私が通っているのは、聖ネルフ学園。 まだ入学したばかりなんだけど、毎日30分の通学はとても楽しいの。 隣に住んでいる、同級生の綾波レイといつも一緒に通っているから。 だって、彼女と私は愛し合ってるんだもん…。
「ただいま…アスカ」
……。
青白い髪に、赤い瞳の少女は私にそう言った。 間違いなく、少女の声。 でも、私にはすぐにわかったの。シンジだって。 恋するものの本能ってのよ。きっと。 「し、シンジなの…?」 シンジである筈がない、そんなことはわかっている。 でも、私の心がその少女がシンジだと断言しているの。 そして、その私の心は外見に惑わされずに、正しくシンジの心を見抜いていたの。 「わ、わかってくれたの?アスカ!僕だって…」 初対面の女の子の口から、懐かしいシンジの口調が飛び出してくる。 正直言って、私の頭はパニック状態だった。 でも、ここで私がヒステリーを起こしてしまったら、取り返しのつかないことになっちゃう。 そんな直感だけが、私を支えていた。 何が何だかわかんないけど、私がしっかりしないとシンジが私の前から消えてしまう。 私は不安感を必死に押し殺して、ゆっくりと言葉を紡いだ。 「シンジ。私はアンタのこ、恋人…なんでしょ。姿形には惑わされないわ。 ううん、そりゃ黙ってたら、絶対にわかんなかったけど、声を聞けば…アンタの喋り方くらいわかるわよ。 アンタと何年付き合ってきたと思ってんの?私とアンタの仲じゃない!」 少女は、その赤い瞳の縁から涙を溢れさせた。 「アスカ…ありがとう…本当に。僕、信じてたんだ。いや、信じようと必死に願ってたんだ。 アスカならわかってくれる。こんな姿の僕を拒否しないで話を聞いてくれるって」 安心したのか、シンジの少女は言葉数が多くなった。 確かにシンジの少しいらいらさせられる口調に違いない。 でも、今はいらいらなんかしない。話をさせなくちゃ。 私は微笑んだ、つもりだったけど、たぶん表情は硬かったと思う。 「とにかく、ほら座んなさいよ」 私はベッドに腰掛けた。 シンジがいたときと同じように。 少女はあの日のシンジと全く同じに机の椅子に腰掛けた。 しかし、いつものシンジみたいに椅子を跨いで、背もたれを抱きしめるようなことはしない。 普通の女の子のように、ちょこんと座っている。 「ふ〜ん、いつもみたいに座んないんだ」 「だって、ワンピースで股広げられないじゃないか。もう…慣れたから…」 「慣れたって、そんなに前から?」 「アメリカに行って、2ヶ月くらいした時。だからアスカにビデオメールもらっても、返事は文字だけだっただろ」 「あ、なるほど…そういうことだったの。私、てっきりシンジが向うで金髪美人とよろしくやってるのかと思ったわ」 「き、金髪って、アスカだってそうじゃないか。それに、アスカも美人だし…」 そう言って、少女は頬を赤らめたの。 か、可愛いじゃないの…って、私は何考えてんのよ! やばいわ!ひょっとしたら、女子高のいけない空気に汚染されてるのかもしれない。 「ちょっと、シンジ。最初から話してくれる?私にわかるように…」 「う、うん。あれは…」 シンジは昔から要領立てて話すのは苦手な方だった。 頭は悪くない…どころか優等生なのだけど、少し無口な方だったわね。 饒舌な私とよく馬が合うものだって、よく親から笑われていたっけ。 あっちいったり、こっちいったりする話をそのまま書いても、ややこしくなるだけだから、 まとめてみると…。
