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「かわってはいけない事もある」


こめどころ       2005.4.14(発表)



 





天気の悪い水曜日。昨日までの好天と打って変わった黒い雲が渦巻いている。
台風が次第に近づいているらしい。


「ああ、全国大会も近いのになかなか回復しないわね。いらいらしちゃう。」

「打撲と言うのはなかなか回復しないものよ。骨も同じ。綺麗に割れたんじゃなくて
一種の圧迫骨折みたいなもんだから。再生面が広いわけだからね。」


ミサト先生は焦らないようにと解説してくれたんだけど、アスカはもともと考えるより
先に手が出るタイプだから、納得してもまた直ぐに愚痴り始めるんだ。
こんな鬱陶しい天気だとなおさらだ。

骨折だけなら上半身だけとか握力だけとかいためていないところの筋力トレーニングを
するんだけど、ほとんど全身の打撲がある上で、局所のひどい打撃をうけているわけで。
部分的トレーニングでも筋肉は連動してるからそこをいためる事になってしまう。
だから結局大人しく安静にしているしかないのだ。

お医者さんに処方してもらったPGEの塗り薬をタップリ手にとって、打撲部分を中心に全身を
ゆっくりマッサージしながら塗りこんでいく。その為に毎日来てくれる大学研究室の伊吹さんが
アスカの治療を引き受けていた。
特にひどい脚の打撲は、むしろ試合から暫く経ってから損傷がピークに達した。壊れた筋肉
細胞からいわゆる破壊酵素が溢れて周囲の組織も道連れにして壊してしまうのだ。その悪循環が
止まらない。ステロイドのような強い薬をうまく使いながら、炎症を抑えながら少しづつ機能を
回復させていく。一時は自力では歩けない状態にまでなった。飲み薬も暫く欠かせないそうだ。

腫れあがって赤黒く内出血した跡が残る脚が痛々しい。
最初は少し強くさすると悲鳴をあげてたくらい。そのあとで氷で冷し、熱を取る。
歯を食いしばって脂汗を浮かべながらマッサージに耐えている様子はたまらない痛々しさだった。
炎症が治まってきてからは逆に少しづつ温めながらマッサージをする。
週に3回は温浴高圧マッサージ機を使って全身をぬるいお湯につけて高圧水流で全身をほぐす。
やたらと冷せばいいというものではないらしい。

その間僕はアスカのママに行き帰りの付き添いを頼まれた。断れないのはいつものこと。
断るつもりもなかったんだけど、結局荷物もちとか痛みがひどいときの助けとかそういうこと。
マヤさんにマッサージの仕方を習い、家に送っていった後は暫くアスカの脚をさすって血液の
循環を助けた。

大義名分があるもんだから、アスカは大得意で僕の事をこき使って悦にいってた。
つまりさっきまで男子校舎保健室のベッドで昼休みだって言うのに彼女の脚に薬を塗ってマッサージを
させられてたのは、つまりそういう事だったわけで。
(わざわざ女子部校舎のとこまで迎えに行って、男子部の学食でご飯を食べたうえで、だ。)

男子部と女子部は最近互いに出入りが自由になっているので助かった。
それでも男子部で女子を見かけるのはまだまだ珍しいし、女子部では姉妹でもいない限りほとんど皆無だ。
(女子の方が勇敢って事なんだろうか。)これが出入り禁止だったらどうなっただろう。
禁止だったとしてもきっとアスカは来いって言っただろうからね。


「ウーン、いい気持ち。シンジあんた上達したわね〜」

「そうかい。内出血跡もだいぶ消えたし血行循環も良くなったみたいだし、まぁよかった。
もうそろそろ自分で塗りこめるでしょ。」

「だめよ。脚の裏側とか、自分じゃうまく塗れないもの。まだ普通には歩けないし。
第一塗るだけじゃマッサージにならないでしょ。やっぱりあんたがやってくれなきゃ。」

「もうやだよ。恥ずかしいし、誰かに女の子の足さすったりしてるとこ見られたら。」

「婚約者の足に薬塗るののどこが恥ずかしいのよっ。ちゃんとスコートはいてるんだし見られたっていいじゃん。」

「婚約者って、あ、あれはっ。ものの弾みで。おじさんにだって認められてるわけじゃないじゃない。」

「え、じゃあ嘘言った訳あんた。ダメよ。一旦男が口に出した事変更できるとでも思ってんの?
親が認めようが認めまいが、あんた自身の心の問題じゃない。
逆らわないで黙って薬を塗りなさいよ。第一、あんたそんな事あたしに言える立場だっけ?ああん?
もしかしたらあそこであたしはあんたに手篭めにされてたかもしれないのよ。」

