聖ネルフ学園1年の学習旅行の日程は4泊5日。 京都、奈良、神戸、大阪で1泊ずつ泊まって帰ってくるんだけど、泊まるところはどこも一流ホテルか旅館。 さすが聖ネルフ学園よね。 奈良のホテルで泊まった翌日は、バスで大阪の難波に出て、それから一日グループ行動なの。 私はレイとヒカリの3人で行動するんだけど…、どうも様子がおかしいのよね。
様子がおかしいのは、洞木ヒカリよ。 グループ行動を始めてから、時計を見てそわそわしてるの。 これは何か仕出かすわ。間違いない。 大体、ヒカリみたいな嘘のつけない娘が秘密に何かしようというのが間違いよ。 私はヒカリの動向をそれとなく見張ることにしたの。 心斎橋の喫茶店に入って…レイが特大チョコレートパフェを注文したの。 「あの…わ、私、ちょっと…て、手洗いに…」 ぷっ!まるわかりじゃない! 手洗いが奥でにあってバッグも持っていったってことは、出口が2ヶ所あるってわけね。 「レイ、早く食べるのよ!」 「はひ?」 「うっさい。早く食べるの。15秒で食べなさい!」 「ふへっ!」 ま、1分くらいはかかるでしょうが、それくらいのロスは…。 げげ!もう食べ終わってる。まだ10秒くらいしかたってないよ。 「アスカ。ごちそうさま?」 「そ、そうよ!ついて来なさいっ!」 「らじゃあ」 「アンタね。どうせいうなら、ラジャーって言いなさいよ。発音悪いわよ」 「うん、わかった。らじゃあぁ〜」 もういい!どうして英語の点がいいのに、この娘は! いたわ!危ない危ない。もう少しで見失うところだったわ。 レイの胃袋に感謝ね。 さてと、私の推理では、ヒカリはアイツと会うつもりよっ! ま、推理ってのは大げさだったわね。 ここが大阪じゃなきゃアレコレ考えるんだけど、場所がここじゃ答は一つしかないもん。 「ね、アスカ。どこに行くの?」 「ヒカリを尾行してるの。ヒカリはね、彼氏に会うの。彼氏に」 「彼氏?彼氏って男の人?」 「あったり前でしょ。ヒカリも私もノーマルなの。学園のあいつらとは違うの」 「アスカに彼氏いたの?」 「えっ?レイ知らなかったっけ」 「知らない」 あ、そうだっけ。全然覚えがないわ。 そういえば、レイにシンジのこと話したことすらなかったわね。 「いるわよ!最高の彼氏がねっ!」
しかし、なんとまあベタな場所で待ち合わせしてるのよ、あの二人は。 東京に住んでる私でも、この橋の事は知ってるわよ。 大阪名物“引っかけ橋”でしょ。 それに何かイベントがあったら、下の道頓堀に若者が飛び込むって場所よね。 そんな所で待ち合わせなんて…隠れて見張ってるこっちの身にもなってよ。 橋の上じゃなくても声かけてくる奴等が多いんだから。 ま、美少女二人だから仕方がないけど…ろくなヤツがいないわ。全員ペケよ。 ちょっと…早く来なよ、鈴原のヤツ。 ヒカリが可哀相じゃない。橋の上で待たせるなんて。3分置きに声かけられてるよ。 あっ!やっと現れたわね!って、おいおい、高校生になってもジャージ…。 あ、ごめん。鈴原はまだ中学生してるんだっけ。いけないわ。気をつけなきゃ。 うぅ〜、ヒカリの可愛いこと。真っ赤な顔しちゃってさ。鈴原だって、ジャージマンの癖に照れてんの。 「アスカ、あれが彼氏?洞木さんの彼氏?」 「そうよ」 「変テコ…」 ぷっ!やるわね、綾波レイ。一目で鈴原の本質を見抜くなんて。 といっても、ファッショナブルな街の、しかも“引っかけ橋”であのジャージだもんね。 さすがのレイでもわかるか。 「どうするの?」 「もちろん、尾行するのよ」 「お腹すいた…」 「大丈夫よ。どうせ、鈴原のことだからたこ焼きかお好み焼きを食べに行くはずだから」 「それ、美味しい?」 「美味しいわよ。大阪が本場だからね」 「楽しみ…」 ヒカリと鈴原は、げっ!う、腕を組んで…。 信じらんないっ!私とシンジでさえ、腕組んで歩いたことないのに! 腕組んでデートしたいよぉ、シンジぃ…。 二人は顔を赤らめて、こっちに向かって歩いてくるわ。 あ…ホントに自然に歩いてる。鈴原の脚。右足が義足なのに、あんなに自然に…。 よかったね、ヒカリ。 やっぱり、碇のおじ様の技術ってすごいんだ。
