日記(2009年)

2009. 12.25 冬休み、研究室に籠り、仕事に没頭していると
    誰かがドアをノックする。同僚の先生が、使わなくなった子ども用スキー一式をくれた! 弘前の小学校では冬の授業でスキーをするので、買おうとしていた矢先だった。さっそく庭で練習に励む息子。年明けにゲレンデに連れていく

2009. 12.20 楽しみにしていた教会のクリパ
    子どもが成長し、自分で哲学や宗教を考えてくれる日を待つ

2009. 12.18 『ピグー 富と厚生』の邦訳完了
    次は推敲だが、せめてクリスマスは家族でゆっくり過ごそう。幼稚園の発表会で一仕事終えたリリは、家で団子作りに励み、コータロは黙々と雪かき

2009. 12.14 子どもたち、インフルの予防接種
    コータロは取り乱し、孫悟空のように大暴れ。4人がかりで押さえつけられ、「今年一番の暴れぶりでした」と看護師さんからお墨付きを頂いた。一方、リリは「注射? なにそれ? どうかしましたか?」的な感じで、クールな大人の女を演じきった

2009. 12.9
    ・『市場社会論のケンブリッジ的世界』の合評会が早稲田大で開かれ、執筆者の一人として出席。久々に再会した仲間と忘年会で盛り上がった。
    ・長男が小学校で書いた詩が「文集ひろさき」に入選。地元の人によれば、けっこう名誉なことらしい
2009. 11.30 わが院生時代の2人の恩師
    ・関西大の橋本先生が私の『ピグーの思想と経済学』を書評して下さった(関西学院大学『経済学論究』)
    ・京大の八木先生が『富と厚生』の監訳を快く引き受けて下さった。出版社も監訳者も決まり、あとは邦訳を終えるのみ。460頁を越えた。本の出版には、実に多くの人の助力が不可欠。そのように助けられていることを、あらためて痛感
2009. 11.1 とうとう11月
    ・ふり返れば『ピグー 富と厚生』の訳業に没頭した11ヵ月。420頁まで進んだ。今日は久しぶりに教会で心の掃除。
    ・夜空に十羽ほどのツルの編隊。いつも西に飛んでゆく。初めて見たときは、夢かと思うほど美しかった。鳴きながら飛ぶので、夜でもすぐ分かる。
    ・地方紙「陸奥新報」に来年4月から毎月一回、エッセイを連載することに!

2009. 10.26 息子のクラスがインフルで学級閉鎖! 夕方には息子も38度の熱
    大変だ! でも何かおかしい。食欲旺盛だし、夜には熱も下がり始めた。結局、ただの風邪だった
2009. 10.22 インフルエンザで大学が一週間休講になり、研究に専念
    ヒゲが伸び放題。白ヒゲ三千丈、愁いによりて、かくの如く長し。『ピグー 富と厚生』の邦訳は401頁、すなわち「第4編 国民分配分の変動」に入った。ここからは前人未踏、未知の領域

2009. 10.14
    ・妻と共にコータロの授業参観。とても良い小学校だ。
    ・山で銀杏取り。子どもたちも「味」を知っているので、臭くても頑張ってくれた。大量にゲット!
    ・仙台出張のさい、亘理(わたり)で「はらこ飯」(いくら丼)を食べた。ご案内下さったS先生に感謝

2009. 9.24
    ・秋学期開始。雑務を一気に片づけ、研究室を掃除。生活リズムが変わるので、体調を崩さぬよう慎重に。
    ・将棋の腕を上げたコータロ。「飛車・角・香」抜きでほぼ互角。「桂馬の高飛び、歩のえじき」などと言っている。将棋は教養だ。しかし小学校には将棋のできる同級生が1人もいないそうな

2009. 9.19
    ・教会の子どもの遠足をお手伝い。貸切バスで鰺ヶ沢キャンピングパークへ。天然ヒバの「箸」作り、BBQ、バードウォッチングなど、子どもたちは大満足の様子。私も気持ちよく疲れた。
    ・邦訳『ピグー 富と厚生』の出版社が決定。嬉しくて、疲れがいっぺんに吹き飛んだ。出版までのスケジュールも決まった。次は監訳者を探す。皆が助けてくれたから今の私がある。感謝し恩返しする気持ちを忘れるな
2009. 9.13
    ・研究者、研き究める者。一体何を研き究める? 仕事ばかりしていると美に鈍感になる。子どもは鋭敏だ。畑に咲く花を摘み、テーブルを飾ってくれた。
    ・近くにフナ釣りの盛んな池がある。それを長男に話すと「連れて行け」とうるさいので、自転車で連れて行った。眺めていると、ほとんど「入れ食い」状態。驚く長男。次回は釣り道具を持って来ような