「て、手篭めってそんな…(絶句)」


ああ、僕って馬鹿だ。(第38話参照)
幾らくらっとなったからってアスカに手を出したらどうなるかぐらいわかってたはずなのに。


「とほほ…男の責任ってことか。」





 最近アスカはこうやって周囲の人間に自分と僕が特別な関係にある事をなにかとアピールしようとする。
今回それに引っかかったのは例の二人。たまたま保健室に来て僕らを発見したんだ。
僕らのやっている事を見て、最初は固まり、次にからかいだした。
雉も鳴かずば撃たれまいにという諺を思い出す。お前ら早くどっかに行った方が身のためだぞ。

次の休み時間ちょっと顔貸せや、ということで校舎の端の廊下の突き当たりに呼び出された。
好意的に考えればこき使われて逆らえないでいる僕を哀れんで元気付けようとしてくれたのかもだけど。


「なんや、センセは生涯惣流のパシリやるつもりかいな。」

「うるさいなあ。誰が好きこのんであんな事やってるもんか。」

「いや、好きこのんでやってるように見えるぜ。へっへっへ。」

「いやー、ええのう。惣流の太股。惣流のすね。惣流のふくらはぎ〜〜〜。」

「うししししっしい。」


声を合わせてにやつく二人。僕がこんなに困り果ててるって言うのに。
大体僕は病院での一件でもう前科一犯なわけで。それなのにアスカはこうやって僕を刺激する。
もう一度僕が狼になっちゃったら、どうするつもりなんだろ。
第一、惣流のママだって僕とアスカの一件は知ってるはずだ。だのに何故僕に任せるわけ?
娘が可愛くないんだろうか。
(といってラングレーのおじさんに知られたら僕は木端微塵に殺されてただろうけどね。)


「ケンスケまで…僕はあいつの親に頼まれて仕方なく。」

「あっらぁぁあ。嫌々やってくださってありがとうございます、ね。」


廊下の隅で話していた僕らの後ろからぬっとアスカが顔を出す。
わっ!どうやって松葉杖のまま、僕らの死角を突いてすばやく近寄るなんて真似ができるんだ?


「ア、アスカッ!」

「なんや、動けなーい。痛いよーとかさっきまでセンセに甘えとったくせに
ちょっと見えないと、こんなところまでひょこひょこやって来よるんかい。」


一瞬怯んだアスカだったがモノも言わずに松葉杖でトウジの内腿を突いた。


「ひゃっ、いてててえっ!」


たまったもんじゃない。脚を抱えるようにしてトウジはズデンゴロとその場に崩れ落ちた。
壁に引っ付いて難を避けようとするケンスケと僕。


「あんたたちもなんか文句があるっての?」


プルプルプル―――何もございません!と僕らは白旗抱えて無条件降伏だ。


「そうそう、そういう風に何時でも従順でいればいいのよっ。」


そう言うと彼女はにっこり微笑んだ。何時でもこういう顔で笑っていてくれたら何も
強制されなくたって、誰だってアスカの言う事をきくだろうに。
アスカの背中にはいつだって白い翼と黒い翼が交互交互に開くんだよな。
こういうところは知り合った頃と全然変わってない。