アメリカに着いて2ヵ月後に、シンジが研究所に遊びに行ったの。 両親が勤めている宇宙放射線研究所はソルトレークシティの郊外にあって、 別に軍事機密とか企業秘密とかそういう施設じゃなかったから、けっこうフランクに遊びにいけたのね。 そして事故に遭遇した。といっても、そんなに大規模な事故じゃなかったみたい。 シンジの表現で言うと、部屋中に銀色の光が満ち溢れて…。 いつの間にか気絶していて、数日後に気がつくと、こんな身体になっていたってこと。 そして、それから2年余り、おじ様とおば様は必死にシンジが元の身体に戻れるように研究したんだって。 でも、結果は…この通り。シンジの心は赤い瞳の少女に宿ったまま。
「ねえ、それって完全に人間の女なの?」 私は何気なく尋ねると、少女は真っ赤な顔になってしまった。 「アスカのスケベ!」 「は?」 「な、なんてこと聞くんだよ!女の子だよ。ちゃんと女の子の身体なんだよ」 「あ!シンジのエッチ、変態!調べたんだ。あんなことやこんなことして!」 こんな時にって思うんだけど、ついからかいたくなるのよね。 本当にシンジの心が宿ってるんだってわかったから、私も少し安心してたのかも知れないわ。 「ち、違うよ。母さんが調べたんだよ。僕、そんなことしないよ。信じてよ!アスカ」 「はん!信じられないわね。こんな美少女の身体に、あのスケベなシンジくんの心が宿ってるんだもん。 何をしたことやら、わかったもんじゃないわ」 「そ、そんなこと言うなよ。アスカだったら信じてくれると思って…」 「私だから信じられないんじゃない!アメリカに行く前の夜、私に何をしたのよ!」 「え、えっと、言わなきゃ駄目?」 う〜ん、この顔つき。まだ慣れないわね。馬鹿シンジの癖に可愛らしすぎるのよ。 「あ、当り前じゃない。可憐な乙女の私に何をしたっけ」 「き、キス…」 俯いて、真っ赤になってる少女の表情を見て、私は思わずぽっとなってしまったの。 そして、そんな自分に気付いて私は首をプルプルと振ったわ。 こ、これが、女子高病と呼ばれる、あの…アレなの? アレが、こ、この私に。惣流・アスカ・ラングレーに芽生えたって言うの? 嘘よ。嘘。絶対に嘘。 そんなことあるわけないわ! だって、私はシンジを愛しているんだもの! あ、そうだっけ。 目の前にいるのは少女だけど少女じゃなくて、シンジの姿はしていないけど、中身がシンジで…。 えっと、つまり…。 「お〜い、アスカ?何考え込んでるんだよ〜。あ〜あ、熟考モードに入っちゃったよ。 アスカがしかめっ面して、考え込んじゃったら、長いもんなぁ…」 「何が長いのよ。何がしかめっ面よ!」 熟考が終わってた私は立ち上がって、シンジの頭を叩こうとしたわ。 でも、叩けなかった。 いくら私が暴力的だって言っても、相手はシンジ限定だったからね。 こんな可愛らしい子を叩けるわけないじゃない。 私は大きな溜息をついて、またベッドサイドに腰掛けたの。 「で、アンタのスケベの件は?思い出した?」 「だから、キス…だろ?さ、3回したよね?」 「うきっ!何、遠い目になってるのよ。な、何か、アンタとキスしたみたいじゃないの!」 「え!アスカとキスしたのは僕じゃないか」 「だから、キスしたのはシンジだけど、今そこにいるのは、シンジだけど、シンジの身体じゃないじゃない! つまり、そこにいるアンタとキスしたんじゃなくて…」 もう、いいわ。ワケわかんなくなってくるわよ。 「とにかく!キスしたときにドサクサ紛れに、私の胸触ったじゃない!」 「あ…!」 少女はポンっと手を叩いた。 そんな何気ない仕草一つとっても容姿が可愛いから、こっちの頬が緩んでしまう。 「そうだった。思い出したよ。散々アスカに叩かれたっけ」 そして、少女はキッと私を睨みつけたわ。 へぇ…、こういう表情にもなるんだ。けっこうキツイ顔になるのね。 「あれは、事故だったんじゃないか! つ、つい夢中になって、アスカをグッと抱きしめたら、バランス崩しちゃって…」 「そうよね。