2009. 9.6
    ・妻が「赤ちゃんの胎動を感じる」と言う。来年2月に私たちの新しい家族となる。神様どうか妻をお守り下さい。
    ・買物の練習のため、子どもと店に行き、「500円まで何を買ってもいいよ」と言うと、コータロは虫眼鏡を買ったので感心した。翌日、息子が空地に座って、何をしているのかと思えば、虫眼鏡で太陽の光を一点に集め、一生懸命に新聞紙を穴だらけにしていた

    畑仕事は私の日課。今はトマトと枝豆が毎日とれる。昨年同様、食っても食っても食いきれぬ「豆地獄」(2008.10.1 参照)だが、今年は質が良く、家族にも知人にも好評。ただし言わせてもらえば、わが家の最悪の枝豆でさえ、都会で食べる水くさい枝豆よりはマシだ。そろそろ収穫可能になるのは、秋ナスとカボチャ。後者は生ゴミから勝手に生えてくるのだが、結実したのは今年が初めて。カボチャの天ぷらは大好物だ。昔の人が漬物などの保存食を考えた事情が身に染みて理解できる

2009. 8.27
    ・論文集の出版企画で一橋大へ。帰宅した翌朝には、次は神戸の研究会(合宿)へ。ハードスケジュール。
    リリが初めて「コマなしに乗った! おめでとう! しかし伴走大変だったぜ。
    ・畑の枝豆。非常に甘く、なぜか「トウモロコシの味がする」と家族に好評。そろそろ本格的な収穫期

2009. 8.18
    ・おとついの夜は近所の老夫婦に招かれ、家族でBBQをご馳走になった。とても良い肉で、隣町まで買いに行ったそうな。
    ・昨夜は、子どもの同級生も誘って家の前で花火。
    ・今日は、4人のチビと再び近所の川に魚を取りにいった。コータロは「たくさん取って友達に分ける」と気合い十分。ところが魚はおらず(3日前には、うじゃうじゃいたのに!)… 今思えば、それが悲劇の始まりだった

    1人め転ぶ → 2人め転ぶ → 転んだ者はなぜか服のまま泳ぎだす → 「サンダル流されたぁ!」という叫び声 → サンダルを追って、長ズボンに靴のまま川に飛び込んだ私もずぶ濡れになる → だんだん私は不機嫌になってくる → 「お前ら、びしょびしょやから、車に乗せへんからな。歩いて帰れ!」と高らかに宣言

2009. 8.15
    ・『ピグー 富と厚生』の訳業は、折り返し地点の250頁を越えた。髭ぼうぼう。ほとんど苦行の域に入っている。
    ・昨日は子どもとサッカーをし、夜はランニングの仕方を教えた。リリは「黙って一定のペースで走る」ことができずヘロヘロになったが、コータロは呼吸法も覚えたみたい。今日は子どもと川遊び。私が魚を追い、待ちかまえるコータロが網で小魚4匹ゲット
2009. 8.12 晴れたら行くぞ
    そう約束したら、翌日、本当に晴れた。急いで荷物を車に積み、家から1時間ほどの岩木山中腹へ。ここなら近くに温泉もある。子どもたちの初めてのキャンプ。肝試しもやった。なかなか好評。次のキャンプは海がいいね

2009. 8.10 子どもは遊ぶのが仕事。夏休みを満喫せよ
    次から次へと悪さをする。今日も近所の子どもが玄関に来て、「コウタローが○○した! リリも真似してるー!」と叫ぶので、いつものように「よっしゃ、帰ってきたら、アイツらのオケツ叩いたる」と叫び返した。2人で2階へ行ったぞ、おかしい、静かすぎる…。様子を見に行くと、部屋にテントが張られていた。お待ちかねのキャンプはいよいよ今週だね

2009. 8.5 夏休みに入った。大阪から母が来て
    1日 昼は子どもと川遊び。夜は(弘前)ねぷた祭りに出陣し、声がかれた。
    2日 昼は研究室で仕事。夜は(青森)ねぶた祭りを見物。
    3日 昼は猿賀神社でハスの花を見物。夜は(五所川原)花火大会。
    4日 朝から八甲田山へ。有名なロープウェーで山頂に登り、山歩き。帰りに酸ヶ湯温泉に入った。夜は(五所川原)立ちねぶた祭りを見物

    お盆まで研究に専念し、遅れを取り戻す!

