報酬・料金の源泉徴収

給与所得者の給与に対して源泉徴収されるのと同様に、下記の原稿料や弁護士・税理士に対
する報酬、スポーツ選手や芸能人に対する報酬・料金等も源泉徴収の対象となります。

居住者に対する源泉徴収

居住者に対し、次の報酬・料金等の支払いをする法人又は個人は、その支払いの都度所得税を源泉
徴収しなければなりません。
ただし、これらの報酬・料金であっても、給与所得等に該当するものについては、給与所得等としての
源泉徴収を行います。

所得の種類 課税される
所得金額
税 率
原稿、さし絵、作曲、レコード吹込み、デザインの
報酬、放送謝金、著作権、工業所有権の使用料、
講演料、技芸・スポーツ・知識等の教授・指導料、
脚本、脚色、翻訳、校正、書籍の装てい、速記、
版下、雑誌、広告その他の印刷物に掲載するた
めの写真の報酬・料金
1回の支払金額 10%
100万円超の部分は20%
弁護士、公認会計士、税理士、社会保険労務士、
弁理士、海事代理士、測量士、建築士、不動産
鑑定士、計理士、会計士補、企業診断員、測量
士補、建築代理士、不動産鑑定士補、火災損害
鑑定人、自動車等損害鑑定人、技術士、技術士
補、投資顧問業者に対する報酬・料金
1回の支払金額 10%
100万円超の部分は20%
司法書士、土地家屋調査士に対する報酬・料金 1回の支払金額
−1万円
10%
社会保険診療報酬支払基金法の規定により支払
われる診療報酬
その月分の支払
金額−20万円
10%
プロ野球の選手、プロサッカーの選手、プロテニス
の選手、プロレスラー、プロゴルファー、プロボウラ
ー、自動車のレーサー、競馬の騎手、自転車競技
の選手、小型自動車競走の選手、モーターボート
競走の選手、モデルに対する報酬・料金
1回の支払金額 10%
100万円超の部分は20%
プロボクサーに対する報酬・料金 1回の支払金額
−5万円
10%
外交員、集金人、電力量計の検針人に対する
報酬・料金
その月分の支払
金額−12万円
給与などがあるとき
はその金額を控除
10%
映画、演劇、その他の芸能(音楽、音曲、舞踏、
講談、落語、浪曲、漫談、漫才、腹話術、歌唱、
奇術、曲芸、物まね)、ラジオ放送やテレビジョン
放送の出演や演出等や企画に対する報酬・料金
1回の支払金額 10%
100万円超の部分は20%
映画や演劇の俳優、映画監督、舞台監督(プロ
デューサーを含む)、演出家、放送演技者、音楽
指揮者、楽士舞踏家、講談師、落語家、浪曲師、
漫談家、漫才家、腹話術師、歌手、奇術師、曲芸
師、物まね師の役務の提供を内容とする事業に
対する報酬・料金
1回の支払金額 10%
100万円超の部分は20%
キャバレー、ナイトクラブ、バーその他これらに類
する施設において客の接待を業務とするホステス
等の業務に関する報酬・料金
1回の支払金額−
5000円×支払金額
の計算期間の日数
10%
ホテル、旅館、飲食店その他飲食をする場所で
行われる飲食を伴うパーティー等の会合において、
専ら客の接待を業務とするバンケットホステス、
コンパニオン等の業務に関する報酬・料金
馬主が受ける競馬の賞金 1回の支払金額−
(賞金×20%+60
万円)
10%


内国法人に対する源泉徴収

内国法人に対し、次の報酬・料金等の支払いをする法人又は個人は、その支払いの都度
所得税を源泉徴収しなければなりません。

所得の種類 課税される
所得金額
税 率
映画や演劇の俳優、映画監督、舞台監督(プロデュー
サーを含む)、演出家、放送演技者、音楽指揮者、楽
士舞踏家、講談師、落語家、浪曲師、漫談家、漫才家、
腹話術師、歌手、奇術師、曲芸師、物まね師の役務の
提供を内容とする事業に対する報酬・料金
1回の支払金額 10%
100万円超の部分は20%
馬主が受ける競馬の賞金 1回の支払金額
−(賞金×20%
+60万円)
10%


その他

1.消費税の取扱い

報酬・料金の金額のなかに消費税額が区別されていない場合には、消費税を含んだ総額に対
して、源泉徴収を行う必要があります。消費税額が明確に区別されていれば、その報酬・料金
の金額のみを源泉徴収の対象とすることができます。

2.納付

報酬・料金を支払う際に源泉徴収した所得税は、原則としてその報酬・料金を支払った月の翌月
10日までに徴収高計算書に一定の事項を記載して納付します。

3.その他

・報酬・料金の支払者は、1年間に支払った報酬・料金などの支払金額や源泉徴収税額などを
 記載した「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」を作成し、1部を支払者に交付し、1部を
 翌年1月31日までに税務署に提出します。

・報酬や料金は年末調整の対象にはならないので、支払いを受けた者は、その年の他の所得
 金額と合計して年税額を計算し、確定申告によって源泉徴収税額の過不足を精算します。

・報酬や料金から源泉徴収されるのは所得税だけで、住民税は源泉徴収されません。