納税の仕組み

税金は、納付すべき税額が確定してから納めますが、この税額を確定する方法には、大きく
分けると納税者が自ら税額を計算して申告する方法(申告納税制度)と、税務署などの税務
官庁が決定して納税者に通知する方法(賦課課税制度)があります。
 また、このほかにも源泉徴収によったり、印紙を貼りつけて納付する方法もあります。

申告納税制度

納税者が自ら所得金額や税額を計算し、それに基づいて申告・納税する制度で、納税者が
申告したときに納税義務が確定します。

日本では戦前は賦課課税制度を採っていましたが、昭和22年度の税制改正により所得税、法人
税、相続税に申告納税制度が導入されて以来、主な国税のほとんどについてこの制度が採用され
ています。

国税 地方税
所得税・法人税・相続税・贈与税・消費税など 法人住民税・法人事業税・自動車取得税など

申告納税制度においては、期限内申告、期限後申告、修正申告があります。

期限内申告 法律で定められた申告期限(法定申告期限)までに行う申告
期限後申告 法定申告期限を過ぎて行う申告
修正申告 期限内申告又は期限後申告による税額の不足などを修正するために行う申告

★ 更正の請求 ★

・修正申告とは逆に、納付税額が多過ぎたり、還付金の額が少なかったときには、法定申告
 期限から1年以内に限り更正の請求をすることができます。

・この申告納税制度が適正かつ円滑に運用されるためには、納税者が自分で正確な記帳を
 行い、正確に所得金額を計算して、自らの責任において申告するということが前提になりま
 す。

・申告納税制度は、税額が納税者の申告によって確定することを前提としていますから
     1. 申告をしなければならない人が申告を行っていない場合
     2. 税額の計算が法律の規定に従っていない場合
     3. その税額が税務署などの税務官庁の調査と異なっている場合
 には、税務官庁は更正又は決定により税額を確定します。


賦課課税制度

賦課課税制度とは、税務署などの税務官庁の賦課決定によって、納付すべき税額が確定する
制度をいいます。
国税のうち、賦課課税制度が採られているのは、加算税が課される場合など例外的な場合だ
けですが、地方税では多くの税目に賦課課税制度が採用されています。

国税 地方税
加算税・過怠税 個人住民税・個人事業税・固定資産税・不動産取得税・自動車税など


源泉徴収制度(普通徴収)

・源泉徴収制度は、納税者が自ら申告し納税する代わりに、利子、配当、給与、賞与、年金、
 退職所得、報酬料金等特定の所得の支払者が源泉徴収義務者となって、源泉徴収税額を
 翌月十日までに徴収高計算書を添えて国に納付する制度です。

・この制度は、国の歳入事務の簡素化、能率化にかなうだけでなく、納税者特に源泉徴収だけで
 納税が終了する大部分の給与所得者にとっては、確定申告及び納税の手数が省けるという利点
 があります。

・例えば、給与や賞与は、その支給額・給与や賞与の別・扶養親族数等に応じて所得税法の
 別表に定める「給与所得の源泉徴収税額表」により計算した税額を源泉徴収します。
 徴収義務者はその年最後に給与の支払をする際に年末調整を行い、過不足額の精算を行
いますが、精算しきれないときはその過納額は還付し、不足額は徴収することになります。


特別徴収制度

・納税者本人から税額を徴収する「普通徴収」に対して、税額の徴収について便宜を有する者
 (会社や個人事業者など)に徴収させ、納付させることを「特別徴収」といいます。

・給与所得者に対する個人住民税などは、この特別徴収の方法によります。


印紙納付制度

・印紙納付制度とは、納税者が印紙を貼りつけて納付する制度をいいます。

・印紙税および登録免許税の大部分に印紙納付制度が採用されています。