誤りの多い所得分類

所得税法は、所得を10種類に区分して、それぞれについて所得計算の方法を定めています。
そのうち所得区分が難しい誤りの多い所得について、主な例を挙げます。

課税所得

利子所得 ・事業用運転資金の預金利子
配当所得 ・私募証券投資信託の収益の分配
不動産所得 ・アパート、下宿等で食事を供さない場合
・ケース貸し
・土地、家屋の屋上又は側面、へい等にネオンサインや広告看板を取り付けさせる
ことによって受ける使用料
・保養目的のリゾートホテルの一室を利用しない時に貸し付けた場合
・借地契約の更新料で更地価額の2分の1以下のもの
・事業として行なわれるアパート経営など
事業所得 ・商品などが損失を受けたことにより受取る保険金、損害賠償金
・公共事業の施行に伴う休業補償
・事業用固定資産の固定資産税の前納報奨金
・中小企業倒産防止共済契約を解約したことにより受取る解約手当金
・事業用の棚卸資産を自家消費した場合
・消費税の還付金
・食事を提供する下宿の場合 (又は雑所得)
・不動産業者が販売の目的で取得した不動産を一時的に貸し付けた場合
・浴場内、飲食店内の掲示広告の収入
・モータープールで管理責任等のサービスをしている場合 (又は雑所得)
・金融機関以外から受け取る貸付金の利子 (又は雑所得)
・季節の終了とともに解体、移設又は格納することのできる簡易な施設(バンガロー
など)の貸付け (又は雑所得)
・保有期間5年以内の山林の伐採や譲渡 (又は雑所得)
・使用可能期間が1年未満の減価償却資産の譲渡
・取得価額が20万円未満(平成10年までに取得)の少額減価償却資産の譲渡
・取得価額が10万円未満の少額減価償却資産の譲渡
・有価証券の先物取引(又は雑所得)
給与所得 ・役員に支給される交際費のうち、事業のために使用したことが明らかでないもの
・一定限度を超える通勤手当
・レクリエーションの不参加者が受ける金銭
・使用者から借入金の免除を受けた場合等の経済的利益
退職所得 ・適格退職年金契約の解約一時金
・労働基準法第20条の規定による解雇予告手当
・厚生年金基金等から支払われる一時金で、加入員の退職に基因して支払われ
るもの
山林所得 ・緑のオーナー制度に基づき分収する金額
譲渡所得 ・借地契約の更新料で、更地価額の2分の1を超えるもの
・生活に使用する動産のうち貴石や貴金属、書画、骨董などで1個又は1組の値段
が30万円を超えるものの譲渡
・事業用固定資産の売却
・株式、出資形態によるゴルフ会員権の売却
一時所得 ・事業用以外の固定資産の固定資産税の前納報奨金
・死亡後3年を超えて支給が確定した退職手当金等
・懸賞の賞金
・福引の当せん金品
・不動産売買契約の解除に伴う違約金
・外国の宝くじの当せん金
・生命保険契約等に基づく一時金
・長期総合損害保険の満期返戻金
・立退料 (又は譲渡所得、事業所得)
・競馬の馬券の払戻金、競輪の車券の払戻金
・労働基準法の規定により支払を受ける付加金
・法人からの贈与により取得する金品
・人格のない社団等の解散により受ける清算分配金等
・遺失物拾得者又は埋蔵物発見者が受ける報労金
・遺失物取得又は埋蔵物の発見により新たに所有権を取得する資産
10 雑所得 ・定期積金又は相互掛金の給付補填金(源泉分離課税)
・学校債、組合債等の利子
・国税又は地方税の還付加算金
・名義書換え失念株の配当
・個人である株主が受ける株主優待乗車券等
・土砂等を自分の所有する土地に捨てさせた場合に受取る謝礼
・不動産を担保に提供した際に受取る謝礼
・就職支度金(10%の源泉徴収が必要)
・役員又は従業員が取引先から受取るリベート
・公的年金等
・事業から生じたものでない原稿料、印税、講演料、放送出演料
・退職者や会社役員の勤務先預金の利子
・友人・知人などの貸付金の利子(事業から生じたものは除く)
・公社債の償還差益又は発行差金
・土地収用法に規定する過怠金
・人格のない社団等の構成員が受ける収益の分配金
・給与所得者が支払を受ける契約金
・任意の互助会から受ける年金
・生命保険契約、損害保険契約に基づく年金


免税所得

免税所得とは、産業政策の見地から、本来なら課税される所得のうち一定の手続をする
ことで所得税が免除されるものをいいます。

農家が飼育した一定の肉用牛(免除対象飼育牛)を一定の家畜市場などで売却した場合や、一定の
農業協同組合などに委託して売却した場合の所得