「シンジ、さっきママから電話があってさ、午後は早引けして急いで家に戻ってきて欲しいんだって。
だからあたしは今から帰るんだけど。」

「あ、じゃあ僕も一緒に帰るよ。先生に届けだしてくる。」

「ほんと?うれしいっ。あ、届けはもう出しておいたから大丈夫よ。」


そう言って早退許可証をひらひらさせる。
何だ、もう手配済みか。僕は苦笑するしかない。


「何かあったのか?惣流。」


ケンスケが尋ねる。


「ううん、私もまだ何も聞いてないのよ。でもなんかやたら急いでたわ。」

「という事はほんとに何か急用って事だな。ほら、碇そこにしゃがんでっ!」

「え、え?」

「馬鹿か、急いでるんだろ惣流を背負うんだよ。ほら松葉杖貸せって。」


ひったくるように松葉杖を持つと、ほら行くぞっってケンスケは走り出した。
その勢いにつられるように、僕は恥ずかしがるのを忘れてアスカをおぶって廊下を駆け出した。


「このまま玄関口に行け。お前と惣流の荷物はあとで回収して届けといてやるよ。」

「サンキュッ!相田ッ!」「悪いッケンスケ!」


珍しくアスカがケンスケに礼なんか言う。僕らはそのままアスカを背負って校舎を走り出た。
森を駆け抜けて女子部との分岐の道まで来た。
そこにバタバタとエンジン音を響かせて小さなミニクーパが併走し始めた。


「お、来たな委員長。」


後期自治会でなんと自治会委員長に一年生の身で選出された洞木は今皆に委員長って呼ばれている。


「やっほうアスカ。」

「ヒ、ヒカリッ!」

「話は聞いたわ。ほらっ、二人とも乗って。」


乗り込むとそこにはアスカの荷物があって、二人が乗り込んだ上に松葉杖が渡された。
そこにちょうど遅れて走ってきたトウジが、僕のディバッグを放り込んだ。さすがに足が速いな。


「よっしゃ、行くわよっ!」


洞木さんは車を走らせた。学校の敷地を出てからはさらに速度を上げた。


「いつの間に免許取ったのよ、ヒカリ。」

「1500cc以下の車は15歳で取得できるようになったの知らないの?」

「車で通学してるわけ?」

「これはシスター・マリア・マグダラのミニクーパよ。送ってあげなさいって言われてね。」


僅かな時間でアスカのアパートの前に横付けした。アスカを横抱きにして、とにかく階段を駆け上った。
2階と3階が惣流家のメゾネットだ。僕に抱き上げられたままで彼女はドアフォンを押す。
直ぐに扉が開いてアスカのママが顔を出した。そっとアスカを降ろして肩を支える。


「とにかく中に。」

「ママ、一体何があったの。」

「今、パパが向こうのヨーハン叔父さんと話してるわ。あちらのお母様が倒れられたらしいの。」

「ええっ、お祖母ちゃんが?」


これは大変なことだ。靴を脱ごうとしてよろめく彼女を支えた。


「アスカ待って。壁につかまってて。」


しゃがみこんでアスカの靴の紐を解く。片方ずつ脱がすとそのまま壁伝いに彼女は居間に入っていく。
心ここに非ずって感じで、相当ショックを受けたみたいだった。


「碇、ほらアスカの鞄と松葉杖。」


洞木さんが階段を駆け上がってきて僕に手渡したものを玄関の床に置いた。
そのまま静かにドアを閉めて外に出た。


「碇、一体なんだって?」

「いや、アスカのお祖母さん、倒れたらしいんだ。」

「お祖母さんって、ドイツに一人で住んでらっしゃるっていう方でしょ。」

「そうらしいね。
今叔父さんから連絡が入ってるって言ってたから親戚がいないわけではないんだろうけど。」

「日本の方なんですって?」

「うん、前にそう聞いたよ。」





その夜、アスカから電話が掛かってきた。


「シンジ君、アスカちゃんから電話よ。そっちへまわすから。」


部屋の電話が、チン、と音を立てた。受話器を取り上げる。


「僕だよ。どうかしたの?」

「シンジ、お祖母ちゃんかなり悪いらしいの。どうしよう。」

「かなり悪いって、どういうこと。」

「もう、1週間持つか持たないかだって。パパたちは明日の午後便で立つの。」


アスカのすすり泣く声。


「でも、あたしは日本に残れって。全国大会に出ろって。」

「あ、そうか。そうだよね。」


アスカは全国大会に出場するために何年も頑張ってきた。それを知ってるからラングレーさんも
連れて行こうとしなかったんだ。
今は脚がだめだけど、数日すれば急速に回復に向かいだすって医者も伊吹さんも言ってた。
つまり全国大会への出場は十分可能なわけだ。それだからなおのこと。


