10000HIT記念投稿 ちょっと、そこのアンタ! 2003.03.26 テ ツ |
アンタよアンタ
今暇よね!?暇なんでしょ!?
ちょっとアタシの話を聞きなさいよ!!
この間の学校帰りに
アタシはシンジを映画に誘ってあげたのよ
別に前から約束していたとかそういんじゃなくて。
平日なのに早めに学校が終わって・・・
ヒカリも相田達も先に帰っちゃって・・・
で・・・それで・・・さ。
その・・・一緒に帰ろうって事になるじゃない?
だって帰る方向が一緒だし・・・・
で・・・その・・・その日はシンジの奴が食事当番だったし・・・
あ・・・そうじゃなくても・・・そうなんだけど・・・
とにかく!!シンジはその日、食事の材料を買いに行かなきゃいけなかったのよっ!!
そこでスーパーに寄り道することになったわけ
で・・・ね・・・その・・・せっかく寄り道したんだしぃ・・・
その・・・い、一緒に映画でも見ようかって・・・
だ、だって仕方ないじゃない・・・早く帰ってもやることないじゃない!?
別に前からいきたかったとか、そんなんじゃないのよ!?
暇で暇でしょうがなかったから仕方なく誘ってあげたのよ?
偶然スーパーのすぐ近くに映画館があったのよ?
買い物にだってそのまま帰っても暇だから仕方なくついて行ってあげたのよ?
本当だからね!? ちょっとアンタ、ホントに判ってる?
・・・まぁいいわ。
でね、スーパーから映画館に向う途中
当然のことだけどアイツが買い物袋とかの荷物を持ってたわけ
なんか、アイツ重そうにしてたし、アタシも学生鞄しか持ってなかったから
・・・片手も空いてたし。
「しょうがないわねぇ、ほら、手伝ってあげるわよ」
って言ってあげたのよ。
そしたら・・・
なんとアイツ断ったのよ!?信じられない!!
「大丈夫だよ、これくらい。」
ですって!?
このアタシが手伝ってやろうって言ってるのに!!
とっても大きなビニール袋を両手に持ってさ
手に袋が食い込む程重い荷物を持ってるくせに
はんっ!!
なにが大丈夫よ?
汗だってかいてたくせに
手も震えていたくせに
本当は重かったのに痩せ我慢しちゃってさ
そんなにアタシのこと信用できないっていうの!?アイツは!?
素直にアタシが持ってあげるって言ってるんだからおとなしく言うこと聞けばいいのよっ!!
そしたら・・・
辛い思いもせずに済んだろうし・・・
汗なんかかくほど苦労しなかったろうし・・・
荷物の重みで手に跡が付く程に袋が食い込んだりしなかったろうし・・・
べ、別にアイツのことが心配だったわけじゃないのよ!?全然。
でも・・・
あんな奴でも貴重なパイロットだし・・・
家じゃ家事とかもアイツがしなきゃいけないし・・・
もしアイツが手を痛めてアタシの料理作れなくなったり
アタシが入るお風呂の準備ができなくなったり
悪化して病気になったりしたら大変でしょ?
ま、もしアイツが病気になったりしたら少しくらい看病してやってもいいわね
熱がでたら額に冷やしたタオルくらい添えてあげるし
まめに交換くらいしてあげてもいいわね
おかゆくらいなら食べさせてあげるし・・・
おでこで熱くらい測ってやってもいいのに・・・
あぁ、もぅ!!!
なんでアイツは病気になったりしないのよっ!?
このアタシが付きっきりで看病してあげるってのに!!
学校?そんなもん休むに決まってるじゃん。
大卒のアタシがなんで中学生やんなきゃいけないわけぇ!?
え?
じゃなんでいつもは学校に行ってるのかって?
アンタなんにも解ってないのねぇ・・・
友達に会いに行ってるだけに決まってるじゃない!!
え?
じゃなんでシンジが休むときは行かないのかって?
う、うっさいわね!細かいこといちいち気にするんじゃないわよ!
・・・・。
ちょっと話がずれたわね・・・えぇ〜と、そうそう。
その後アタシとシンジは映画館に行ってさ
映画を見たのよ
でもアタシはその映画をもう既に一度見たことがあってね
内容も知ってるからついウトウトしちゃったのよ
隣を見るとアイツもこっくりこっくりしてるの
アタシは仕方ないからアイツがもし寝ちゃってアタシの肩にもたれかかってきても
大丈夫なようにしっかりと準備までしてあげたわ
こう・・・肩の埃を掃って、髪の毛も揃えてやってさ
だって仕方ないじゃない!?アイツが眠そうだったんだもん
そこでアタシが仕方なく肩を貸してやろうってわけよ
なのに・・・
なんでアイツはまだもたれかかってこないわけぇ!?