「アスカの嘘つき…」 「仕方ないじゃない。あんなに小さな店に入れないわ。二人にばれちゃうじゃない」 「お好み焼き…美味しそう…」 ちょっとレイ、涙目にならないでよ。 「そうね、じゃちょっとここで待ってなさいよ。あそこにたこ焼きの屋台があるから買ってきてあげる。 そのかわり二人の様子を見ておきなさいよ」 「わかった!」 相変わらずのいいお返事だこと。 私はたこ焼きの屋台にダッシュしたわ。 ま、お好み焼きだからすぐには出てこれないでしょ。
「はい、レイ。熱いからはふはふしながら食べなさいよ」 「はふはふ?」 「こうよ!」 私はたこ焼きを口に入れたわ。やっぱり熱いっ!自然に口が冷たい空気を求めてはふはふしちゃう。 その私をレイが真剣な目で観察してるわ。 「わかったわ。たこ焼き…強敵なのね」 レイが爪楊枝でたこ焼きを突き刺して、口に運ぶ。 口に入れた瞬間に目が丸くなった。すぐに口をはふはふさせる。うまいもんじゃない、レイ。 大玉の方にしなくて良かったわ。こっちの大きさなら口の中ではふはふしながら食べれるから。 石造りの花壇に腰掛けて、私たちはたこ焼きと闘ったの。 「は、そうら、れひ、ふはひのようふはろう?」 「はほね、ひはりはぶははまれかれひはもらんやひらっら」 「へ?はにいっへるの?」 う〜ん、やっぱり本場の関西人じゃないから、たこ焼き食べながら会話は難しいわ。 私は口の中のたこ焼きを咀嚼してから、もう一度レイに尋ねたの。 「二人の様子は?」 「はほね…」 「レイ、口の中のなくしてから喋って」 「ふん、わはっら」 ごくんって、この娘大丈夫なの? 「あのね、ヒカリが豚玉で、彼氏がモダン焼きなの」 へえ、なるほどモダン焼きならボリュームがある上に、焼きそばまで楽しめる。 鈴原トウジ。やるわね! ……。 「ね、レイ。どうして二人が何食べてるか、知ってるの?」 「うん、聞いてきたから」 「そう、じゃ、間違いないわね」 「うん、お好み焼き美味しそうだった」 「ふ〜ん」 「もう食べていい?」 「駄目」 「どうして?アスカの意地悪」 「あのね、誰が何を食べてるか聞いて来いって言ったのよ」 「アスカが二人の様子を見ておけって」 はぁ…やってくれたわね、レイ。 相変わらずの天然ボケだわ。 「ね、食べていい。アスカ?」 「ええで、水色の髪のね〜ちゃん。どんどん食べや」 「ありがとう」 早速たこ焼きをはふはふ始めるレイ。 私は声の主を見上げたわ。 「お久しぶりね。ジャージ馬鹿」 「おう!久しぶりやのぉ。暴力女」 「相変わらずのご挨拶ね。成長の後は全然見られないわ」 私は肩を竦めた。 「ほほぉ、わしらの恋路を邪魔しにきたくせに、えらい言われ方やな」 「ち、ちょっと、二人とも…。ね、綾波さんも止めてよ」 「らいじょうぶひょ。ほんきれケンカしてなひから」 「そうなの?」 ぷっ! 私と鈴原は同時に吹き出したわ。 「ははは!この食いしん坊のねえちゃんは結構見る目があるわ。のぉ、惣流」 「そうね。でも、ここでもジャージ?」 「しゃーないやんけ、そらわしかて久しぶりに…その…なんや…、 い、いいんちょと…いや、ヒカリと会うんやから、もうちょっとましな格好と思うたんやけど。 ガッコ抜け出してきたからな。着替える暇あらへんかったんや」 「ふ〜ん、そっか。ま、ばれちゃったら仕方ないわね。 ね、ヒカリ。黙って私たちを撒こうとしたからよ。ちゃんと話してくれればよかったのに」 私の抗議に、ヒカリは手を合わして謝ったわ。 「ごめんね。恥ずかしくて言い出せなかったの」 「いいわ、許してあげる。じゃ、レイ行くわよ」 「おい、ちょっと待てや。みんなで飯でも食わへんか?」 「飯って、今お好み焼き食べたんでしょ」 「あら、おやつみたいなもんや。この近くにごっつい美味しいオムライスが食べれるとこがあるんやけどな」 「行くわ、私」 うわ!レイ、もう食べ終わってたの? 「でも…いいの?ヒカリ、時間がもったいなくない?」 「いいわ。ずっとじゃないでしょ。お昼だけなら、ね?」 そう言って、鈴原を見上げるヒカリの笑顔が何だかまぶしく見えた。 「ほな、行こか。惣流のたこ焼きは道々みんなで食お」 「うん。それがいいと思う」 みんなのじゃなくて、全部レイの胃袋に入りそう…。
