(その壱)

 


(その弐)

 

迷路荘の惨劇

 角川文庫・初版 昭和51年6月10日 解説:中島河太郎

  迷路荘の惨劇     本文469P
  

 金田一耕助の第28長編。
 富士の裾野に建つ迷路荘。ここは明治の権臣古館伯爵が建てた別荘で、本当の名は名琅荘という。屋敷のいたるところにぬけ穴やどんでん返しがあるため、迷路荘と呼ばれているのだが、その迷路荘で殺人事件が起こる。
 中篇(長編になるのかな?)の『迷路荘の怪人』を大長編化した作品です。

 

 表紙は2バージョン有ります。

(その壱)

 角川文庫も『吸血蛾』あたりから小粒になってきたのですが、この34作目に至って人気長編が登場。しかも新作長編だから初心者の横溝ファンには嬉しいプレゼント。今のように情報が氾濫していないから、『仮面舞踏会』と『迷路荘』の存在は文庫の読者には知られていないことが多かった(本当ですよ!今では信じられない環境です)。表紙については作品の要素(地下道、片腕の男、鼠、冷たい美貌の女)を全て描写しています。評判も良かったので(『仮面舞踏会』と同様)表紙が変更されるとは思いませんでした。

(その弐)

 これは地下道に見えないんです。死刑台への13階段に見えてくるのです。それはそれでいいのですが、妖しさが感じられないのは女性が描かれていないからでしょうか。私は<その壱>の方が好みです。

 

 

 

 

表紙絵メニューへ            次の作品へ