このアタシがいつでも大丈夫なように準備して待っててあげてるっていうのにっ!?
あぁ〜、もぅ!!さっさと寝ちゃいなさいよ!!バカシンジ!!!
ふんっ!!
・・・っしかし退屈な映画だったわ。
誰よ!?こんなつまんない映画見ようなんて言った奴は!?
アタシまで眠くなっちゃったじゃないのよ・・・。
横を見たらアイツは必死で睡魔と戦ってた。
でもアタシは・・・結局睡魔に負けちゃった。
・・・気がついたらアイツの肩にもたれかかってアタシの方が寝ちゃってて・・・
そ、その後・・・せ、せっかくだしさ、アイツの肩借りて寝てる振りしてあげたのよ
だってアイツ・・・なんだか嬉しそうな顔してるから・・・
だからアイツのために仕方なくね・・・
・・・アタシもなんだか気分が良かったしね
いつもご飯を作らせてやって、お風呂も入れさせてやって
その上アタシの枕にしてあげるなんてアタシって優しいと思わない!?
まぁ、すぐに映画が終わっちゃったからいつまでも寝た振りしてあげられなかったんだけどね
ったく、なんでもっと長く映画を作らなかったのかしら!?
せっかくアイツの肩で寝られたのに・・・じゃない!!
せっかくアイツにアタシの枕をさせてあげてたのにっ!!
まぁいいわ。今度また映画に行くときはもっと早く寝てやるんだからっ!
・・・でも今度行くときはアイツから誘ってくれないかな?
それで映画も見たし、そろそろ帰ろうかってことになったの。
もう少し寄り道していたかったけど、もう辺りが暗くなりはじめてたのよねぇ・・・。
ったく、なんであの映画はあんな長く作ったのかしら!?
もっと早く終わっていればもっと買い物とか出来たかもしれないじゃない!?
しかもぶつぶつ文句を言いながら映画館から出たら、なんと外は雨が降ってたのよ
アタシは鞄から折りたたみ傘を取り出したんだけど
アイツはバカだから傘持ってきてなかったのよ。
ま、たとえ傘持ってきててもアイツの両手は荷物でふさがってたんだけどね。
そこで仕方ないから傘に入れてやるって言ったら
「これぐらいの雨、全然平気だよ」
って言うのよっ!?
これぐらいの雨ぇ!?
ドシャ降りじゃない!?
それに寒冷前線通過に伴った雨なんだから気温もグングン下がってるじゃない!?
そんな中雨に濡れて帰ったりしたら風邪ひくに決まってんじゃない!?
高熱で何日も苦しむんだから!!
あ、でも・・・やっとアイツが病気になってくれるのかな・・・。
ちがう!!そんなこと考えてる場合じゃないわっ!!
「いいからとっとと入りなさいよ!!夕飯の材料濡らすつもりぃ!?」
アタシはそう言って無理やりアイツに傘の中に引きずり込んでやったわ。
もしアイツが風邪ひいたりしたら大変なんだから!
も、もしアイツが風邪ひいたりしたら・・・
アタシが熱を測ってあげなきゃいけないし・・・
アタシがタオル濡らしてあげなきゃいけないし・・・
タオルもまめに交換してあげなきゃいけないし・・・
お粥とかも作ってあげなきゃいけないし・・・
熱くて食べられないようなら、ふぅ〜ふぅ〜してあげなきゃいけないし・・・
もし辛くて夜眠れなくなっちゃったらアタシが傍に居てあげなきゃいけないし・・・
もし寂しいようだったら手ぐらい握ってあげなきゃいけないし・・・
もぅ!?アンタはアタシにこんな大変なことさせる気なわけぇ!?
アイツはアタシに何か恨みでもあるのかしら!?
ふん、アイツ思いどうりになっちゃたまんないからね!!
そのまま相合傘してあげて帰ったわ
でも・・・アタシの傘は折りたたみ式で小さいのに・・・
なんでアイツは離れて歩くのよっ!?
アイツ半分近く傘からはみ出してるじゃない!?
もぅ!!アイツはそんなにアタシに看病して貰いたいわけぇ!?
「ちょっと、もっと近寄らないと傘の意味がないじゃないっ!」
「あ・・・うん。」
そう言ってようやくアイツはアタシの方に寄ってきた
それでもアイツはまだ傘からはみ出てる
アイツの肩が濡れてる。
あ、アイツ震えてるんじゃん!?
ちょっと、寒いんじゃない!?