「そうだったの。じゃシンジには会えなかったんだ」 「そやねん。わしもセンセに会うの楽しみにしとったんやけどな、全然会えずじまいや」 そりゃあ、会えないわよ。鈴原が行ったときにはもうシンジの心はレイの身体に入ってたんだもん。 あ、でも、鈴原はレイとも会ってないんだ。初対面みたいだから。 実は、鈴原は私やシンジ、それにヒカリと同じ小学校だったの。 で、ヒカリがどこがいいのか、このジャージにLOVEでね。中学の2年のときから付き合いだしたのよ。 シンジがアメリカに行ってる寂しい私に、二人とも気兼ねしていたけど。 ところが中2の3月に鈴原が交通事故で重傷を負ったのよ。 右足切断。 ヒカリのことを気遣って『しゃあない』なんて笑ってたけど、二人とも辛かったと思うわ。 そんな時、人体実験みたいで恐縮だが…って碇のおじ様が鈴原に連絡してきたの。 最新の技術で本物の足みたいに動く義足を付ける手術を受けないかって。 実験みたいなものだから、お金も無料でいいっていうことだった。 鈴原は即決したわ。 この手術とリハビリで留年は決定的になるから、ヒカリはショックを受けたけど、 でも普通に歩けるようになるならって、笑って鈴原を見送ったの。 そして手術は成功。経過も順調で今年の1月に帰国したんだけど、そのまま鈴原は関西に向かったの。 鈴原が渡米した時点でお父さんと妹さんが実家の関西に戻っていたからね。 それで、ヒカリと鈴原は遠距離恋愛となったわけ。 ということで、ヒカリがせっかく大阪に来たんだからって鈴腹は中学校を抜け出してきたということなの。 はい、長い説明は終わりよ。 うん、このオムライス、凄く美味しいわ。
「ほら、見てみ、この足」 鈴原ったら、洋食屋さんから出て、近くの公園で休んでるときにいきなりズボンの裾をめくったの。 嘘…。信じられない…。 「これ…ごめん…義足よね…?」 「せや、わしもはじめて見た時びっくりしたわ。毛がはえとるんやから」 「どうして?リアルに見せるため?」 「ちゃうねん。これ、毛が伸びるねん。でな、怪我したら血も出るんや」 私は絶句したわ。 ヒカリも話は聞いていたんだけど、実物を見るのはこの時がはじめてだったから驚いてる。 帰国したときは包帯で隠していたからだって。 顔色を変えてないのはレイだけ。 「あらぁ?そっちのねえちゃんは驚かへんねんな」 「そういうのよく見てたから。驚かない」 「あ、レイは鈴原の行ってた研究所にいたの。碇のおじ様おば様のところに」 「へえ、せやったんか。せやけど、一遍も会わんかったな」 「私も知らない」 「ま、わしはほとんど病院の方やったからな。それでやろ」 「たぶんそう」 「レイも知ってたんだ。この義足のこと」 「足だけじゃないわ。手も、顔もあった」 「か、顔っ!」 3人は声を揃えて叫んだ。鈴原もこのことは知らなかったみたい。 でも、レイは平然とした顔で話すの。 「そう、顔。おかしくはないわ。顔を怪我したら、顔が要るもの」 「そりゃ、そうだけど…」 理屈ではそうでも、私が想像したのはフランケンシュタインの世界よ。 何だか急に、碇のおば様がマッドサイエンティストに思えて来たわ。 「そらでけんことはないわな。足かって再生できるんやから…」 「再生?」 「あ、しもうた。この話他言したらあかんで。センセのとこのおっちゃんとかが困るさかいに」 「そう、まだ学会で認可されてないから。