保険金に関する税金

非課税となる場合  満期保険金を受取る場合  死亡保険金を受取る場合

生命保険や損害保険に基づいて保険金等を受取った場合には、以下のように様々な課税
関係が生じてきます。

非課税となる場合

内容 保険金 税務上の取扱い
心身に加えられた
損害について支払
を受ける場合
(交通人身事故等)
治療費・慰謝料・
損害賠償金
対人賠償責任保険金等
  非課税
医療費控除の取扱い
  医療費控除を受ける場合には、支払った
  医療費から治療費として受取った金額を
  差し引きます。
見舞金 <原則>非課税
      (社会通念上ふさわしい金額)
<例外>・社会通念上ふさわしくない金額
      ・収入金額に代わる性質のもの
      ・役務の対価となる性質のもの
      は課税されます。
不法行為その他
突発的な事故により
資産に加えられた
損害について受ける
場合
(交通車両事故等)
損害賠償金・
車両保険金等
<原則>非課税
<例外>事業用車両や商品について受取
      る場合には、課税されます。
見舞金 <原則>非課税
      (社会通念上ふさわしい金額)
<例外>・社会通念上ふさわしくない金額
      ・収入金額に代わる性質のもの
      ・役務の対価となる性質のもの
      は課税されます。
身体の障害、疾病
などを原因として
受ける場合
障害保険金・高度障害
保険金・後遺障害保険金・
医療保険金・入院費給付
金・障害給付金・
疾病給付金等
  非課税
医療費控除の取扱い
  医療費控除を受ける場合には、支払っ
  た医療費から治療費として受取った金額
  を差し引きます。
所得補償保険金   非課税
資産について損失
を生じたことにより
受ける場合
(火災・盗難など)
損害賠償契約の保険金 <原則>非課税
  雑損控除を受ける場合には、損害額
  から保険金で補填された部分を差し引
  きます。
<例外>
  商品などの棚卸資産や立木等の山林に
  ついて受取る場合には、課税されます。


満期保険金を受取る場合

生命保険が満期になって満期保険金を受取る場合には、保険料負担者・保険金受取人が
誰かによって、所得税・贈与税の課税関係が生じます。

保険契約者
(保険料負担者)
満期保険金受取人 税金
所得税
贈与税

1.所得税

保険料負担者と保険金受取人が同一人の場合には、所得税が課税されます。
そして保険金の受取方法によって、一時所得又は雑所得として課税されます。

受取方法 所得 所得金額
一度に受取る場合 一時所得 {(満期保険金額−既払込保険料)−50万円}×1/2
年金で受取る場合 雑所得 その年に受取った年金の額−左に対応する既払込保険料
20%(所得税15% 住民税5%)が源泉徴収されます。

2.贈与税

保険料負担者と保険金受取人が異なる場合には、贈与税が課税されます。
そして年金で受取る場合には、定期金に関する権利の価額として評価されます。

受取方法 贈与税の課税
一度に受取る場合 (満期保険金額+その他の贈与財産−60万円)×税率
年金で受取る場合 (定期金に関する権利の価額+その他の贈与財産−60万円)×税率

※ 毎年受取る年金は、雑所得として課税され、源泉徴収されます。

3.一時払い養老保険

一時払い養老保険の満期保険金で、一時所得として課税される満期保険金のうち保険期間
が5年以下のもの(5年を超えるもので5年以内に解約されたものを含む。)は、総合課税で
はなく、

差益 = 満期保険金等の給付金 − 既払込保険料

に20%(所得税15% 住民税5%)の源泉徴収課税が行なわれます。

4.損害保険契約の満期返戻金

損害保険契約の満期返戻金については、生命保険契約の満期保険金と同様に取扱われ
ます。


死亡保険金を受取る場合

生命保険の死亡保険金を受取る場合には、保険料負担者、保険金受取人、被保険者が誰か
によって、所得税・相続税・贈与税の課税関係が生じます。

被保険者が死亡した場合
保険契約者
(保険料負担者)
被保険者 死亡保険金受取人 税金
所得税
相続税
贈与税

1.所得税

保険料負担者と死亡保険金受取人が同一人の場合には、所得税が課税されます。
そして死亡保険金の受取方法によって一時所得又は雑所得として課税されます。

受取方法 所得 所得金額
一度に受取る場合 一時所得 {(死亡保険金額−既払込保険料)−50万円}×1/2
年金で受取る場合 雑所得 その年に受取った年金の額−左に対応する既払込保険料
20%(所得税15% 住民税5%)が源泉徴収されます。

2.相続税

保険料負担者と被保険者が同一人の場合には、

受取人が相続人の場合には、相続によって取得したものとみなされ
受取人が相続人以外の場合には、遺贈によって取得したものとみなされ

それぞれ相続税が、課税されます。

受取方法 相続税の課税
一度に受取る場合 相続によって取得したものとみなされる場合には、500万円×法定相続人
の金額までは非課税で、これを超える部分の金額が相続税の対象になりま
す。
年金で受取る場合 定期金に関する権利の価額として評価されます。

※ 毎年受取る年金は、雑所得として課税され、源泉徴収されます。

3.贈与税

保険料負担者、被保険者、死亡保険金受取人のすべてが異なる場合には、贈与税が課税
されます。
そして年金で受取る場合には、定期金に関する権利の価額として評価されます。

受取方法 贈与税の課税
一度に受取る場合 (死亡保険金額+その他の贈与財産−60万円)×税率
年金で受取る場合 (定期金に関する権利の価額+その他の贈与財産−60万円)×税率

※ 毎年受取る年金は、雑所得として課税され、源泉徴収されます。