真珠郎

 角川文庫・初版 昭和49年10月20日 解説:中島河太郎

  真珠郎  本文219P
  孔雀屏風 本文40P

 中短編集。
 真珠郎はどこにいる。
 この有名な文章で始まる、この物語は、大学講師の私が友人と信州に旅行へ出かけたときに始まる。旅先で怪奇な事件に遭遇した。類い稀な美青年・真珠郎がその白い指を血に染めて殺人を犯していくのだ。
 上記の「真珠郎」。ミステリーというより奇談「孔雀屏風」の2作が掲載されています。金田一耕助は出てきませんが、『真珠郎』は大好きな作品です。別に探偵役の由利先生が出てこなくてもよかったかもしれません。

 

 この表紙、私はとても好きな絵なんです。嗚呼それなのに……!以下ネタバレ!OKの人は反転して下さい。それは表紙をよく見た人には真珠郎が女性だとわかってしまうのです。だって、ほら、む、胸が!乳房が!ミステリーマニアまでいかない中学時代の同級生たちが全て看破していました。ここがキーポイントの作品なのに!でも、やっぱり私はこの表紙が大好きです。だって、私はトリックで読む読者ではなく、シチュエーションで読む読者なのですから。

 

 

 

 

 

 

 

表紙絵メニューへ            次の作品へ