夜光怪人

 角川文庫・初版 昭和53年12月25日 編集構成解説:山村正夫

 
夜光怪人
謎の五十銭銀貨
花びらの秘密
本文192P
本文27P
本文19P

 横溝正史の長短編ジュブナイル集。
 怪盗夜光怪人が東京中の噂になっている。全身からホタル火のような怪しい光を放ち、ダブダブマントに仮面をつけた、その夜光怪人が次々と著名な宝飾品を盗んでいく。そしてついに金田一耕助が立ち上がった。
 上記の表題作、短編2作の計3作を収録しています。この作品には、横溝ジュブナイルで有名な探偵側のトリオが登場します。金田一耕助と、新日報者の三津木俊助記者、そして御子柴進少年です。由利先生シリーズでお馴染みの三津木記者と、ジュブナイルの主人公・進少年という三界の主役を集めた豪華なキャスティングといえるでしょう。また、この作品には獄門島と、清水巡査、鬼頭儀兵衛が登場します。金田一耕助とは初対面となっていますが。

 

 私はこの作品と次の『黄金の指紋』の表紙絵が、ジュブナイルでの両横綱だと思っています。遠近法を使った大きな黒い手袋につかまれようとする少女と、無表情な仮面の描写が、これこそジュブナイル!というイメージに仕上がってます。

 

 

 

 

 

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