ペルシャ猫を抱く女

 角川文庫・初版 昭和52年11月10日 解説:中島河太郎

 
ペルシャ猫を抱く女
消すな蠟燭
詰将棋
双生児は踊る
薔薇より薊へ
百面相芸人
泣虫小僧
建築家の死
生ける人形
本文24P
本文28P
本文24P
本文70P
本文23P
本文21P
本文37P
本文6P
本文16P

 ノンシリーズの中短編集。
 疎開先の岡山県の片田舎から終戦後も戻ってこない若い画家が、「明治犯罪史」という稀覯本を土産に私のもとを訪れた。そこに書かれている「ペルシャ猫を抱く女」と呼ばれた毒殺魔と生き写しの娘が脅されているというのだ。
 第52巻の
『刺青された男』に続く終戦直後の中短編集です。上記の表題作、のちに金田一モノ『暗闇の中の猫』(『華やかな野獣』に収録)に改編した『双生児は踊る』、横溝風ショートショートの『建築家の死』等の全9作を収録している。

 

 表題作の重要な小道具となる明治時代の絵をそのまま表紙に持ってきています。作品を読むとこの表紙はさらに感慨深いものになります。その理由はネタバレ以前の問題になりますので、ここでは書きません。ぜひ機会があればご一読ください。この短編集には、これ以外にも『泣虫小僧』という心温まる幕切れの作品があります。『刺青された男』(第52巻)収録の『靨』ともども、この終戦直後の横溝正史の感情の一面を窺い知ることができます。因みに『ペルシャ猫を抱く女』のエッセンスはのちに金田一モノの『支那扇の女』に移植されました。

 

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