塙公爵一家

 角川文庫・初版 昭和53年2月25日 解説:中島河太郎

 
塙公爵一家
孔雀夫人
本文151P
本文118P

 ノンシリーズの長中編集。
 霧の倫敦。自殺寸前にまで窮乏していた貧乏画家が姿を消した。そして、その青年と瓜二つの公爵の息子が帰国してきた。政治結社の大物・畔沢大佐の陰謀である。その後、老公爵が殺害され、後継ぎが決められた…。
 上記の表題作、無実の罪で投獄され死刑を宣告された新郎を救おうと奔走する新婦が主人公の『孔雀夫人』の2作を収録している。

 

 軍服以外のサイドを落として、陰謀の雰囲気を存分に漂わせています。実はこの作品中にまずい点があって(以下ネタバレ。OKの人は反転してね)入れ替わりの際に被害者と加害者がさらに入れ替わって元の通りのままになるのだが、その時死体(実は生きている)の始末を大佐がすると明記されている。となると始末された死体、つまり貧乏画家は後日

 

 

 

 

生きていないことになる。ここで大佐が須藤ドクトルに始末を命令している描写があれば、問題なかったのですが…。

 

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