住宅借入金等特別控除

・土地,借地権の権利金,定期借地権の保証金の一部も対象に!
・平成11年〜13年6月居住の場合は、15年間の適用に!
・平成11年1月1日〜3月31日に居住の場合は、旧制度が有利なケース有り!

住宅借入金等特別控除の新旧比較

平成11年度税制改正により、「パソコン減税」と並ぶ目玉として「住宅借入金等特別控除」
大改正されました。新・旧制度を比較すると、次のようになります。

平成12年度税制改正により、適用期間が6か月間延長され、平成13年6月30日までの
居住分について適用されます。

要件 旧制度 新制度
対象借入金 銀行等からの償還期間10年以上
建物に対応する分の借入金
    (最高3000万円)
銀行等からの償還期間10年以上の
土地等,建物の借入金
    (最高5000万円)
勤務先借入金 利率年3%以上のもの 基準利率(年1%)以上のもの
控除期間 6年 6年
平成11年〜13年6月居住
の場合は15年
控除税額 最高170万円 最高587万5000円
床面積 50平方メートル以上
240平方メートル以下
50平方メートル以上
中古住宅 耐火建築物  築20年以内
その他     築15年以内
   耐火建築物  築25年以内
   その他     築20年以内
居住用財産の譲渡
損失の繰越控除
選択適用 併用可

土地等の借入金は、建物の借入金がある場合に適用されます。

床面積要件の上限がなくなりました。

新制度では、240平方メートル以下という制限がなくなりました。店舗兼住宅や2世帯・3世帯住宅
のように、大きな住宅を取得する場合にも適用が受けられることになります。

★「居住用財産の譲渡損失の繰越控除」との関係は?★

                   住宅を売却して損失が出る場合
損失の金額をその年の他の所得(給与所得等)の金額と相殺(損益通算)します。

まだ相殺しきれない損失の金額は、翌年以降3年間繰り越すことができます。
旧制度との関係  新たに借入金で 
 住宅を取得
新制度との関係
「譲渡損失の繰越控除」の適用を
受ける場合には

住宅借入金等特別控除
受けられません。
「譲渡損失の繰越控除」の適用を 
受ける場合でも

住宅借入金等特別控除
受けられます。

★住民税の適用は?★

居住用財産の譲渡損失の繰越控除 ・・・ 平成11年1月1日以降の譲渡から適用されます。
住宅借入金等特別控除        ・・・ 住民税には適用されません。

★ 敷地の取得対価の額に含まれもの ★

・ 埋立て、土盛り、地ならし、切土、防壁工事等の土地の造成又は改良のために要した費用
・ 一括して土地等と建物等を取得した場合における建物の取壊し費用
  (ただし、建物を取り壊して家屋を新築することが明らかな場合に限る)

★ 定期借地権住宅を取得した場合の適用 ★

定期借地権を設定する場合には、地主に「権利金を支払う場合」と「保証金を支払う場合」が
ありますが、それぞれについて借入をした場合の住宅借入金等特別控除の適用については、
次のようになります。

<権利金を支払う場合>
権利金は、定期借地権の取得の対価として地主に支払うものですから、その支払に充てる
ための借入金は、住宅借入金等特別控除の対象になります。

<保証金を支払う場合>
保証金は、地主に対する預託金で定期借地権の取得の対価とは言えませんが、その経済的
効果から、定期借地権の設定時における保証金の額と、その保証金の設定時における返還
請求権の価額との差額については定期借地権の取得の対価に当たるものとして、その差額
についての借入は住宅借入金等特別控除の対象になります。

<例>新築の定期借地権付建売住宅

 (保証金1500万円、設定期間50年、保証金は借地契約終了時に無利息で返還)
 基準年利率は、平成11年1月1日においては6%、平成12年以後の各年の1月1日においては、
 4.5%と定められています。

