日産セントラ(その3)


◆大学の掲示板で個人売買の広告を見る◆
大学の掲示板にも中古車の個人売買の広告が張りだしてあります。卒業する人、とりわけ帰国する留学生などはクルマや家財一般を売りに出します。いろいろチェックしましたが、書いてある電話番号に電話してもすでにdisconnectされていたりとか、古すぎたりしました。
そんな中で、大学の食堂や書店が入っている建物のロビーに、「CAR 4 SALE」というメモが貼ってあり、「86年式のセントラ」が売りにでていました。
米国と日本とではモデルチェンジの時期が若干ずれていると思っていましたので、86年であればFF初代となった丸いサニーかまたはFF二代目である「トラッドサニー」だろうと考えながら、新しく我が家になったアパートの一室から電話してみると、広告主の人物は「88年式のセントラもあるよ。値段は3400だ。」と言うではありませんか!それはATか?と尋ねると、そうだ、とのこと。

〜ついでですが、電話での会話は、対面よりも何百倍もエネルギーが要ります。こちらが英語に不自由そうだと分かると向こうもプレーンな表現でシンプルに喋ってはくれますが。こちらも、聞き出すべき要点をしっかり返答してもらえるような、シンプルな質問を心がける必要があります。〜
私は、内心、88年式ならば間違いなくトラッドサニーだろうし、年式も4年しか経ってない!と嬉しくなり、さっそく住所を聞いて行ってみました。オクラホマの町は碁盤のようになってますので、私のような来てまもない外国人でも地番さえ正確に聞けば、地図があればたどり着けます。
◆1988年型日産セントラとの出会い◆
大学の近所である住宅地の広告主の家に行ってみると、広告主は学生ではなく、なぜか白人のオッサンでした。そのオッサンが 住んでいるアパートの前には2台のセントラ(サニー)が置いてありました。
一台は赤の86年式で、これは丸い感じのFF初代サニーでありました。もう一台は、ダークグレイメタの88年式で、こちらは四角いトラッドサニーでありました。中を覗くと、なるほどATです。
値段は赤の方は忘れましたが、トラッドサニーの方はフロントガラスに白い塗料で大きく「3500」と描いてありました。電話では3400と言っていたし、その場で確認しても、3400ドルだ、というので、売れないから値引きするつもりなんだろう、と勝手に判断しました。安いのはいいことです。
今まで見てきた中古車屋の相場からしても、4年ものの、見た目もしっかりしたトラッドサニーがこの値段というのはとてもリーズナブルだと思いました。走行距離は6万マイルほどだったと記憶しています。キロになおすと10万キロ程度のはずですが、中古車屋めぐりで頭の中はマイル状態になっていましたので、少ない!と感じました。
ところで先述の「CAR 4 SALE」の「4」は「FOR」の意味であります。楽しんでこういう書き方をしているようです。80年代、プリンスの「I would die 4 U」とかいう曲もありましたが。
実は、私はせっかく米国にいることだし、日本ではたぶん乗る機会もないであろう米国製の自動車が欲しかったのですが、予算やら、時間やらの制約がある中で、中古車屋にしても、個人売買の広告にしても、アメ車にはめぐり合いませんでした。
日本車であれば、年式やら状態からしてだいたいの中古車相場の妥当性を判断できるかということも、もしかしたら遠因だったのかもわかりませんが。


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