2009. 7.28 慶応大の丸山先生
    御著書『ワルラスの肖像』(勁草書房 2008)をお送り下さった。私は院生の頃から、ドブリュー『価値の理論』の邦訳者として先生の御高名を聞き知っていたが、そのような先生から本をご恵贈いただけるとは思ってもみなかった。人生は面白い
2009. 7.22
    ・ゼミでルソー『社会契約論』の輪読中に日蝕が始まり、全員で外に出て見物。
    ・二年前から皆で準備してきた論文集が出版された。平井俊顕編『市場社会論のケンブリッジ的世界』日本経済評論社
2009. 7.16
    ・東京で千葉商科大のH先生と会食。初対面にもかかわらず親切にして頂き、また色々と教えて頂き、楽しい時を過ごした。ありがとうございました!
    箱根の研究集会に出席。慶応大の丸山徹先生など、高名な一流研究者の方々の器の大きさに驚き、非常に多くを学んだ。今回の集会の内容は、論文集として来年出版される予定。帰りに小田原城に寄った。天守閣から周りの地形を眺めると、かつて難攻不落と言われた理由も少し納得。
    ・私の『ピグーの思想と経済学』、第2刷が出るそうだ。嬉しい
2009. 7.5 Sun
    @研究面は、もがけど、あまり進まず。A教育面は好調。「良い本に出会う → 講義レジュメを改善 → 講義に気合いが入る」というのは、いつもの好循環パターン。B家族サービス面も好調。昨日は相馬村のプールへ。とうとうコータロが水に潜った! しかも自発的に。「水、こわないか?」と聞くと、コータロもリリも「大好き〜!」と答える。泳げるようになるのも時間の問題だ。今日は鰺ヶ沢の海へ。海水浴と釣りをした。周りはさっぱり釣れないのに、私とコータロだけは次々に釣ったので、妻はびっくりし、コータロも得意気。成功体験を蓄積し、自信を養え。だんだん積極的になるだろう。リリは、カサゴの塩焼きが気に入ったみたい

2009. 7.1
    土曜は、山形大の下平先生が報告者として遠方より来られるので、青森県消費者問題研究会に初めて出席。帰りは、八甲田山、奥入瀬、十和田湖に寄り道。日曜は、家族のリクエストに応えて、庭でバーベキュー。火曜は、恒例の宵宮(よみや)。知人宅に集まり、食事や花火をした。子どもは元気だが、大人は疲れた
2009. 6.26 『ピグー 富と厚生』の訳業再開
    心の大掃除をした。強烈な情熱が沸いてくるのを感じる。1/3ほど終えたが、まだまだ1年はかかる。かつてクラーク『富の分配』の邦訳で、母校の田中敏弘先生に大いに鍛えて頂いたが、今回は私が単独でやり遂げ、御指導の無駄でなかったことを先生に示したい。全力を出し切った訳文でないとダメだ。くだらない見栄を捨てよ、訳し終われば死ぬものと思え
2009. 6.22
    ・娘の幼稚園の運動会。「かけっこ」と「おむすび音頭」。家族の健康こそ、一番の幸せ。
    ・来月の研究報告(箱根)の準備完了。とても大きなプレッシャーを感じる。無事に済めばよいが…。生活のなかで無駄に心を乱している要素はないか点検し、もっと身軽になろう。心を静め、なすべきことを見極めよう。焦りと欲張りは禁物

2009. 6.12 いつものようになにげに畑の雑草を抜いていると
    家の裏に格納庫風の怪しげな建造物ができているではないか! 何じゃこりゃ? 民謡コンテストの舞台か? 翌朝、妻が聞きにいくと、ねぷた祭りの「ねぷた」をここで制作するそうだ

