女が見ていた

 角川文庫・初版 昭和50年8月30日 解説:中島河太郎

  女が見ていた  本文346P
  

 ノンシリーズ長編。
 妻とけんかした男が銀座で飲み歩いていた間に、その妻が銀座のバーで殺害された。容疑をかけられた男の無実を証明できるものは、何故か男を付回していた謎の3人の女しかいなかった。
 金田一耕助が登場しない、サスペンス調ミステリー。いかにも2時間ドラマ的な題材なのだが、制作されたことはありません。

 

 この頃は事前情報などなかったから、この作品には金田一耕助が出てこないと知らずに読み進んでいた。だから読了後に物足りなさを覚えてしまったのだが、最初からそのつもりで読むと、逆に『迷路の花嫁』などよりすっきりしています。すっきりといえば、この表紙絵も帯がないとバランスの取れた絵なのですが、当時はHOTBOOK帯が付いていたので、サングラス部分だけが強調されて違和感があります。

 

 

 

 

 

 

 

表紙絵メニューへ            次の作品へ