株式配当の税金を有利にする

株式の配当とは、株式会社から株主に対して、配当金として支払われるものをいいます。

配当金は、35%源泉分離課税を選択する場合を除いて、
支払時にその20%の所得税が源泉徴収されています。
(例)10万円の配当金・・・手取8万円

株式配当金の課税関係

株式配当金については、1銘柄当たりの1回に受取る金額によって、次の3つに区分されます。

1銘柄1回の
配当金
所得税 住民税
5万円以下
(1年間では10万円)
・ 支払時の源泉徴収
・ 申告(総合課税)
  どちらか選択 非課税
25万円未満
(1年間では50万円)
※ 注
・ 35%源泉分離課税
・ 申告(総合課税)
  どちらか選択 総合課税
25万円以上
(1年間では50万円)
・ 申告(総合課税) 総合課税

※ 注 発行済株式総数の5%以上の株式の場合は、総合課税(申告必要)になります。


課税所得900万円以下は申告で還付

1銘柄1回5万円(1年間では10万円)以下の配当(少額配当)の場合、支払時の源泉徴収だけ
で確定申告は不要ですが、課税所得900万円以下の人は、申告した方が有利になります。

株式配当金に対する税金負担率(%)
配当所得を加えた
課税所得金額
申告しない 申告する
所得税 住民税 合計 所得税 住民税 配当控除 合計
        〜 200万円以下 20 20 10 △10
 200万円超〜 330万円以下 20 20 10 △10
 330万円超〜 700万円以下 20 20 20 △10 10
 700万円超〜 900万円以下 20 20 20 △10 10
 900万円超〜1000万円以下 20 20 30 △10 20
1000万円超〜1800万円以下 20 20 30 △ 5 25
1800万円超〜 20 20 37 △ 5 32

定率減税は考慮していません。


35%源泉分離課税は損

1銘柄1回25万円(1年間では50万円)未満の配当の場合、35%源泉分離課税を選択すると、
不利になります。

株式配当金に対する税金負担率(%)
配当所得を加えた
課税所得金額
申告(総合課税) 35%源泉分離課税
所得税 住民税 配当控除 合計 所得税 住民税 配当控除 合計
        〜200万円以下 10 △12.8  2.2 35 △2.8 37.2
 200万円超〜 330万円以下 10 10 △12.8  7.2 35 10 △2.8 42.2
 330万円超〜 700万円以下 20 10 △12.8 17.2 35 10 △2.8 42.2
 700万円超〜 900万円以下 20 13 △12.8 20.2 35 13 △2.8 45.2
 900万円超〜1000万円以下 30 13 △12.8 30.2 35 13 △2.8 45.2
1000万円超〜1800万円以下 30 13 △ 6.4 36.6 35 13 △1.4 46.6
1800万円超〜 37 13 △ 6.4 43.6 35 13 △1.4 46.6

・総合課税の場合の配当控除は、所得税と住民税の合計で表示しています。
・定率減税は考慮していません。

※平成10年分までは、課税所得1800万円超の高額所得者は35%源泉分離課税を選択
 した方が有利でしたが、平成11年分からの税率の引下げにより、総合課税を選択する方
 が有利になります。