2009. 6.5
    ・庭ではイチゴが旬。子どもたちは赤いのを見つけるとすぐに摘んで食ってしまう。私はまだ一つも味わっていない。隣の友人がキュウリの苗をくれた(庭に勝手に生えてくるらしい)。さっそく植えた。来月あたり、丸かじりしたいものだ。
    ・コータロは「西遊記」に夢中。昔の堺正章のヤツをDVDで毎日一話ずつ見ている。写真は、あこがれの如意棒と金閣銀閣が閉じこめられるひょうたん。名前を呼ばれて返事をすると吸い込まれてしまうので注意。
    ・コータロはカブトの幼虫を飼っている。無事カブトに成長した日の時間割。「バトル」あり、「なかやすみ」あり、「給食」ありで、カブトも大変だ。右上の小さな四角は、マグネットで冷蔵庫にくっつける余白。なるほどー。
    ・リリが私に雨の秘密を教えてくれた。雲の上に「カミナリさん」が大勢住んでいて、ある者はバケツで、ある者はジョウロで、またある者はシャワーで雨を降らせていた。とにかくやり方がバラバラだった。ところがある日、カミナリたちはケンカをして、シャワーのカミナリが勝ったので、その後はシャワーに統一されたのである。
    ・埼玉大のK先生から御本『LSE物語:現代イギリス経済学者たちの熱き戦い』を頂いた。感謝!

2009. 5.27
    ・乳歯がいよいよグラグラ。いつ抜けるかな?
    ・妻が留守のとき、家で恒例の「たこ焼きパーティー」をしたら、近所の子どももやってきて大騒ぎ。4人がかりで両手を引っ張られ、足にしがみつかれ、倒れたところを蹴られ、参った。この後、私がゴリラ顔をして「こらまて〜」と子どもたちを追い回すのが、お決まりの流れ。
    ・週末はいよいよ慶応大での全国大会報告。『孫子』も読んで準備万全

2009. 5.23 来週の全国大会報告のレジュメ完成。ほっと一息。次の課題は以下の3つ
     @箱根の講演(5.2 参照)を論文集として出版するらしい。予想外の大仕事!
     A一橋大の論文集の最終稿提出(2.8 参照)。B紀要論文。8月完成をめざす
2009. 5.17
    ・いつも子どもたちを可愛がってくれる近所のおばさんが、旬のシラウオをくれた。食卓は大騒ぎ。「おどり食い」初体験の子どもたち。口の中がくすぐったい? あ、口から一匹飛び出たよ。
    ・昨日はキノコの会(5.10 参照)。いつものように山菜を採った。
    ・今日は堀越小の運動会。コータロー、開会式で「誓いの言葉」。燃えろ堀越魂の テーマのもと ゴールめざして 一生懸命走ります!


2009. 5.12
    ・リリ、5才の誕生日。夕食はずっと前から楽しみにしていた、キムチ、イカの塩辛、エビフライ、鳥の唐揚げ。彼女の大好物ばかり! プレゼントは、セラミック包丁、刺繍入り手作りエプロン、ビー玉9個など。さっそくエプロンをつけてケーキ作り開始。
    ・私は花粉症(ぶた草)のため廃人状態。こんなときは、ゆっくり休むのが仕事。イライラせぬよう気をつけたい。のんびりすれば、普段見えないものが見えてくる。再びヤル気が出てくるまで休め

2009. 5.10
    ・春夏は、月に1度、子どもと「白神キノコの会」の自然観察会に行く。中心メンバーは弘大の農学部関係者で、年輩の人が多い。参加者は毎回10名ほど。キノコや山菜を求めて草ぼうぼうの中に分け入ったり、けっこう刺激的。専門家から色々教えてもらえる。牧歌的雰囲気で、コータロもリリも毎回楽しみにしている。子どもの参加は彼らだけなので、皆がとても可愛がってくれる。子どもは知識の吸収が速い。子ども時代から山を学べるなんて、本当に恵まれている! 都会じゃこんな機会はない。
    ・夕拝の司会当番だったので教会へ。夜は人が少なく、4月に着任されたばかりの村岡牧師夫妻とゆっくりお話できた
2009. 5.7
    ・コータロー、生まれて初めての宿題。
    ・連休中、大阪の母が遊びに来たので、日本有数の漁港・八戸へ。弘前から車で2時間半。
    @まず腹ごしらえに、有名な「八食センター」で極上寿司。
    Aウミネコ繁殖地の蕪島(かぶしま)へ。空から絶えずウンチが降ってくる。想像を絶する凄さだ。「6畳部屋のなかに、人を恐れないウミネコ30匹が、床はむろん、冷蔵庫やテレビの上にびっしりいて、卵を抱くか、巣の材料をくわえてヨチヨチ歩くか、飛びながらウンチを落とす」風景を想像するとよい。その後、近くの磯で一休み。
    B根城(ねじょう)。天守閣のない古い様式の城。実物を見て納得。本丸館では武具一式の着付けをしてくれた。着付けのお姉さん2人は子どもに丁寧に説明してくださり、火縄銃を持ってきて触らせてくれたり、とても親切だった。時間を忘れるほど、のんびりしており、地方の良さを実感。私は傍らで「これ着て馬に乗るんや」とか「だから強い子にならんと立派な侍になられへん」とかブツブツ。兜の重さ、刀の重さ、いつか歴史を学ぶときに想い出して欲しい