「アスカ、君はどうしたいの?」

「あたし、わからないの。お祖母ちゃんも心配だし、でも全国大会に出るのは負けた人たちへの
義務でもある。棄権したらうちの県からは誰も出ないことになるから。」


この大会には通常棄権による繰上げ出場はないんだ。それだけでなく、盛り上がっているOB会や
同窓会だってがっかりするだろうし。そんなしがらみがアスカをなおの事動きにくくしてるんだ。


「君は全国大会に出たいの?それともお祖母ちゃんに付いていてあげたいの?」

「あたし、あたしは…」


僕は残酷な事を尋ねている。そう思った。
以前、アスカがお祖母さんの事を気にしていたとき、僕は躊躇いなくアスカにドイツに行って
お祖母さんと会ってくる事を勧めた。あの時は出かけていくことに何の問題もなかった。
でも今は違う。あの時ラングレーさんがなかなかお祖母さんに会いにいけなかったように、
アスカにも「行けない理由」が出来てしまったんだ。
彼女の夢である全国への出場。次のチャンスがあるかどうかはわからない。
多分お祖母さんだってアスカの夢を捨ててまで会いに来てほしいとは望まないだろう。

母さん、僕は彼女になんて答えればいいと思う?

僕は思わず母さんを呼んでいた。幼い僕は正月に帰ってきた母さんを家の前で見送っただけだった。
その次には、母さんは黒い車に乗って家に戻ってきた。戻ってきた母さんは冷たくて固かった。
レイは何もわからずにママが帰ってきたってはしゃいでた。僕は一番奥の部屋の布団の山の間で泣いた。

アスカにお祖母さんに会いに行く事を勧めたときに、たまたまジュウシマツのお父さんがモズに殺された。
あの時僕は何故あんなにもショックを受けたのだろうか。
母さんの代わりとしてすがっていた小鳥が殺されたとき、僕は多分母さんが死んだときに受けるはずだった
衝撃を何年もの時間を隔てて受けたんだ。年月が僕の受けるはずだった打撃を和らげてくれた。
そして、アスカや成長したレイがさらに僕を支えてくれた。

ドイツに行けばアスカは多分おばあさんの死に正面から立ち会わねばならないだろう。
それを僕はどう支えてやれるだろうか。
逆にもし日本に残ったらどうだろう。
彼女はお祖母さんを見捨てたという思いをずっと抱き続けなければならないんじゃないだろうか。
その後悔に対し僕が彼女を支えてあげる事が可能だろうか。


「シンジ、聞いてる?」

「うん、聞いてるよ。」


これはアスカの問題だ。辛くても自分で決定しなければ結局悔やむ事になると思う。
そう答えることは簡単だ。
でも、それはアスカが望んでいることじゃない。
アスカは、僕に決めて欲しがっているんだ。自分で決めるべき事を、あえて僕に決めて欲しがってる。
それは何故。
人間は、いつでも正しい事をしなきゃいけない訳じゃない。理詰めに出した答えが正解とは限らない。
いつでも期待されている通りに動かなきゃいけないわけじゃない。
いいじゃないか、弱くたって。いいじゃないか、理性的に振舞わなくたって。

