(その壱)


(その参)

 

 

 

悪霊島 (上)

 角川文庫・初版 昭和56年5月30日 解説:中島河太郎

  悪霊島 上     本文322P
  

 金田一耕助の第30長編。
 瀬戸内海に浮かぶ刑部島。その島に渡った男が姿を消し、金田一耕助が消息探しの依頼を受けた。耕助が磯川警部に会うと、どうやらその男は変死していたらしい。「あの島には悪霊がとりついている……鵼のなく夜に気をつけろ…」そんな言葉を言い残して…。
 昭和42年に発生した事件を描いています。晩年の2大作の中で岡山編のこの『悪霊島』を推すファンも多いのです。耕助デビュー以来の相棒・磯川警部も丹念に描かれていて、作者の愛情が伝わってきます。単行本の表紙はこちらです。

 

 表紙は3バージョン有ります。

(その壱)

 この表紙は帯がない方が絶対にいいと思います。帯が付いてしまうと、島の頂きだけが見えるだけで、ただの女性の顔のアップにしか見えませんから。帯を外した途端に印象がまったく変わる見本のような表紙絵です。

(その弐)

 ここには掲載していませんが、映画化に際して、映画のスチール写真を使った、最近でも良く見かける完全タイアップ型の表紙になってしまいました。味も素っ気もないのでここには画像はおきません。因みに同時期に発売された『シナリオ・悪霊島』は現在超高値で取引されているとか。

(その参)

 平成のファイルシリーズで新表紙になりました。単行本の3人よりも少し泥臭さが見られます。ただ、不安感が全面に漂う印象が有り、血痕の赤さも鮮烈です。

 

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