前列3席、広いグラスエリア、薄っぺらいドアなど衝突安全性が危惧されますが、TAXIに使われていることもありボディ剛性は欧州車基準でも比較的高いそうです。でも不安ですね。
このインパネは・・・何が何だかすぐには理解できません。イタリア人の遊び心、デザインセンスに脱帽です。エアコン吹き出し口は目、鼻、口、耳、髪・・どうみても顔に見えます。設定はMTのみです。
ムルティプラは外装だけでなく内装も超個性的です。
全席同じ大きさの独立したシートをもち、どの座席にも3点式ベルトがあります。前後の中央席は前に倒すことでテーブルにもなります。運転席以外取り外しが可能で、引越しトラックとしても使えそうです。
ムルティプラの元祖は1956年から10年間発売された非常にキュートな6人乗り。ただしこちらは2×2×2の3列シート。この一見どちらが前かわからないスタイルやツートンカラーも、超個性的です。こちらもTAXIに使用されていたようです。洒落てますね・・ITALIAは。
日本では3×3の座席レイアウトはホンダのエディックスや日産のティーノ等、ごく少数です。エディックスの中央席は少し狭いようですが、日本での取り回しを考慮したパッケージングはさすがホンダです。モビリオの開放的なグラスエリアもムルティプラを参考にしたそうです。
フロントセクションとリアランプ以外はほぼ一緒です。
FIATが超真面目に製作した世界戦略車でもあったので、個性的な外観はすぐに見直され、日本ではたったの1年ちょっとでフェイスリフトとなりました。
どちらの顔も魅力ですが、日本ではこちらのほうがスマートでオシャレかもしれません。前期型は楽しくファニー、少し奇妙な雰囲気が魅力です。
全席に3人座るために全幅は1875mmと幅広ですが全長が極端に短く4005mmです。イタリアでは3999mmとして報告され、フェリーでの旅行も多いイタリアでは4mを切ればフェリー料金が安くなるため大きなメリットになるそうです。縦列駐車の多いヨーロッパでは横幅より長さが短いほうが良いみたいです。
1998年に発表されたMultipla。イタリア語で多用途というネーミングをもち、実に個性的な外観のミニバン。多用途という車名の通り、イタリアではファミリーカーとしてはもちろん、アウトドア、TAXI、商用車など様々な場面で使われているようです。
その独特のスタイルはイギリスにおいて、世界一醜い車に選ばれたほどです。カバとかカエルと表現されたそうです。FIATのデザイナーも、醜い外観をみなくてすむように車内にいることが一番幸せ・・・とジョークを言うほどだとか・・・。しかし、その憎めない外観に惹かれる人が後をたちません。
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spec
全長×全幅×全高
(4005×1875×1670mm)
ホイールベース2665mm
車重 1360kg
【エンジン】
直4DOHC16バルブ1600cc
103ps/5750rpm 14.8kg‐m/4000rpm
Multipla