(その壱)

 


(その弐)

 

三つ首塔

 

 角川文庫・初版 昭和47年8月30日 本文342P 解説:大坪直行

 金田一耕助の第12長編。
 伯母夫婦に育てられている宮本音禰に莫大な遺産が贈られることになる。それを契機に始まる連続殺人。音禰の前に現れる謎の青年は、彼女が相続する大金が目的なのか?そして音禰はその青年を憎み、やがて愛するようになっていく……。
 横溝長編の中では1ランク下と評されていたこの作品が他の有名作品と肩を並べることが出来たのは『横溝正史シリーズ』(毎日放送)のおかげと断言できます。出目昌伸監督の戦後の雑多な雰囲気たっぷりの演出と、ピタリはまった真野響子のヒロイン像が見事でした。

 

 表紙は2バージョン有ります。

 

(その壱)

 この表紙絵 これは……、よくわかりません。<その弐>バージョンがわかりやすい絵柄なだけに、どことなくジョン・ディクスン・カーの初期作品を思わせる表紙絵です。ところが平成のファイルシリーズでは、何故かこちらの表紙絵が採用されています。

 

(その弐)

 ヒロイン・宮本音禰の愛と青春の旅立ちという内容通りの表紙。『横正シリーズ』の帯が付けられていると、音禰の鼻から下が見えないだけに、余計にミステリアスな印象を受けます。

 

 

 

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