更正には、税額の増加など納税者に不利になる増額更正と、納税者に有利になる減額更正があり
ます。更正をした場合には、更正をした所得金額などを納税者に通知することになっています。
※青色申告書を提出する者については、その申告書や添付書類で判明する事項を除き、その申告
に関する帳簿書類を調査し、その結果所得の計算に誤りがあると認められる場合に限り更正をす
ることができ、更正通知書には更正の理由を記載しなければなりません。
通常の場合には、更正は申告書の提出期限から3年、決定は申告書の提出期限から5年を経過
した日以後は出来ないことになっていますが、偽りその他不正の行為があった場合には、更正決定
の期間は申告書の提出期限から7年を経過した日までとなっています。
この更正や決定の処分について不服がある場合には、不服の申立てをすることができます。この場
合でも原則として更正や決定の通知書の日付の翌日から1か月以内に追加税額と、賦課決定された
加算税、延滞税を納付しなければなりません。
加算税は税額を少なく申告したり期限を過ぎて申告したことなどに対する罰課金的な意味を持つもの
で、その内容により過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税、重加算税に分けられます。
延滞税は遅延利子的なもので、税金を正当な納期限までに納付しなかった場合に課せられます。
利子税は延納の許可を受けている場合や確定申告書の提出が認められている場合に、その延長期
間にかかる利息に相当するものです。利子税の計算期間については、延滞税は課されません。
種類 | 適用要件 | 税額 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
加 算 税 |
過少申告 加算税 |
法定申告期限内に提出 された申告書に記載され た金額が過少であった場 合 |
増加税額の10% 但し、増加税額が期限内 申告税額と50万円とのい ずれか多い金額を超える 場合は、その超える部分 に対しては15% |
更正があることを予知 しないで修正申告をした 場合には、賦課されない |
無申告 加算税 |
法定申告期限までに申告 しなかった場合 |
決定により納付すべき 税額の15% |
更正又は決定がある ことを予知しないで申告 をした場合には、5%に 軽減される |
|
不納付 加算税 |
源泉徴収又は特別徴収 により納付すべき税額を、 法定納期限までに納付しな い場合 |
未納税額の10% | 納税告知があることを 予知しないで納付した場 合には、5%に軽減され る |
|
重加算税 | 過少申告加算税が課さ れる場合で隠蔽や仮装が ある場合 |
増加税額の35% | 上記の加算税に代えて 賦課される(併課無し) |
|
無申告加算税が課され る場合で隠蔽や仮装があ る場合 |
決定により納付すべき 税額の40% |
|||
不納付加算税が課され る場合で隠蔽や仮装があ る場合 |
未納税額の35% | |||
延滞税 | 納付すべき税額を法定 納期限までに納付しなかっ た場合 |
未納税額に対し年14.6% 但し、納期限の翌日から2か月を経過する日までは 年7.3%(注) |
||
利子税 | 延納又は納期限の延長 が認められている場合 |
法人税、所得税は未納税額に対し年7.3%(注) 相続税、贈与税は原則として未納税額に対し 年6.6% |
罰課金的な性格を持つ税に過怠税があります。
過怠税は課税文書に印紙を貼付しなかった場合には、不足額の3倍(自主申し出による場合は
1.1倍)又は消印をしなかった場合には、不消印印紙相当額(最低1000円)が課税されます。
種類 | 適用要件 | 税率 | |
---|---|---|---|
加算金 | 過少申告加算金 | 国税における過少申告加算税に相当 | |
不申告加算金 | 国税における無申告加算税に相当 | ||
重加算金 | 国税における重加算税に相当 | ||
延滞金 | 納付すべき税額を法定 納期限までに納付しな かった場合 |
未納税額に対し年14.6% 但し、納期限の翌日から1か月を経過 する日までは年7.3%(注) |
国税の不納付加算税や利子税に相当するものはありません。但し、法人の確定申告期限の延長
が認められている場合の利子税に相当するものとして、延滞金の特例規定が設けられています。
法人の住民税については、加算金は徴収されません。
事業税については、法人税の更正・決定の日から1か月以内に修正申告された場合には、過少申
告加算金は課されず不申告加算金も5%とされます。
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