2009. 5.2
    ・7月に慶応大学主催の「高橋誠一郎生誕125周年記念研究集会」(於パレスホテル箱根)に、講演者の一人として招かれた。お話を頂いたときは、アッと驚いた。「士は己を知る者のために死ぬ」とも言うし、私を評価してくれる人のために全力を尽くそう。異なる学会の研究者との交流、とても楽しみだ。
    ・ピグー『富と厚生』の訳業は130頁まで進んだ。絶好調。同書の出版百周年である2012年に出版したい。すでに訳した「ピグー教授就任講演(1908年)」も収録予定

2009. 4.26
    ・学会報告(東北大)終了。だが1ヶ月後には次の学会報告(慶応大)がある。少し休んだらその準備に入る。とりあえず畑に、トマト、シシトウ、シソを1本ずつ植えた。
    ・関西の恩師がわざわざ研究資料を送って下さった。無駄にせぬよう、今年度中に確実に成果を出さねばならぬ。良いプレッシャーになる。今年は(今年も?)正念場だ

2009. 4.20
    ・畑は順調、今月中には一通り終わる。そろそろ雑草を抜かねば。雑草を抜いていると、何もかも忘れ、心が落ちつく。目覚めている時間の大半は悪いことを考えている。なかでも一番厄介なのが自尊心であり、人と交われば直ちにこの幻が現れる。悪いことを考えずにすむのは、読書や畑仕事に夢中であるとき、子どもと遊んで笑っているときぐらい。このときばかりは、私も善人に近づく。それらが私の心を洗う。
    ・弘前教会の桜は弘前で一番早く満開になる、という言い伝えがある。明らかにウソ。
    ・私が本を読むとリリが真似る。赤鉛筆まで真似る

2009. 4.12 学期始めは色々と仕事が多い
    ・先週は新入生の一泊合宿。そして今年度から大学生協の「専務理事」に就任。
    ・ジャガイモの種芋とイチゴの苗を植えた。今月中に枝豆、トマト、ナス、シソ、オクラ、シシトウも植えたい。子どもが畑仕事を覚え、今年はかなり助かっている

2009. 4.2
    ・研究に精進した春休みだった。そろそろ体調を整え、新学期に備える。体力勝負、年がら年中、体力勝負。当面の課題は、@畑に苗を植える、A4月末の東北部会報告、BGWの家族旅行、C5月末の全国大会報告。
    ・6才になった長男、色々なことに関心を示す。カレイを調理。こうした主体性・積極性は彼にとって幸せなこと。ヤル気(楽しみを見出す力)は知識ではないので、言葉で教えてやるのは不可能だ。私もその好奇心を見習いたい

2009. 3.22 大阪の母が孫の入学祝いにお金をくれたので
    コータロが欲しがったのは顕微鏡。最近のものは安くて高性能だ。使いやすいし、デジカメで写真も撮れるし、プロジェクター内蔵なので壁に映すこともでき、みんなで楽しめそう。さっそく砂糖、塩、髪、茶葉など観察