 保証金の額    1500万円
 返還請求権の額 1500万円×0.055(残存年数50年に応じる年6%の複利現価率)
            =82.5万円
 対象借入金    1500万円−82.5万円=1417.5万円

★ 床面積が50平方メートル以上の家屋であるかどうかの判定 ★

・マンションなどの区分所有建物 ・・・・・ 区分所有する部分の床面積により判定

・店舗併用住宅など居住用以外の部分がある家屋
 その家屋が共有である場合   ・・・・・ その家屋の全体の床面積により判定


増改築等の場合

住宅借入金等特別控除の対象となる増改築とは、居住用家屋の

A 増築、改築、大規模の修繕、大規模の模様替
B マンション等(区分所有家屋)の区分所有部分の主要構造部である床、階段、壁等の過半
  の修繕・模様替
C 家屋(マンション等はその区分所有部分)のうち、居室、調理室、浴室、便所、洗面所、納戸、
  玄関、廊下の一室の床又は壁の全部について行う修繕又は模様替
  (A又はBに該当するものを除く)

で次のいずれの要件を満たすものをいいます。

 1 工事費用が100万円を超えること
 2 家屋の工事費用の1/2以上がその者の居住用部分に対するものであること
 3 工事後の家屋の床面積が50平方メートル以上であること
 4 工事後の床面積の1/2以上が自己の居住用であること


入居年別の住宅借入金等特別控除額

  借入金等の年末残高 所得
要件
居住の日 控除期間 1000万円
以下
1000万円超
2000万円以下
2000万円超
3000万円以下
3000万円超
(最高限度)
5000万円超
(最高限度)
6.1.1〜
6.12.31
最初の2年 1.5% 1%+5万円 0.5%+15万円 30万円   3000万
円以下
残りの4年 1% 0.5%+10万円 25万円
7.1.1〜
8.12.31
最初の2年 1.5% 1%+5万円 0.5%+15万円 30万円 2000万
円以下
残りの4年 1% 0.5%+10万円 25万円
9.1.1〜
9.12.31
最初の3年 2% 1%+10万円 0.5%+20万円 35万円
残りの3年 1% 0.5%+10万円 25万円
10.1.1〜
10.12.31
最初の3年 2% 1%+10万円 0.5%+20万円 35万円 3000万
円以下
残りの3年 1% 0.5%+10万円 25万円
11.1.1〜
13.6.30
1〜6年目 1% 50万円
7〜11年目 0.75% 37.5万円
12〜15年目 0.5% 25万円


新制度の損得

この制度は、すべての人に恩恵があるわけではありません。場合によっては、新制度のほうが不利
となるケースがでてきます。

恩恵がある人 恩恵がないか,不利な人
・年収の多い人(合計所得金額3000万円以下の制限)
・借入金額の多い人(その分支払利息も増えます)
・独身者,夫婦世帯等、所得控除額の少ない人
・年収の少ない人
・借入金額の少ない人
・扶養親族が多い等、所得控除額の多い人
・一括繰上げ返済を予定している人
・途中売却を予定している人

587万5000円の税額控除を受けるには
標準世帯で給与収入950万円以上
借入金7200万円以上(3%,35年返済)


平成11年1月1日〜3月31日に居住した人

新旧制度の選択適用が認められます
両制度での控除税額を比較して、有利な方を選択しましょう!

借入金1000万円当たりの控除額合計
      旧制度      6年間で   80万円
      新制度      6年間で   60万円     8年間で   75万円
                     
居住年を含めた8年目の12月31日までに繰上げ返済売却をする場合     
                     
                 旧制度が有利
旧制度 新制度
当初2年間   最高35万円

年末借入金残高 1000万円以下の部分 ⇒2%
           1000万円超
           2000万円以下の部分⇒1%
           2000万円超
           3000万円以下の部分⇒0.5%
当初6年間   最高50万円
年末借入金残高5000万円以下の部分⇒1%
7〜11年目   最高37万5000円
年末借入金残高5000万円以下の部分⇒0.75%
3〜6年目   最高25万円