人体に使ったことがわかると問題になるの」 「それって…クローン技術の応用?」 レイと鈴原がうなずいたわ。 「そっか、ママたちがしていた研究を発展させてたの…」 ヒカリだけが話題についていけずに怪訝な顔をしている。 その顔を見て、私はヒカリと鈴原に残されたデートの時間を思い出したわ。 「あ、ごめん!ヒカリ!あんたたちデート中だったわね」 「で、デート!そ、そやな、これはデートちゅうやつになるんやな」 さっきまでの真面目な顔は吹っ飛んでしまって、鈴原は真っ赤な顔になっちゃったわ。 ヒカリも一緒。おそろいの赤い頬を並べてる。 「さあ、レイ。行くわよ。今度はお好み焼きでも食べましょ」 「うん、行くわ。私」 「ヒカリ、楽しんできてね」 「うん…」 「集合時間に遅れたら駄目よ。それと、集合場所に向かってるときにはぐれたってことにしましょ」 「アスカ、ごめんね」 「すまんな、惣流」 「いいわよ。じゃあね!」 私は初々しい二人に手を振って、レイと公園から出て行ったわ。
適当に入ったお好み焼き屋さんだったけど、結構美味しいわ。 東京にいたときの鈴原に『大阪の食いもん屋はチェーン店はあかんで』って聞かされてたから 街角の小さなお店に入ったんだけど、大正解。 まあ、このにこやかな顔を見てたら、レイの意見はすぐわかるわよね。 自分の世界に入ってるレイは置いておいて、私はさっきの話題について考えたの。 それで鈴原が関西にそのまま行ったわけがわかったわ。 あの時はヒカリに直接会わないで冷たいヤツって怒ったけどね。 因みに当のヒカリは関西空港に出迎えに行って、1週間ほど東京に帰ってこなかったんだけど。 鈴原があんな足で元いた場所に戻ってきたら大騒ぎになっちゃうものね。 切断したはずの足が、また生える…ってトカゲみたいな表現だけど仕方ないわね…生えてるんだもの。 どうなってるのかアメリカの方に問い合わせが入っちゃうもの。 そうなったら、研究は強制的に中止。たぶん、碇のおじ様もおば様も刑事罰になっちゃうわ。 クローン技術は国際的に禁止されたんだもん。 「アスカ。もう一枚いい?」 「いいわよ」 生返事でレイに応えた私は、鈴原にあの足をくれたおじ様に感謝したわ。 息子の友人の事故につい手を差し伸べちゃったのね。 あの風貌では考えられない優しさね、まあ、シンジのパパだから当然か。 でも…。レイが結構知っていたのにはちょっと驚いたわ。 研究所で育ったんなら、当然ともいえるけど。 なんかレイの雰囲気と合わないのよね。天然ボケだから。 あ…、だけどさっきのレイは少し雰囲気が違ったわね。 何かママとかおじ様おば様と似た感じだった…。つまり、科学者、みたいな…。 理数系が得意だから、そういう表情とかが似通うのかな? そういや、ママはどうして研究を止めたんだろう? 「アスカ、もう一枚いい?」 「いい…わけないでしょ。食べ過ぎ」 「ぷぅ…」 あのね、声に出して膨れるんじゃないの。可愛いじゃない。
結局、観光地にはどこにもいけなかった。 そのあと、道頓堀をうろうろ歩いて…。 レイったらもの欲しそうに、大きなカニが動いてる看板を睨んでるの。 ちょっとカニを食べる気にはなれないわね。 だから、食いだおれ人形と記念写真を撮るだけで満足させたわ。 この人形を美味しい物好きの神様って嘘ついちゃった。 ごめんね、レイ。 大阪ではシンジのためのお土産夜食は買うのを止めたわ。 だって、たこ焼きもお好み焼きも冷えてるのは美味しさが伝わらないもん。 だから、いつか一緒に大阪に来ようね、シンジ。 鈴原にも会えるんだから。
シンジはお土産がなかったから、ちょっと膨れてたわ。 レイそっくり…って、レイなんだけどね。 でも、いつか一緒に食べに来ようってこっそりと囁いたらにっこり微笑んでくれたの。 やっぱり、シンジ大好き。 でもって、今晩はヒカリに気を使って早めに寝ることにしたの。 だって余韻は一人で楽しみたいでしょうから。う〜ん、私ってなんて理解力があるんだろ!