2009. 3.18 世俗の価値観はどこかおかしい
    価値観とは、人生の目的設定のこと。例えば「偉くなる」という価値観があるとすれば、一般の社会人にとって、たぶんそれは「出世(ステータス)」や「お金」だろう。私が嫌なのは、この種の価値観が常に「他人との比較」に基づく、優越をめざす点だ。比較からは劣等感(嫉妬)か優越感(天狗)のどちらかが生じる。クリスチャンである私は、この比較をいかにも低俗な堕落、不幸へのロケット・スタートと見なしてきた。
    こうした堕落や不幸から逃れるコツは2つある。第1は、時間の使い方。世俗という悪に触れる時間を最小化すること、つまり隠遁。第2は、自分の価値観をいつも強く自覚し、もっぱらそれをめざして活動すること。今の私の価値観は、自然とふれあい、愛する人々を大事にし、読書に励む静かな人であり、これこそ学生時代から抱いてきた「理想の人間像」だ。
    比較を絶したものこそ、理想にふさわしい。例えば、私が首にタオルを巻いて野良仕事をしたり、子どもと一緒に遊んでいたとする。価値の次元が違いすぎて、人は私を理解できず、笑うかもしれない。それでよい。ただし研究では、油断していると勝ち負けという世俗要素の混ざる危険が常にある。そうなると研究もまた堕落し、苦行になる。だから、いつまでも研究を好きでいるために、いつまでも純粋な研究を求め続ける。おそらく「偉い人」とは、神に愛され、皆に愛される人のこと。卒業生よ、以上が私の最後の説教です
2009. 3.10 将棋セット
    長男が欲しがったので、さっそく買いに行った。将棋は教養でもある。昨日は「穴熊」を教えた。「やぐら囲い」「みの囲い」「棒銀」など、順に教えたい。この種の「遊び=勉強」は他にも多い。スポーツ全般、畑仕事、釣り、山歩き、百人一首。十才までは、そういう遊び=勉強を軸に子育てしたい。私はときどき子どもに「勉強なんかするな」と言う。しかし私が読書する姿を子どもは毎日見ているので、子どもが私の言葉をどう解釈するか、よく分からない。十才までは勉強などしなくてよい。もっと大事なものを日々与えてやりたい

2009. 3.7 ランドセル、届く
    興奮気味のコータロ。私は研究に励む毎日。だいぶ雪が溶け、地面が見え、なんだかウキウキする。早く土を耕したい

2009. 2.27
    関西大のC先生から著書『イギリス保守主義の政治経済学:バークとマルサス』をご恵贈いただいた。7年前、私が院生だった頃、皆で経済学の古典を読んだのを思い出す
2009. 2.9-18
    ・イギリスから帰国。成果は期待以上。余った時間はすべて観光。体はくたくた、足はガクガクだが、心は充実。6日間精一杯やったから悔いなし。さて、真の勝負はこれからだ。旅の成果を最大限活かした論文を書こう。さっそく始めよう。
    ・学会誌『経済学史研究』で、一橋大の山崎さんが私の『ピグーの思想と経済学』を書評してくれた

    ケンブリッジ・ピグーの墓を発見
    ・ケンブリッジ大学マーシャル図書館にて史料収集
    ・フィッツウィリアム博物館
    オックスフォード・町を散策し、オックスフォード大学の各カレッジを巡る
    ・オックスフォード博物館
    ウィンザー・ウィンザー城
    ・イートン校
    ハロウ(Harrow)・ハロー校にて史料調査
    ロンドン・イングランド銀行博物館
    ・大英博物館
    ・大英図書館
    ・テート美術館
    ・ナショナル・ギャラリー
    ・ナショナル・ポートレイト・ギャラリー
2009. 2.8 Sun
    ・職場の健康診断で引っかかったのを無視していたら、督促の手紙が来て、仕方なく初めて胃カメラを飲んだ。異常なし。
    ・ゴムチューブに乗って雪山を滑るのは、かなり激しい遊び。夜の豆まきでは、とうとう赤鬼の正体がバレてしまった

2009. 1.17
    ・週間天気予報は雪マークだらけ。すごい吹雪。雪かきのついでに、庭に「かまくら」を建造中。
    ・リリのピアノ発表会。リハはボロボロだったが、本番は無事にこなし、満足げ。コータロもギターやってくれるかな?

2009. 1.8 『週刊ダイヤモンド』(12月27日号)
    特集「経済学者・経営学者・エコノミスト213人が選んだ2008年のベスト経済書」で、私の本がランキング入り。推薦してくださった大阪府大の近藤先生に感謝
2008. 12.25 〜 2009. 1.7 年末年始を関西で
    家族揃っての帰省は2年ぶり。大阪の私の実家、西宮の妻の実家を拠点にして、和歌山でクエ鍋を食ったり、子どもに和歌山城・大阪城・姫路城を見せたり。行く先々で御馳走を頂いた。格別の正月だった


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