丹夫人の化粧台
角川文庫 平成30年11月25日
山名耕作の不思議な生活
川越雄作の不思議な旅館
双生児
犯罪を猟る男
妖説血屋敷
面(マスク)
舌 |
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白い恋人
青い外套を着た女
誘蛾燈
湖畔
髑髏鬼
恐怖の映画
丹夫人の化粧台 |
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日下三蔵が編んだ傑作選。
表題の『丹夫人の化粧台』は角川文庫第47巻『山名耕作の不思議な生活』に収録されていました。
美貌の未亡人をめぐって決闘をした青年の死から始める物語。彼が遺した最後の言葉「気を付けろ。丹夫人の化粧台」とはどういう意味か。そして遺書に書かれた謎の文章とは?
何故この時期にこういう傑作選なるものが編まれたのか。横溝正史賞にミステリーだけでなくホラー小説も含まれることになったから、という事らしい。正直に言うと、私にとっては経緯はどうでもよく、杉本画伯の表紙絵を見ることができる、ただその一点に絞られるのです。
『髑髏鬼』は角川文庫版初収録です。
大きな化粧鏡に映る…いや、映っているのではなく、鏡のその向こう側から美青年がこちらを見ている。それだけではなく、鏡からぬっと突き出てくる、病的な手。血を塗られたかのような赤い爪が犠牲者に向けられている事がよくわかる。
素晴しい表紙絵なのに何か違和感。そうなのです。角川文庫の横溝正史+杉本画伯表紙のパターンを崩しているからこその違和感なのです。
これは『金田一耕助のモノローグ』と同じなのです。
そう、黒い縁取りが、ない…!!!
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