それで、私をベッドに押し倒して、この胸をギュッて…」 ぼふっ! 私の頬は紅潮したわ。 う〜ん、見ず知らずの人間に話してはいけないことを話してしまっているような…。 変な感じよ。 「だから、あれは事故だって。それにすぐ手を離したじゃないか。 それなのに、アスカは無茶苦茶に叩いたよね。頭が痛くて、そんな感触なんて忘れちゃったよ」 「何言ってんのよ。お詫びにもう1回だけキスしてあげたでしょ!」 「そりゃそうだけど…」 ふ〜ん、拗ねた顔も可愛いわね。 あぁ〜っ!ダメダメ!ど〜して、こうなっちゃうんだろ? そっか。中身がシンジだってわかってるからだわ。うん、きっとそうよ。そうなのよ! 私はしげしげと、少女を観察したの。 青白い髪に赤い瞳。皮膚の色だってかなり白い。 白人の血が3/4の私よりも白いわ。 これって、確か…。そうそう、アルピノってヤツよね。それで色素が薄いんだ。 でも、整った顔。私とは違ったタイプの美少女よね。 あ、あれ?その何だかわかんない事故で女に変わったっていうことじゃないよね。 だって、シンジの顔にちょっと似てるくらいで、そっくりじゃないもの。 ということは…。 「アンタ、誰かと身体が入れ替わっちゃったとか、そんなのじゃないの?」 「いや、この顔とかには誰も覚えがないんだって。本当に不思議なんだよ」 へぇ…、そうなんだ。確かにそんなことなら、不思議よね。 ある日突然、全く知らない顔かたちの女の子になっちゃうんだもん。 まるで映画かアニメだわ。 「おじ様とおば様は?」 「僕を直すのに必死に研究してるみたい。だから、今回帰ってきたのは、僕だけなんだ」 「ど、どうしてよ。研究するんなら、アンタがいるんじゃないの?」 「うん…それはそうなんだけど…とにかく帰れって、あのいつもの調子で」 うっ…、おじ様のあの調子で言われたらいう事聞かないわけにはいかないわよね。 「じゃ、アンタそんな格好でこれからどうするのよ?ずっと、家に引きこもり?」 「あ、そ、それがね。編入手続きが終わってるんだってさ」 「編入?高校に行くの?どこの?」 「えっと、言いにくいな…アスカ、怒りそうだし」 「はっきり言いなさいよ!どうせ、私と同じところには行けないんだから」 「うん…あの…」 「あああ!じれったいわね!早く言わないと…」 叩けないんだってば。ああ、やりにくいったらありゃしない! 「じゃ言うよ。聖ネルフ学園…」 「はい?」 「だから、聖ネルフ学園だってば!」 「えええっ!アンタ、何考えてんのよ!アンタは男でしょうが。ど〜して、女子高に通うのよ」 「だって、今は女だし、アスカと同じ学校に行きたいから」 うっ!痛いところを突いてきたわね。 そりゃあ、私だってシンジと同じ学校に行きたいわよ。 で、でも、アンタは男で、姿は女だけど、中身は男なんだから! 女の園に女の格好をしたシンジが…体育なんかど〜するのよ。 私は着替えの様子を思い起こしたわ。駄目よ、そんな、うん、やっぱり駄目。 「無理よ、シンジ。いくら格好は女でも、心が男なんだから」 その時、少女は顔を曇らせた。 「どうしたの?あ、ちょっとキツかった?ごめんね、シンジ。 そっか、一人なんだから面倒見る人間がいるのよね。だから私と同じ学校なのか。 そ〜なんでしょ。ね、シンジ?」 「うん、そうなんだけど…実はもう一つ、大きな理由があるんだ」 「え?何なのよ、それって?」 瞳の赤い少女は、真っ直ぐに私を見つめた。 「僕が僕でいられるのは、夜中だけなんだ」 「え…それは…」 「その時以外は、別の人格になるんだ。 いや、僕の時間はとても少ないから、夜中だけが彼女じゃなくなるって言った方がいいかもしれない…」 「し、シンジ。