でもこの小さい傘じゃどうしてもどちらかが濡れちゃうみたいね
し、仕方ないわねぇ・・・
こうなったら・・・
もっと寄り添うしかないわっ!!
お互い雨に打たれないためにはそれしか方法がないのよっ!!
さ、アイツに気がつかれないようにそっと寄らなきゃね。
ようやくアイツは完全に傘の恩恵を受けられる位置についた
アタシとアイツは密着寸前だったけどね・・・
ま、とにかくこれでアイツが風邪ひくことはないわね
はぁ、折りたたみ傘って大変ねぇ。
こんなに近寄ってあげなきゃいけないなんてさ
まったく、感謝しなさいよね!!
・・・。
ん・・・?
な、なんだか暑いわね・・・
さっきまで気温も低くて寒かったはずなのに・・・
し、シンジに近寄ってから・・・
とっても顔が暑い・・・
アイツがすぐ隣にいる・・・
アイツの心臓の鼓動が聞こえるくらい近くに・・・
アタシの心臓の鼓動・・・こんなにドキドキして・・・アイツに聞こえてないでしょうね!?
アイツの顔がすぐ横にある・・・
アイツの体温を感じるくらい近くに・・・
アタシの体温・・・こんなに暑くて・・・アイツに感じられちゃってたりしないでしょうね!?
あぁ、頭がクラクラする・・・
も、もしかしてアタシ、熱でもあるのかな?
うぅ・・・家に帰ったらすぐに寝なきゃね。
アイツに体温測らしてやって
タオルを濡らさせてやって
まめに交換させてやって
もし、寂しかったらアイツに傍にいさせてやるわよ
辛かったりしたら手を握らせてあげるわよ
まったく、アタシは病気の時もアイツに気を使ってやらなきゃいけないわけぇ!?
ホントにしょうがない奴ね!!
帰ったらたっぷり看病させてあげるわよっ!
で、今何してるのか、ですって?
決まってるじゃない!仕方ないからアイツに看病させてあげてるのよ。
だってアイツを傘に入れてあげたらこうなったのよ!?当然じゃない!!
ほら、この頭にのってる濡れたタオル、アイツが絞って置いてくれたのよ。
あと、そこのお茶碗、さっきまでアイツが作ってくれたお粥が入ってたんだからっ!
そこに置いてあるスプーンだって、アイツがアタシにお粥を食べさせてくれた時に使ったんだから!
それに、見て!この手!!
今夜寂しくなったらアイツに握ってもらう手なんだからっ!!
それにしても・・・この熱、全然下がらないわぇ。
アイツが付きっきりで看病してるのに・・・。
ねぇ、アンタ?なんでだと思う?
あ、アイツが来た
おでこの上に乗ってるタオルをまた濡らしに来たのね
ギュッ
っと水につけたタオルを絞って、
アタシの前髪をどかして、
そっと、優しくタオルを置いてくれて、
ひんやりして気持ち良い。
だけど・・・
あぁ・・・余計に頭がくらくらするわ・・・。
顔も真っ赤じゃないのよぉ・・・。
はぁ・・・仕方ないわね。
もうしばらくアイツに看病させてあげることにするわ。
じゃね。
〜〜〜〜〜〜あとがき〜〜〜〜〜〜
ここまでお付き合いいただきありがとうございます
アスカ一人称にチャレンジしてみましたがいかがでしょうか?
10000HITお祝いがこのような電波まがいもので申し訳ないですm(__)m
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<アスカ>テツ様から、10000HIT記念SSを頂いたわ!
<某管理人>うわっ!おおきに。ありがとうございます。
<アスカ>テツ様ってアンタの作家デビューのときからのお付き合いよね!
<某管理人>はいな。ターム様のサイトでの同時デビューですわ。
<アスカ>親子ほど年が違うくせに!
<某管理人>え!テツ様ってそないに年いっとったん?
<アスカ>アンタがおっさんなんでしょうが!うら若き青年を勝手に年寄りにしたてるな!この馬鹿っ!
<某管理人>ぐげっ!ぎゃっ!
あ〜あ、また再起不能になっちゃった。
シンジだったらすぐ復活してくれるのに(はぁ〜と)。
で、でも、この状態になっちゃったら、私はなかなか復活できないわよねぇ。
まあ、完治するまでずっとシンジに世話してもらうからいいわ。
そうそう、熱が下がっても、いつ再発するかわかんないから、シンジにずっとそばにしてもらわなきゃ!
え?恋の病は完治しないですって?あったり前じゃない!私たちの愛は不滅なのよ!
だから、死ぬまで…ううん、死んでもシンジに世話してもらうのよ!
テツ様、ホントにいいお話をありがとうございました!