横溝正史生誕百十周年記念復刻

人面瘡

 角川文庫・二十八版 平成24年5月15日 解説:なし

睡れる花嫁
湖泥
蜃気楼島の情熱
蝙蝠と蛞蝓
人面瘡
本文49P
本文103P
本文69P
本文28P
本文87P

 金田一耕助の名作中短編集。
 岡山の湯治場に磯川警部と訪れた耕助は、夢遊病の美女を目撃する。その彼女が自殺を企てた。妹を二度殺したと書き残して。そして命を取り留めた彼女の腋の下に発見されたのは、世にも奇妙な人面瘡だった。
 上記の『人面瘡』のほか、全5作が収録されています。

 表題の『人面瘡』はもともとは『不死蝶』の同時収録作品でした。そのペ−ジはこちら。今回のファイルシリーズでは『不死蝶』は外れてしまいました。

 

 金田一耕助ファイルシリーズで再編成された中短編集でしたが、なんと16年を経てフルサイズ表紙絵となりました。もちろん大きなサイズで見ることができるのも嬉しいのですが、何よりも表紙デザインですよ!タイトルを飾っている丸3つとその対角線にある作者名と角川文庫の配置の妙。これですよ、これ。これが金田一耕助ファイルシリーズにはなかったんです。これ、人面瘡の文字の周りが丸ではなく四角だったら?また色合いやグラデーションにしてもそうですね。文字を含めた全体のバランスを楽しめるのも表紙絵の醍醐味だと思います。ファイルシリーズの方と見比べていただければ違いがすごくよくわかると思いますよ。
 またサイズが左右に広がったことでファイルシリーズのときに感じていた詰め込み感がなくなって、作品内容に沿った哀愁感といった印象がより強くなってます。

 

 

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