ手の手首だけが見えていて、残りは透明になっているところが怪奇さを増しています。

 

 

 

 

 

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