日本最初の相続税
日本の相続税は、日露戦争の戦費をまかなうことを目的に、1905年(明治38年)1月に生まれ
ました。
当時の課税最低限は、家督相続の場合は1000円、遺産相続の場合は500円、時代を反映し
軍人の戦死については税免除となっていました。
世界最初の印紙税
印紙税が誕生したのは、1624年オランダです。
スペインとの独立戦争で財政が窮乏していた当時のオランダは、財源をうまく調達する方法はない
かと考え、「国民に重税感を与えない税金を考案した者には賞金を出す」という新税アイデア募集
をしました。これに応募して当選したのが、ヨハネス・ファン・デン・ブルックという税務職員で、内容
は、「法律上、重要な書類にはスタンプの押捺を受けさせ、その際には税金を納めさせる」というも
のでした。
印紙税は1660年デンマーク、1673年フランス、1694年イギリスと各国に採用されていき、日本
では1873年(明治6年)に採用されました。
日本最初の所得税
日本の所得税は、1887年(明治20年)に直接的には、清国との戦争に備えて軍艦を建造する費
用が必要であったこと、北海道物産税を政府公約によって軽減するための財源が必要であったこ
とですが、国家収入の増加や農民と商工業者の税負担を公平にすることを目的に導入されました。
当時の税金は、地租と酒造税とが大部分を占めており、地租は主として農民が負担し、酒造税は
一般大衆が負担していました。
農民と商工業者、貧乏人と金持との間の不公平を緩和するための課税として、所得税が採用され
たのでした。
世界で8番目の創設で、当初は年収300円以上の人だけが対象でした。
その結果、納税者は全国で約12万人(当時の人口の約0.3%)と非常に少数だったので、別名
「名誉税」とも呼ばれたそうです。
世界最初の所得税
世界で初めて所得税制度を導入したのは、18世紀末のイギリスでした。
当時の首相ピットが、ナポレオン戦争で膨張した戦費をまかなうために、1799年個人の総所得に
10%の比例税率を課するという、世界で初めての所得税法を制定しました。
次がスイスで1840年、イタリアが1864年になります。
なおアメリカは、1862年南北戦争のときに所得税を創設しましたが、人頭税を禁ずる当時の憲法
に違反するということで、翌年に廃止されてしまい、実際に採用されるのは第一次対戦中のことに
なります。
宝くじと税金
宝くじは、世界各国では「富くじ」と呼ばれ、日本でも富くじは江戸時代さかんでした。
しかし、明治時代になると禁止され、その後発行されませんでしたが、第2次世界大戦末期の昭和
20年7月戦争の費用をまかなうため「勝札」という名称で再び発行されました。これが、戦後復興
資金をまかなう目的に変わり、日本最初の宝くじが昭和20年10月に発行されました。
当時は、1枚10円で1等が10万円、抽選会は翌11月、東京日本橋の三越百貨店でベートーベン
の「運命」が鳴り響く中行われたそうです。
さて、日本の宝くじは、「当せん金附証票法」という法律で非課税とされていますが、外国の宝くじは、
一時所得として所得税、住民税がかかります。
動物にかかった税金
・「犬税」は江戸時代の「犬銀」にさかのぼり、昭和30年には法定外普通税として、全国で2686の
自治体が課税していました。昭和57年に長野県・四賀村が課税制度を廃止したのを最後に姿を
消してしまいましたが、四賀村は当時、犬1頭につき300円を課税し、約15万円の税収をあげて
いました。
・明治6年の「馬税」は、馬1頭につき1年間で3円、商売用の馬だと半分の税金がかかっていまし
た。
・明治6年東京府の「うさぎ税」は、うさぎ1羽につき月に1円の税金がかかっていました。
当時は、外国からどんどん珍しいうさぎが入ってきたせいか、うさぎで一儲けしようという人が沢山
出てきて、うさぎの値段がどんどん高くなり、その値段を下げるために税金がかけられたようです。
身長の高さで納税
宮古島(沖縄県)の荷川取海岸には「賦計石」と呼ばれる人頭税石(高さ143cm)が残っています。
この島では昔、身長がこの石の高さに達すると、男は粟、女は布を納めなければならず、この高さ
になると納税年齢に達していると見られました。
税金のまったくない国
1968年に独立した南太平洋上にある世界最小のナウル共和国。
この国は人口約9300人、周囲が20Kmにも満たない小さな島国ですが、世界有数のリン鉱石
(海鳥のフンなどが数百万年たい積したもので、リンやリン酸肥料の原料になる。)産出国で、税金
は一切なく、医療費も義務教育費もタダという税金天国。
ところが、貴重なリン鉱石も無限にあるわけではなく、今のペースでとり続けると将来なくなる恐れ
があり、ナウル共和国でも税金の制度をもうける可能性があることを憲法で規定しています。
(ナウル憲法第60条)。
イギリス最初の税金
イギリス最初の税金は今から約1000年前、海賊を追い返すために人々からお金を集めたデーン
税といわれています。
日本最初の税金
日本の税金について書いてある一番古い記録は、中国の「魏志倭人伝」。
それによると、2〜3世紀ごろ日本にあった邪馬台国には、集めた租税を納める建物(収租賦有邸
閣)があったと書いてあり、3世紀ごろには、すでに税金の制度があったと考えられています。