黄金の指紋

 角川文庫・初版 昭和53年12月25日 編集構成解説:山村正夫

黄金の指紋 本文229P

 横溝正史の長編ジュブナイル。
 東京から岡山の下津田に遊びに来た邦雄少年は、難破船の遭難者から黒い箱を預かる。その男は胸を拳銃で撃たれていて、すぐに絶命した。「この箱を金田一耕助に渡してくれ」と言い残して…。
 この作品には、怪獣男爵が再登場して、金田一耕助と対決をします。この角川文庫の横溝ジュブナイルは、オリジナルに山村正夫氏の手が入れられていますので、読んでいて違和感を覚えるときがあります。この『黄金の指紋』は昭和26年に書かれています。だから、元公爵の後継ぎという話の展開と、作中に出てくる新幹線ひかり号のギャップが大きいのです。

 

 この表紙絵は大好きです。仮面から覗く眼といい、黄金の燭台の描写、そして指紋と、ぜひ帯を外して見てもらいたい表紙です。

 

 

 

 

 

 

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