良い子のアスカは責任とか義務とかそういうことから逃れられなくて心がたぶん悲鳴を上げてる。


「アスカのお祖母ちゃんて、どんな人なの?」

「前に話したこと、あったよね。ドイツの街で一人ぼっちで暮らしてるの。一人娘がアメリカ人と結婚して
日本に行って、そこで亡くなってしまったから。でもね、お祖母ちゃんは元々日本の人なのよ。こっちに帰ってきて
一緒に暮らそうって言ってるのに。こっちに来ちゃったらお墓のおじいちゃんが寂しがるでしょって言うの。
そういう人。お祖父ちゃんとずっと一緒に暮らすって決めて、お父さんやお母さんが亡くなった時も日本には戻れ
なかったから、帰れないってそう言うの。その頃は世界中で内乱や争いがあった時代だったから戻れなかったのに、
自分の責任を果たせなかったからって。どうしてそんなに悲しくこだわるのか、あたしにはわからない。」

「本当は、日本に戻りたかったのかな。」

「前にあたしがドイツにおばあちゃんを尋ねて行ったとき、お祖母ちゃん、泣いてた。キョウコにそっくりになったねって。」

「お母さんと。」

「そうよ。母さんの小学校時代の話や、田舎に住んでた頃の話や、あたしも知らないような昔の日本の話をいっぱいしたわ。
日本の桜や、日本の景色のDVDをいっぱい持ってるの。桜餅とか実家の庭に翻ってた鯉のぼりとか、ちまきとかそんな話をした。
お祖父ちゃんのお墓参りにも行ったのよ。もうピカピカに磨き上げてあって、そこの芝生の上でお弁当食べてお祖父ちゃんが
生きてるみたいに話しかけて。」


ああ、そうだよ。僕の母さんもそういう人だったな。お彼岸やお盆には必ずお墓にお参りして掃除をするんだ。
京都のお寺にも毎年出かけていったの、憶えてるよ。
子供の頃遊んだ境内で同じ場所に座って小さい頃の話を僕にしてくれた。
お墓の前では、写真でしか会った事のないお祖父ちゃんやお祖母ちゃんに長いこと話しかけてたな。
それを聞いていて僕は祖父母がまるで生きていたときに会っていたような気持ちになったものだった。


「…僕の母さんも。そうだった。」

「そういうのって、今は珍しいことよね。」

「そうだね、今はお墓を作らない家も多いし。無宗教の人も多いし、お墓があってもお参りはしない人も多いし。」

「お祖母ちゃん、お墓でいつもは一人だったんだよね。そこで何を話してたんだろう。お祖父ちゃんと。」

「ねえ、アスカ。」

「うん。」

「ドイツに行ってあげなよ。お祖母さんは、多分一番君に会いたがってるんじゃないのかな。
だって、お祖母ちゃんの本当の血縁者って君だけじゃないか。娘にそっくりな孫に一番会いたいんじゃないの?」


電話の向こうで、アスカが長く息を吐き出したのがわかった。まるで安心したみたいに。


「そうする。」

「うん。」


それから一呼吸おいて、小さな声で言った。


「一緒に行ってくれる?お祖母ちゃんに紹介したいの。シンジのこと。」





彼女が多分そう言い出すだろうって、僕はどこかで予感していたかもしれない。
何とか持ちこたえていた空から、とうとう大粒の雨が降り出した。














第40話へつづく

『もう一度ジュウシマツを』専用ページ

 

もう一度ジュウシマツを(39)かわってはいけない事もある 2005-04-13 komedokoro






「もう一度ジュウシマツを」第39話です。
話が大きくうねりだしました。
このまま全国大会に進んでスポ婚ラブコメいや、もといスポ根LASにはなりませんでしたね。
ドイツに一人で住むアスカのおばあさん。
彼女の血縁者は遥か極東のアスカただ一人だけなのです。
そして彼女はシンジとドイツへ向うことになりました。
この決定をシンジに委ねたアスカを非難してはいけません。
結論はわかっていても自分ひとりで決めてしまうにはあまりに背負うものが重過ぎます。
シンジを信頼しているからこそ相談したのです。
彼ならばアスカの進むべき道を指し示してくれると信じて。
もしひとりで進むべき道を決めていたなら、シンジは自分の無力感にとらわれてしまうことでしょう。
こんな大変な決断をアスカに勧め、そしてかかるであろう火の粉は自分で被ろうとするシンジ。
漢だねぇ、アンタ。
ご投稿、ありがとうございました、こめどころ様。
(文責:ジュン)

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