「情報通信機器の即時償却」は、一般的には「パソコン減税」とも言われていますが、近年低迷が続く
企業等の設備投資に拍車がかかることが期待されます。
一方、「中小企業投資促進税制」は「パソコン減税」の対象にならないような高価なパソコンにも特別
償却等を適用することで、「パソコン減税」を補完するものといえます。
100万円未満(1台)のパソコンは即時償却(取得価額全額の経費算入)が可能に!
100万円以上(1台又は合計)のパソコンは30%特別償却又は税額控除が可能に!
★ 金額基準の見方 ★
「1台50万円のパソコンを5台取得した場合」の適用例
・情報通信機器の即時償却 1台で判定します。
1台50万円で100万円未満ですから、5台各々適用できます。
・中小企業投資促進税制 合計で判定します。
合計250万円で100万円以上ですから、適用できます。
1 | 電子計算機(計数型の電子計算機(主記憶装置にプログラムを任意に設定できる機構を 有するものに限る。)のうち、処理語長が16ビット以上で、かつ、設置時における記憶容量 (検査用ビットを除く。)が16メガバイト以上の主記憶装置を有するものに限る。以下この号 において同じ。)又は電子計算機及び附属装置(当該電子計算機と同時に設置する附属 の入出力装置(入力用キーボード、ディジタイザー、タブレット、光学式読取装置、音声入力 装置、表示装置、プリンター又はプロッターに限る。)、補助記憶装置、通信制御装置、伝送 用装置又は電源装置に限る。) |
2 | デジタル複写機(専用電子計算機(専ら器具及び備品の動作の制御又はデータ処理を 行う電子計算機で、物理的変換を行わない限り他の用途に使用できないものをいう。以下 この項において同じ。)により発信される制御指令信号に基づき画像情報をデジタル信号 に変換し、色の濃度補正、縦横独立変倍又は画像記憶を行う機構を有するもの及び当該 専用電子計算機を同時に設置する場合のこれらのものに限る。以下この号において同じ。) 又はデジタル複写機及び附属装置(当該デジタル複写機と同時に設置する専用の自動 原稿送り装置排紙分類装置、給紙装置、プリンター又はファクシミリに限る。) |
3 | ファクシミリ(送受信データを蓄積する機構及び普通紙に受信データを印刷する機構を有 するものに限る。以下この号において同じ。)又はファクシミリ及び附属装置 (当該ファクシミリと同時に設置する専用の変復調装置、回線制御装置又は回線接続装置 に限る。) |
4 | デジタル構内交換設備又はデジタル構内交換設備及び附属装置(当該デジタル構内 交換設備と同時に設置する専用の変復調装置、宅内回線終端装置、局内回線終端装置 又は符号化装置に限る。) |
5 | デジタルボタン電話設備(専用電子計算機により発信される制御指令信号に基づき専用 電話機のボタン操作に従ってデジタル信号を自動的に変換する機構を有するもの及び当該 専用電子計算機を同時に設置する場合のこれらのものに限る。以下この号において同じ。) 又はデジタルボタン電話設備及び附属装置(当該デジタルボタン電話設備と同時に設置 する専用の変復調装置、宅内回線終端装置、局内回線終端装置又は符号化装置に限る。) |
6 | 電子ファイリング設備(画像又は文字情報の符号化並びに符号化された当該画像又は 文字情報の加工、登録、蓄積及び検索を行うものに限る。以下この号において同じ。) 又は電子ファイリング設備及び附属装置(当該電子ファイリング設備と同時に設置する 専用の入出力装置、補助記憶装置、伝送用装置又は電源装置に限る。) |
7 | マイクロファイル設備(画像又は文字情報のマイクロフィルムへの記録並びに当該マイク ロフィルムの整理、保存及び検索を行うものに限る。以下この号において同じ。) 又はマイクロファイル設備及び附属装置(当該マイクロファイル設備と同時に設置する 専用の入出力装置、補助記憶装置、伝送用装置又は電源装置に限る。) |
8 | ICカード利用設備(ICカードとの間における情報の変換並びに当該情報の蓄積及び加工 を行うものに限る。以下この号において同じ。)又はICカード利用設備及び附属装置 (当該ICカード利用設備と同時に設置する専用のICカードリーダライタ、入力用キーボード、 タブレット、表示装置、プリンター又はプロッターに限る。) |
準備金方式によるパソコン減税
<適用年度>
法人が特別償却として損金経理する方法以外に、特別償却限度額以下の金額を
・損金経理による特別償却準備金
・利益処分による特別償却準備金
として積み立てた場合には、その積立額が損金に算入されます。
<翌年度以降>
普通償却費を損金経理すると共に、準備金を取り崩して(償却方法にかかわらず
一律に7年間均分に取り崩す)益金に算入します。
パソコンの取得形態別に、次のようなケースが考えられます。
パソコンを購入する際には、通常附属装置も含めて購入することが多いと思われますが、次の点
に注意して下さい。
取得形態 | 取得価額 | 即時償却 | 備考 |
---|---|---|---|
本体のみ | 本体 80万円 本体 120万円 |
○ × |
中小企業投資促進税制の適用有り |
本体と1個 の附属装置 |
本体 70万円 附属装置A 25万円 |
○ ○ |
|
本体 70万円 附属装置A 35万円 |
○ × |
1個の附属装置の取得価額の一部には 適用できない |
|
本体と 2個以上の 附属装置 |
本体 70万円 附属装置A 20万円 附属装置B 15万円 附属装置C 5万円 附属装置D 5万円 |
○ ○ × ○ × |
・附属装置B,Dは「電子計算機」として6年 で償却する ・附属装置Bに「3年均等償却」はできない ・附属装置Dに「少額減価償却資産の一時償却」 はできない |
(計算例)
取得価額 50万円 取得,事業供用日 平成12年7月1日
決算月 12月 定額法 6年償却率 0.166
普通償却費 500,000円×0.9×0.166×6/12=37,350円
特別償却費 500,000円−37,350円=462,650円
減価償却費 37,350円+462,650円=500,000円
内容 | 取扱い | |
---|---|---|
コンピュータープログラムが 組込まれている場合 |
無形固定資産 (ソフトウェアの開発費用) |
償却期間 3年 又は5年 |
上記以外の場合 使用期間 1年以内 使用期間 1年超 |
広告宣伝費 繰延資産 (ソフトウェア以外) |
支出時の費用 使用期間で償却 |
平成12年4月1日以後に取得するものから適用。