次の日は全員で午前中を大阪城見物。 それから、神戸へバスで移動したの。 異人館を見物して…ホテルに入ったわ。 港の見えるホテルで、ここも貸切だった。 そして、綾波レイの学習旅行中における最大のイベントがやって来たわ。 4日目の晩御飯は、中華料理のバイキング。 好きなだけ食べれるのよ。 私、面倒見ないからね。お腹が破裂しても知らないから! 食べる食べる。 男性の教師も目を白黒させていたわ。 あの華奢な身体のどこに入っていくのか…。 この日、レイ・ザ・ブラックホールストマックの伝説が聖ネルフ学園に誕生したの。 さすがに自分の部屋に戻ってからのレイはレストランのようにはしゃいではいなかったわ。 ベッドで仰向けになっていたの。 食、べ、過、ぎ、よ。馬鹿ね。 マヤちゃんが心配して身に来てくれたけど、 レイったら帰りの新幹線の駅弁の話をしていたからどうやら大丈夫そうね。 でも、これで体調がおかしくなったのか、シンジが出てきてくれなかったの。 恨むわよ、レイ。
さて、この学習旅行も最終日。 最終日で唐突に午前中はレポート作成なんだから、変な日程。 ま、ずっと関西の観光地を駆け足にしたんだから、疲れてるのは間違いないわ。 さっさとレポート終わらせましょ。 私はありきたりだけど、建造物とその歴史的背景ってテーマ。ヒカリも似たような感じ。 ところが、レイは突拍子もないテーマでレポートを書いたわ。 『関西の名物料理とその背景』 これが今回の特賞をとっちゃうんだから、レイって凄いわ。 帰りの新幹線でも、駅弁パワー全開だったし、 今回の学習旅行はレイにとって凄くいい想い出になったんじゃないかしら。 う〜ん、ヒカリも鈴原とデートできたんだから文句はないよね。 じゃ、私は? 何だかレイのお守りをずっとしていたような…。 それに、シンジが初めて出てこないなんて一幕もあって、へこんじゃったりもしたし…。 よく考えたら、おいしくなかったってこと…? でも…うん、楽しかったからいいか。 よし!レイじゃないけど、私も駅弁2個食べちゃお! 実は新神戸の駅で“しゃぶしゃぶ弁当村雨”なんて凄い駅弁をゲットしてたんだ。 あとは、行きの新幹線で目をつけていた浜松駅の“あつあつまぶしうなぎめし”を食べるの! レイの食欲がうつっちゃったかな?
このとき…。 東京に帰ってから、私とレイの関係に大きな変化が訪れることを 神ならぬ身の私は知る由もなかったの…。
第9話 「レイちゃんの食いしん坊万歳!大阪編」 −終−
<あとがき> ジュンです。 第9話です。学習旅行の最終回です。 大阪といえばこの男、鈴原トウジが登場しました。 勘のいい方はそろそろオチがわかってきたと思います。 お願いだからオチがわかっても掲示板には書かないでね! それと駅弁についてはYahooの検索で調べました。画像付のもあって調べていて面白かった。 実は私が食べたことのあるのは、“シュウマイ弁当”と“しゃぶしゃぶ弁当村雨”。 この“しゃぶしゃぶ弁当村雨”は本当に凄い!まあ2000円ですから、当然かな? さて、次回はトウジに続いてあの男が登場します。 実は私のSSでちゃんと登場するのはこれが初めてというこの男。もう、おわかりでしょう。その名は…! 2003.1/19 ジュン |
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