(その壱)


(その弐)


(その参)

 

悪魔の寵児

 角川文庫・初版 昭和49年3月10日 解説:大坪直行 本文367P

 金田一耕助の第17長編。
 じとじととした陰気な雨が降る日に現れた<雨男>、のちに<悪魔の寵児>と命名された怪物は、新興実業家・風間欣吾の正妻と愛人を次々とその毒牙にかけていく。
 この作品の発表前にも『幽霊男』『吸血蛾』という猟奇モノがあったが、本格的になり始めたのはこの作品以降か?不気味な蝋人形館もでてきて雰囲気づくりには努めているのだが、金田一耕助の出番は非常に少ない。やはり肉欲たっぷりといった作品には、女気の薄い耕助はアンバランスなのだろう。

 

 表紙は3バージョン有ります。

(その壱)

 この作品の3つのバージョンの中で、このバージョンが一番雰囲気に合致している。例の1970年代テイストが人形の髪(オレンジ)と影(緑)の色ですね。

 

(その弐)

 一番馴染みのある表紙です。しかいながら、この黒いボクサーは誰だ?と当時思いました。登場人物の一人・猿丸猿太夫こと黒亀には間違いないのですが、50才前後には見えない。私は中身を読む前に黒人のボクサーが登場してくると思いこんでいました。

 

(その参)

 よもやと思った『金田一耕助ファイル』シリーズでの新表紙。これはびっくりしました。別に<その壱>バージョンを使ったらこのシリーズの雰囲気にピッタリだと思うんですが。新作を拝見できるのはファンとして幸福なのですが。

 

 

 

 

 

 

 

 

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