日産セントラ(その8)


◆ショックアブソーバー◆
ショックが相当抜けているのは試運転の時にすでに気が付いておりましたが、丁寧な運転を心がけていれば大丈夫だろうと思い、だましだまし乗っていました。
しかし、普通にハイウェイを走っているだけでもフワフワが収まらなくなるほど症状がひどくなりましたので、ショックアブソ−バを交換することにしました。
筆者は、日本でFF車のストラットを自分で交換した経験がありましたので、できれば自分でやりたかったのですが、こちらにはスプリングコンプレッサーなどの特殊工具を持ってきているはずもなく、困りました。

大きめのメガネレンチやらボックスレンチなども持ってきてません。またこちらで揃えると高くつきそうもったいないですし…。そこで、引っ越しの時にお世話になった、トラックのレンタカー会社「U-HALL」で工具のレンタルをしているのを思い出し、必要な工具を借りようと尋ねてみましたが、レンタルでも料金が高くつきそうでした。
しかたなく、ショックを購入してその店で取り付けてもらう、という正攻法でいくしかないと、「WAL-MART」の自動車部品コーナーに行きました。「WAL-MART」はいわゆるディスカウントストアであり、衣料品からおもちゃ、電気製品など、なんでもおいてあります。自動車用品のコーナーも充実していて、オートバックス並に自動車用品なら何でもあります。
ショックの値段を見ると、部品自体はそんなに高くないので、ここで購入して、取り付けも頼みました。ここでも、なぜかセントラ用の在庫がちゃんとありました。日本のオートバックスと同じで、店舗の横にガレージがあって、タイヤなどの部品の取付けをやっています。FF車のストラット交換は、自分で交換した経験があるだけに、一定の工賃を取られることを覚悟していましたが、ここでも、あっけないくらい安上がりでした。正確な金額は忘れましたが、たぶん、百ドル台だったはずです。
交換した後、すごく調子がよくなり、大喜びしていたのですが、しだいにフロントがガタガタし始め、逆に乗り心地が以前よりも悪くなってきました。最初は気のせいかと思っていましたが、クルマや機械には全く無頓着な家内までが、「おかしい」と言い出しました。
クルマを前から見てみると、フロントタイヤが明らかに「ハ」の字状態になっています。普通は目では確認できないくらいの「逆ハ」の字のはずですが。ショックの交換が原因としか考えられません。
おそるおそる、WAL-MARTに持ち込んで、この店で部品を交換して以来、具合が悪くなった旨を告げると、すぐに対処してくれました。今では忘れましたが、そんなセリフ、どうやって言ったんでしょう?当時は言えたのかな?あるいは必要に迫られてか?
店の横のガレージでは、当初の取付けを担当した若い人ではなく、今回はいかにもベテランのような感じの三十代後半かとみえる白人男性のメカニックが作業を担当しました。作業後、最初の取り付け時にどこがどう悪かったのか詳しく説明してくれました。「…the bad news is…. …and the good news is…」とプレーンな英語でてきぱきと話してくれるその様子を、フロントの女性がほれぼれしたような表情で微笑みながら見ていた(見惚れている感じ)のを今でもよく覚えています。優秀なメカニックだというのが感じられる人でした。こんな見ず知らずの英語ができないアジア人にとても親切…。人柄もよさげです。ああいう人になりたいものです。


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