何よそれ。じ、冗談じゃないわよ」 「本当なんだ。明日の朝になったら、彼女は今こうして話していることを忘れている。 日本で高校に通うようにって言われて来日した、彼女の意識だけになるんだ」 私は呆然として、シンジの喋る口元を見つめていたわ。 「彼女は僕の存在を知らない。数日間の夜の記憶がないだけで、あとは普通の女の子なんだ」 「ふ、普通の女の子ったって、突然生まれたみたいなもんなんでしょ!」 「うん。でもね、学力も高校生レベルは十分あるし、日本語も流暢に話すんだ。 ただ13歳から前の記憶が全然ないだけ。だから女子高は問題ないんだ」 「ちょっと!問題ないって、問題大有りじゃない!」 私は窓に浮かぶ満月を見た。 まるいお月様。さっき自分の部屋から見たときには、こんなことになるなんて想像もつかなかったわね。 シンジの言葉を信じるなら、朝になったら少女には別の人格が出てくる。 信じるしかないかな?現実にこんな非常識的なことになっちゃってんだもん。 「で、これからどうしたらいいの?」 「う、うん。これから、アスカが頼みになっちゃうんだ。 彼女は日本のこととか何も知らないし、アスカが助けてくれないと困っちゃうんだ。 家事はできるみたいなんだけど…母さんに言わせれば、僕の方が上なんだって。 だから、母さんからアスカのママには連絡がいってるとは思うけど…」 私は首を大きく横に振ったわ。 また、私に隠し事をしてるんだから。 どうせ、直前に言う方が面白いと思ってるんでしょうね。あの人のことだから。 「え?そうなの?あ、そうだよね。アスカが彼女がこの家で一人住まいするって知らなかったんだもんね」 「ママは…アンタのことは知らないの」 「そこまでは話していないよ。こんなこと信じてくれるのは、アスカくらい…」 「う〜ん、誉められてるのか複雑なところよね。ま、いいわ。信頼してくれて、アリガトね」 彼女はふるふると首を振った。 そっか、動作や表情の変化に乏しいんだ。 そこがシンジにどことなく似てるんだ。 そもそもシンジが両親にあまり似てないから…。 ひょっとしたらおじ様の髭とサングラスを取ったら似ているのかもしれないけどね。 「わかったわ。アンタが…ってより、この娘が聖ネルフに入るのは仕方ないわね。 日常生活の面倒も見るわ。このアスカ様に任せておきなさいよ!」 「ありがとう。アスカならそう言ってくれると信じてたんだ」 微笑んで私を見る少女の顔は、ホントに可愛かったわ。 「明日の朝、彼女を迎えにきて欲しいんだ。アメリカの碇博士に頼まれたって…」 「わかった…。任せといて。じゃ、明日の夜にならないとシンジには会えないんだよね」 「うん。夜中といっても11時から3時くらいなんだ」 「ふぅん…突然時報とともに変わっちゃうわけ?」 「はは、まさか。大体それくらいにって感じ。母さんに聞いた話じゃ、代わる直前に気を失うらしいんだ。 それに寝ている間は変心しないんだ。彼女が起きているときにだけ…」 「え!それって、凄く危ないんじゃないの!火使ってたりしてたら火事になったり、階段から落ちたりするかも」 「そうなんだ。だからアスカの力が…」 「ちょっと待ってよ。じゃ、私はずぅ〜とこの娘に引っ付いてないといけないじゃない!」 「そ、そうなるね…」 「ああっ!もう!信じらんない!何それ?じゃ、この娘と同棲しないと駄目じゃない!」 「そ、そうしてもらうと、助かるかな…て。怒った?」 私は上目遣いに私を窺う少女の顔を見て、溜息をついたわ。 「仕方ないわね。あ〜あ、これが本物のシンジだったらな。どんなに嬉しいか…」 「え!それって、僕と同棲してもいいってこと?」 少女は私をウルウルした眼差しで見つめた。 