年末借入金残高 2000万円以下の部分 ⇒1% 
           2000万円超
           3000万円以下の部分⇒0.5%
12〜15年目  最高25万円
年末借入金残高5000万円以下の部分⇒0.5% 


共有の場合ここに注意

新制度は、新たに土地の借入金も対象になります。但し、建物の借入金が主で土地の借入金は従
の関係にあるため、場合によっては土地の借入金について控除が受けられないケースもあります。

ケース1 ケース2
建物  夫婦共有
土地  夫婦共有
             建物    夫
             土地  夫婦共有
住宅借入金等
特別控除
居住用財産の
特別控除
住宅借入金等
特別控除
居住用財産の
特別控除
 夫婦各々
受けられます 
3000万円控除が
夫婦各々 
受けられます
 夫だけが受けられます   夫婦合計で
3000万円控除が 
 受けられます


住宅借入金等特別控除の適用判定表

次の各項目に該当する場合(YESの場合)には、住宅借入金等特別控除の適用が受けられます。
新築の方は、床面積の項目から判定して下さい。

   〔新築住宅〕                  〔中古住宅〕
                            取得日以前20年以内(耐火建築物
                            は25年以内)に建築
                                      YES
NO






















                            一定の親族等からの取得ではない
                                      YES
NO
          登記簿上の床面積が50平方メートル以上
                      YES 
NO
            床面積の2分の1以上が専ら居住用
                      YES
NO
    取得の日から6月以内に居住し、年末まで引続き居住している
                      YES
NO
 金融機関等から住宅等を取得するための借入金(償還期間10年以上)がある
                      YES    
NO
    居住年,前後2年間に以下の譲渡所得の特例を受けていない

          ・居住用財産の長期譲渡所得の課税の特例
          ・居住用財産の3000万円特別控除等
                      YES
NO
            居住年の翌年に確定申告をしている
                      YES
NO
     合計所得金額が3000万円(給与収入約3336万円)以下
                      YES
NO
適  用  有  り  


借入金を借り換えた場合

金利が下がったなどの理由により、利率の低い住宅ローンに借り換えた場合には、改めて
住宅借入金等特別控除の対象になるかどうかをチェックする必要があります。

・ 新しい住宅ローンが以前の住宅ローンを消滅させるためのものであることが明らかであり、
 かつ、その新しい住宅ローンを家屋・敷地の取得や増改築等のための資金に充てている。
・ 新しい住宅ローンの返済期間が10年以上である。


控除を受けるための必要な書類

確定申告書の「住宅借入金等特別控除」欄に必要事項を記載すると共に、下記の書類を
添付して税務署に提出することが必要です。

控除を
受ける
最初の
年分
1.「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」
2.金融機関などから交付される「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」
3.控除を受ける人の住民票の写し
4.家屋・敷地の登記簿謄本又は抄本、請負契約書や売買契約書などで、家屋・敷地
  の取得年月日、取得価額・請負金額、床面積
  を明らかにする書類又はその写し
5.中古住宅を取得して、以前の所有者から一定の債務を引き継いだ場合には「債務
  の承継に関する契約書」の写し
6.増改築等をした場合には、建築確認済証の写し、検査済証の写し又は建築士から
  交付を受けた増改築工事証明書
2年目
以後の
年分
1.「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」
2.金融機関などから交付される「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」


【 その他 】

・3年据置き7年返済のローンは、返済期間が10年以上でないために、住宅借入金等特別
 控除の対象となりません。

合計所得金額とは、総所得金額、特別控除前の長期(短期)譲渡所得の金額、株式等に係る
 譲渡所得等の金額、山林所得金額、退職所得金額の合計額をいいます。
 但し、純損失や雑損失の繰越控除、特定の居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の特別
 控除又は特定中小会社が発行した株式に係る譲渡損失の繰越控除の適用を受けている場合
 には、その適用前の金額になります。