「ああああ!そんな目で私を見るな!」 「ご、ごめん」 「アンタ、鏡で一度見てご覧。私が男だったら、グイッと抱きしめてるわよ」 「僕、アスカならいいんだけど」 そして、少女はまたウルウルおめめでこっちを見るのよ。 「私は、い・や・よ!」 「そんなに力を込めて言わなくても…」 「だって!アンタは今女なんだからね!私は女子高に行ってても、そんな趣味はないの! いい?私にギュッとしてもらいたかったら、さっさと元の身体に戻りなさいよ!」 赤い瞳の少女の表情に影が差した。 「できるんだったら、してるさ…」 「あ〜!ごめんごめん!って、ど〜してシンジ相手にこの私が謝っちゃうのよ! だいたいそんな格好してるから、調子狂っちゃうのよね」 私の自嘲的な発言に、少女がフッと笑みを浮かべた。 「それは得をしてるかも…。この格好のときは、アスカに言いたいことを言っても大丈夫ってことか」 「ふ〜ん、じゃ碇シンジくんは私に言いたいことが言えなかったってことなんだ」 出たわよ!私がシンジのことをフルネームで呼ぶと危険なのよ! 少女がさっと顔色を変えたわ。 「ご、ごめん!アスカ、僕が悪かったよ。頼むから、怒らないで。アスカに見捨てられたら…僕…僕…」 シンジが私の嫌いなうじうじモードに入ったわ。 いつもこれで私の怒りの炎に油を注いじゃって、私が怒り狂うってのがパターンなんだけど…。 駄目。この容姿でやられたら、何か優しい気分になっちゃう。 くぅう〜!何だか凄く悔しいよぉ! 「はぁ…もういいわ。でも、抱きしめたり、キスしたりってのは絶対にしてあげない。 私、生理的に受け付けないから…ああ!そんな目で見ても駄目なものは駄目なの!」 ちょっと可哀相だけど、ね。 「その代わり、仕方がないから、私がここに住んであげるから。 多分、ママもそのつもりなんでしょ。全部知ってるんだったら」 私の言葉に、少女の顔がパッと輝いたわ。 「本当?本当にアスカと暮らせるの?」 そして、その赤い瞳が見る見る潤みだして、大粒の涙が零れたわ。 「ち、ちょっと、シンジ、止めなさいよ!泣かないでよ、もう!」 私は少女の傍に行き、震えているその肩を優しくつかんだの。 何だか、小学生のときに戻ったみたい。 ガキ大将にいじめられてるシンジを助けて、私が何度仕返ししてやったことか。 それから、泣きじゃくるシンジに優しく…喝を入れてあげたっけ。 『いつまでも泣いてんじゃないわよ、馬鹿シンジ!』ってね。 今は…少なくとも、今日は言えないわ。
その時、少女はビクンと身体を震わして…そのまま、私の腕の中に崩れ落ちた。 「ちょっと、シンジ!こ、これって…!」 壁の掛け時計は午前2時30分。 これって、さっきシンジが言ってた、変心…じゃないの?! まだ3時になってないじゃないの! どうしよ!シンジからいろいろ聞いてないよ。 この子の名前だって知らないのよ! わわ!私の胸にうずまってる顔が動き出した。 困ったわ!どうしたらいいの? 少女は…シンジの心を深夜にだけ持った、この少女は私の胸から顔をもたげた。 そして、赤い瞳に不審の色を深く宿らせて、言った。
「あなた、誰?」
第1話 「満月に夢見て」 −終−
<あとがき> 序章に比べてこの長さは何なんだ! でも赤い瞳の彼女に一言だけ発言してもらいたかったので、ちょっと長くしました。 次回は聖ネルフ学園に編入するお話…かな。 深夜だけシンジなので、第2話にシンジハートが登場できるか心配です。 それと、今度こそ第2話掲載はこれまでの更新スピードを期待しないで下さいね。 2002.12/27 ジュン |
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